Database Watch 8月版 Page 2

ハチの一撃、ビッグ3に地殻変動を起こせるか?


加山恵美
2004/08/14

純国産XMLデータベース、着々と地歩を固める

 オブジェクト指向データベースやXMLデータベース関連製品はバージョンアップが派手に話題になることはあまりないようです。比較的最近新しいバージョンを出したのがメディアフュージョンのネイティブXMLデータベースEsTerraです。2004年5月6日から「EsTerra XML Storage Server 2004」をリリースしました。

 新バージョンでは国産の強みを生かし日本語検索がより柔軟になりました。また、高速化を実現する機能も追加されています。特に注目されるのがプログラミングなしでWebアプリケーションを自動生成する「Web Application Generator(WAG)」機能が実装されたことです。正確にいうと、このWAGはもともとはEsTerraのオプションでしたが、バージョン2004ではWAGのライト版がバンドルされることになりました。

 そのWAGは7月30日にフルバージョンが単体で正式リリースされました。ライト版の制限を取り払い、入力するデータ数や作成するフォーム数が無制限になり、画面レイアウトの修正が可能になるなど利用範囲が拡張されています。

元祖「おら!オラ!Oracle」はココ

 データベース関連ツールでは、Oracle運用管理ツールのオールインパッケージであるインサイトテクノロジー社のPerformance Insight(PI)を見てみます。現行のバージョンは5.2.3で2004年4月にリリースされ、Oracle Database 10gにも対応しています。7月12日には5.2.3.4がリリースされています。

 PIの次のバージョンは5.3で、8月16日にリリース予定です。5.3ではOracle Database 10g対応で動的SGA、セグメント統計値監視、RAC競合など監視機能が強化されています。警告コンソールでは警告レベルの状態変化や警告回数が表示されるようになり、またSQL Minderでもアプリケーション分析機能が強化されるなど、使いやすさも向上することが期待されています。

 さらに次のバージョンも徐々に姿を現しつつあります。PI 5.3の次には6が登場する予定です。現時点では年内に出荷される予定で開発が進められています。コンセプトには「ユーザーに考えさせない」「密度の高い情報」「目指せ! 設定“ゼロ”」を掲げ、プロアクティブであり、リアクティブな製品として生まれ変わることを目標としています。

 ところでPIのインサイトテクノロジー社といえば、「おら!オラ!Oracle」というメールマガジンを発行しています。実はOracle運用者に人気の高い書籍『おら!オラ!オラクル』(木脇高太郎著、翔泳社発行)はこのメールマガジンから題名を取ったものです。このメールマガジンでは楽しいノリで深いOracle秘話が展開されています。メールマガジンの申し込みや過去ログは同社のWebサイトからどうぞ。

SQL Serverユーザーの聖地巡礼

 ユーザーのコミュニティでは今回はPASSJをのぞいてみましょう。PASSJはSQL Serverの日本ユーザーグループです。ユーザーコミュニティというとメーリングリストや掲示板などが一般的ですが、このユーザーグループはかなり本格的です。

 ビギナーからビジネスインテリジェンスまで6つの分科会があり、それぞれにボードリーダーがいて、メーリングリストで情報交換をしたり、セミナーを開催したり、連載が掲載されていたりします。ほかにも掲示板からブログまで多様な情報交換ができるようになっています。Microsoft資格のトライアルで成績優秀者はトップページで紹介されるというのも面白いです。

 また「DBバイリンガル」という特集では、Oracle技術者のためのSQL Server解説を目的としたコラムが掲載されています。「Oracleキーワードから学ぶ、逆引き!SQL Server入門」など、Oracleを習得したエンジニア向けのSQL Serverの技術解説があります。日々の鍛錬が欠かせないエンジニアには頼もしいサイトですね。

またしても資格体系が変更となったORACLE MASTER

 資格試験では今回はORACLE MASTERを見てみましょう。ご存じの方も多いと思いますが、Oracle Database 10gのリリースに伴い、新しい資格体系も発表になりました。Oracle Database 10gに対応したORACLE MASTERでは旧来の「Platinum」「Gold」「Silver」の3段階に加えて「Bronze」というグレードが追加されました。Bronzeは中小規模でデータベースを運用する管理者に最低限必要なスキルを問う内容となっています。

 Oracle Database 10gの資格体系が発表になり、対応試験や講習も徐々に開始されてきました。現時点で受験できるのは6月から開始になった「Bronze 10g DBA試験」です。今後は8月にGold向け移行試験となる「DBA 10g新機能試験」、10月に「Bronze SQL基礎 I 試験」、11月に「Silver DBA 10g試験」と「Gold DBA 10g試験」がそれぞれ解禁となります。

 夏休みにまとめて勉強するもよし、思いっきり仕事を忘れてリフレッシュするもよし。よい夏休みを過ごしてください。ではまた来月、お会いしましょう。

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 Index
連載 Database Watch 8月版
ハチの一撃、ビッグ3に地殻変動を起こせるか?
  Page 1
・Stingerの投入でRDBMSシェアトップを取れるか、IBM
・快進撃を続けるMySQL
Page 2
・純国産XMLデータベース、着々と地歩を固める
・元祖「おら!オラ!Oracle」はココ
・SQL Serverユーザーの聖地巡礼
・またしても資格体系が変更となったORACLE MASTER


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