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TOHOシネマズが「カーペット下のLANケーブルが“踏まれて断線”→敷き直し」から脱却 70館以上でどう実現した?:限られた人数で全国の館内ネットワークを効率的に管理するには

TOHOシネマズは、全国72館の業務用ネットワークを有線LAN中心で運用しており、LANケーブルの断線や敷き直しが負担になっていた。ネットワーク担当者の人数が限られる中、こうした負荷をどう減らしたのか。

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 全国に映画館を展開するTOHOシネマズは、業務用のネットワークを有線LAN中心で運用していた。業務端末はノートPCやタブレットではなく、事務所に設置したデスクトップPCが中心だった。そのため館内で業務端末を使える場所や、できる作業の内容が限られていたという。

 有線LANは、運用や保守の負担を重くする原因にもなっていた。入場口にある観客用の認証機(2次元コードの映画チケット「モバイルチケット」を認証する機器)も有線LANで接続していたことから、来場者に踏まれたカーペット下のLANケーブルが断線し、そのたびに敷設し直す必要があった。

 映画館内のITシステム全般を担当する、TOHOシネマズ営業本部建設部のITインフラ室は、同社が全国に展開する映画館のITインフラを、限られた人数で運用している。従来は管理対象のネットワーク機器ごとにIPアドレスを入力して、管理画面を一つずつ開く必要があり、負担となっていた。

 TOHOシネマズが運営する映画館は70館以上に及ぶ。無線LANを導入するとしても、導入対象の拠点数が多くなることから、コストが膨らみやすいことが懸念だった。

70館以上のネットワークを限られた人数で管理 何をどう変えた?

 こうした状況を踏まえて、TOHOシネマズは映画館における業務用ネットワークを見直した。運用性やコストに配慮しつつ、現場の業務効率化につなげたという。どのようにして実現したのか。

 TOHOシネマズは、Ubiquitiのネットワーク製品/サービス群「UniFi」シリーズを採用して、全国72館の業務用ネットワークを刷新した。同シリーズは、専用の管理ツールでネットワーク機器を一元管理できるのが特徴だ。各館には、UniFiシリーズのルーター「Dream Machine Special Edition」とスイッチ「Pro MAX 24 PoE」、無線LANアクセスポイント「U6 Pro」を導入した。

 UniFiシリーズを選定する際に、TOHOシネマズが特に重視したのは管理性だ。UniFiシリーズは、管理ツールに障害が起きても、各拠点の無線LANアクセスポイントは稼働を続けられる。用途別のネットワーク分離の設定も、管理ツールで各拠点にまとめて反映できる。他ベンダーと比べて比較的導入しやすい価格帯だったこと、映画館内に設置する上でデザインが洗練されていたことも、選定を後押しした。

端末活用が広がり、各館の機器を単一の管理画面で確認可能に

 TOHOシネマズはUniFiシリーズを導入したことで、全国72館のルーターやスイッチ、無線LANアクセスポイントについて、稼働状況や接続端末、通信ログまで管理ツールで一元的に把握できるようになった。映画館から接続状況や電波について問い合わせがあった際も、迅速に原因を切り分けられるようになったという。

 無線LANの整備により、映画館スタッフは、これまで事務所のデスクトップPCで進めていた業務について、ノートPCやタブレットを使って映画館内のさまざまな場所で進められるようになった。入場口のモバイルチケット認証機を有線LAN接続から無線LAN接続に変更することで、LANケーブルの断線や敷き直しの負担を軽減した。

 アルバイトスタッフは、タブレットで場所を選ばず研修動画を視聴できるようになった。座席の清掃では、観客が使用した座席をタブレットで確認し、その周辺を重点的に清掃するといったことも可能になった。活用の幅は当初の想定以上に広がり、導入待ちの映画館スタッフから導入時期を尋ねる問い合わせが来るほどの反響があったという。

 TOHOシネマズは今後、映画館内のサイネージや、冷蔵庫の温度管理などに使うIoT(モノのインターネット)機器の接続にも無線LANを活用する考えだ。Ubiquitiのネットワークカメラや入退室管理製品の導入も視野に入れる。Ubiquitiの日本正規代理店である、セキュリティサービス事業者の網屋が2026年9月10日、本事例を公開した。

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