“すぐに買えない最新GPU”なんて実は要らない――現実解は「再利用」か?:GPUの調達難を乗り越えるための判断基準とは(1/2 ページ)
調達が難しくなる最新GPU。それはユーザー企業が本当に必要としているものなのか。用途によっては、最新GPU以外でもニーズを満たせる可能性がある。その具体的な選択肢と、採用時に検討すべき点とは。
AIの普及を背景に、AI向けITインフラ(以下、AIインフラ)への投資が世界的に進む。大規模な計算資源を必要とするハイパースケーラー(大規模クラウドベンダー)を中心に、AIの学習や推論に使うGPU(グラフィック処理プロセッサ)の需要が広がり、GPUの調達難や価格上昇が課題となっている。
「GPUサーバを調達する際、サーバベンダーから従来の倍程度の金額を提示されることもある」と、AIインフラサービスを手掛けるエクストリームーDは明かす。納期も長期化しており、製品によっては8〜9カ月待ちとなることもあるという。自社でAIインフラを確保したいユーザー企業にとっても、こうした状況は無視できない。
本当に必要としているのは「最新GPU」じゃない
旺盛な需要を背景に、GPUベンダー各社は新製品の開発や投入に余念がない。GPUは一般的に、新世代になると計算性能や電力効率が向上し、新しい技術が活用できるようになる。一方でユーザー企業がAIインフラに求めるのは、必ずしも最新かつハイスペックのGPUとは限らないという。
「ユーザー企業の中には、最新GPUを導入しても、その性能を十分に使い切れない場合がある」。エクストリームーDの代表取締役CEOであり、最高技術責任者を兼務する柴田直樹氏は、こう指摘する。特にAIインフラを先行して活用するユーザー企業を中心に、コストや時間をかけて新世代のGPUを調達するよりも、旧世代でも自社の用途に合ったGPUを確保したいという需要があるという。
ユーザー企業が旧世代GPUを求める背景には、既存のAIインフラを拡張したいという事情もある。エクストリームーDには、利用中の旧世代GPUと同じように動作するGPUを、長い納期を待たずに追加調達したいという要望が寄せられているという。柴田氏によると、GPUは世代が変わるとアーキテクチャが変わり、計算特性にも違いが生じる。そのため旧世代GPUを継続して調達できることが、ユーザー企業にとって魅力になっている。
そこでエクストリームーDは、企業やデータセンターなどで利用され、更新に伴って役目を終えた旧世代GPUを搭載するGPUサーバに着目した。こうした機器を回収・検査し、再利用可能な状態に整えれば、調達が難しくなっている新品GPUサーバの購入以外の選択肢を提供できると考えた。
こうした考えを基に、エクストリームーDは2026年10月20日、再利用したGPUサーバをAIインフラとして供給するサービス「Raplase RCA」の提供を始めた。ITライフサイクル管理を手掛けるTES-AMM JAPAN、HPC(高性能計算)向けネットワーク製品を手掛けるCornelis Networksと連携して提供する。
再利用したGPUサーバを実用的なAIインフラとして提供するために、3社はそれぞれの技術や資産を持ち寄った。GPUサーバの調達・再生を担うのがTES-AMM JAPANだ。データセンター内のサーバ間通信には、Cornelis Networksのネットワーク製品群「Cornelis CN5000」を採用する。エクストリームーDは、自社のソフトウェアとスーパーコンピュータの構築・運用で培った技術を組み合わせて、AIインフラの設計や運用を自動化する。
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