ランサムウェアだけじゃなく「学生の誤操作」で研究データが消える――東京農大はどう防ぐ?:バックアップデータまで消えるリスクに対処
「誤操作によって重要なデータが消失する」「ランサムウェアがバックアップデータも破壊する」――。東京農業大学の研究室はこうしたリスクに備えて、データ保護の仕組みを見直した。どう変えたのか。
東京農業大学農学部の生物資源開発学科には、アブラナ科植物の品種改良に向けて、植物の遺伝情報やゲノムを解析する研究室がある。この研究室は世界中から素材となる植物を集めて研究しており、膨大な研究データやそのバックアップデータを、ファイルサーバやNAS(ネットワーク接続型ストレージ)、オンラインストレージなどに保管してきた。
研究室では約60人の学生と教員が、各自のPCで研究データにアクセスする。東京農業大学は、セキュリティやデータの取り扱いに関する教育を実施している。それでも研究室に所属する学生は年度ごとに入れ替わることから、操作に不慣れな学生が誤って研究データを含むファイルを書き換えたり、削除したりするリスクがあったという。加えてランサムウェア(身代金要求型マルウェア)などのマルウェアが、バックアップデータまで破壊してしまうリスクも想定する必要があった。
研究データを「誤操作」と「ランサムウェア」から守る具体策とは?
そこで研究室は、研究データの保護の仕組みを見直した。元データだけではなく、バックアップデータまで失うリスクに備えて、データを保護する仕組みを整えたという。どのような仕組みなのか。
誤操作やマルウェア感染による研究データの消失に備えて研究室が採用したのは、バッファローのNAS「TS5420RN0404」だ。研究室内のファイルサーバや既存のNAS、オンラインストレージに保管している研究データの一部を、このTS5420RN0404にバックアップすることにした。
TS5420RN0404には、指定した保護期間中は管理者権限でもスナップショットのデータを変更・削除できない「不変スナップショット」機能がある。研究室はこの機能を使い、保護期間を仕様上最長の60日に設定した上で、復元に備えてスナップショットを頻繁に取得するようにした。
国産製品であることに加えて、不変スナップショットを利用できることを評価してTS5420RN0404を選定した。運用のシンプルさや安定性を重視した設計も、選定を後押ししたという。
不変スナップショットとネットワーク切り離しで研究データを守る
研究室は不変スナップショットを活用し、誤操作やマルウェアによって研究データが書き換わったり、削除されたりしても復元しやすくした。バックアップを取得するたびにTS5420RN0404をネットワークから切り離すことで、ネットワーク経由のマルウェア感染のリスクを抑えているという。
今後は東京農業大学の別キャンパスなど、研究室から離れた拠点への物理的なオフサイトバックアップの構築を検討する。火災や地震などの災害時に、研究データを失うリスクをさらに抑える考えだ。バッファローは2026年9月24日、本事例を発表した。
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