Database Watch 11月版 Page 1
PostgreSQL認定資格の取得第1号は誰?
加山恵美
2004/11/13
10月下旬に湯沢に出掛け、帰路に就こうとしたそのとき、新潟県中越地震に遭遇してしまいました。停電で信号機は消え、関越トンネルは閉鎖されたので、緊張しながら一般道で山を越えました。私は何事もなく無事でしたが、早く余震が収まり復旧が進むことを願っています。
■DB2の低価格戦略に、Oracleは無期限サポート・サービスで対抗
10月の「イチキュッパでDB2」は私には衝撃的でしたが、まだまだ甘かったようです。先日ふと近所の家電量販店でウイルス対策ソフトを眺めていたら、DB2のすぐそばにOracleもあることに気付きました。それは同じくソースネクストから提供されている「Oracle JDeveloper 10g 1Year Limited」でした。こちらは1年限定のJ2EEの開発環境で、ダウンロード版も提供されています。実はこちらの方が先にリリースされており、気付くのが遅く反省しきりです(プレスリリース)。
ではあらためて、イチキュッパのデータベース開発環境はこれらの2製品です。そのうち休日には年賀状ソフトとインクジェットプリンタの替えインク、ついでにイチキュッパの開発ツールも自転車のかごに入れて年末の準備(正月テレビ特番に飽きたときのために)、なんて光景も見られるのでしょうか。
次にIBMのイベント情報です。秋からIBMではイベントが続きますが、今度はインフォミックスです。東京では11月19日、大阪では11月25日に「インフォミックス・ユーザー・コンファレンス 2004」が開催されます。インフォミックスといえば、10月版の当連載でオープンソースRDBMSの歴史の中で一部触れたように、PostgreSQLの親せきに当たるものです。
さらにオラクルからニュースを2つ。まずメインフレーム版LinuxのOracle 10gです。オラクルは11月9日からメインフレーム上で稼働するLinuxに対応したオラクルデータベース製品の最新版「Oracle Database 10g for IBM zSeries Based Linux」を出荷することになりました。これにより64ビットのメインフレーム版LinuxでOracle 10gが稼働することになります。なお、出荷時の対応LinuxディストリビューションはNovell SUSE Linux Enterprise Server 8、追ってNovell SUSE Linux Enterprise Server 9とRed Hat Enterprise Linux AS v3に対応していくことになります(プレスリリース)。
次にサポートの新方針、無期限サポートです。オラクルは11月9日にOracle9i Database Release 2以降の出荷製品を対象に、無期限のサポートを提供と発表しました。オラクル製品では出荷開始後のフル・サポート期間が終了すると、延長メンテナンス・サポート(EMS)またはアシスタンス・サポートを利用できるようになっていますが、これまでEMSは最長2年間までしか利用できませんでした。これからは、フル・サポート期間終了後の2年以内にEMSを契約すれば無期限となるそうです。なおEMSは前年度のサポート料金に30%上乗せした料金となります(サポートプログラムの仕組み、プレスリリース)。
■MySQL 4.1が正式リリース
MySQL 4.1が遂に正式版としてリリースされました。MySQL ABは10月27日、MySQL 4.1を大規模企業で導入する安定版として認定したと発表しました(プレスリリース)。このMySQL 4.1系列の最新版はMySQL 4.1.7です。それまで付いていたベータやガンマの表記が外れ、晴れて正式版となりました。なお、前のメジャーバージョンとなるMySQL 4.0系列は10月30日にMySQL 4.0.22がリリースされました。また同時並行でMySQL 5.0系列の開発も進んでいますが、こちらはまだアルファです。
それから日本MySQLユーザ会にて、プログラマ向けに無料のMySQL勉強会を11月20日(土)に開催するそうです。先着順だそうなので興味があればお早めに。
一方、PostgreSQLも10月27日に新バージョンを発表しました。同じ日付というのは偶然でしょうか。今回はPostgreSQL 8.0.0のベータ4です。ふと気付きましたが、PostgreSQLはMySQLと違い、ベータの段階ではバージョン番号はインクリメントせず、ベータの番号がインクリメントするのですね。なおPostgreSQL 8.0ではWin32ネイティブサポートや障害発生時に役立つPITR(Point in Time Recovery)など、企業向けの新機能が期待されています。(次ページへ続く)
1/2 |
Index | |
連載 Database Watch 11月版 PostgreSQL認定資格の取得第1号は誰? |
|
Page 1 ・DB2の低価格戦略に、Oracleは無期限サポート・サービスで対抗 ・MySQL 4.1が正式リリース |
|
Page 2 ・PostgreSQL技術者認定試験が始まる ・コミュニティでは「熱海」vs「トロント」 |
Database Watch |
- Oracleライセンス「SE2」検証 CPUスレッド数制限はどんな仕組みで制御されるのか (2017/7/26)
データベース管理システムの運用でトラブルが発生したらどうするか。DBサポートスペシャリストが現場目線の解決Tipsをお届けします。今回は、Oracle SE2の「CPUスレッド数制限」がどんな仕組みで行われるのかを検証します - ドメイン参加後、SQL Serverが起動しなくなった (2017/7/24)
本連載では、「SQL Server」で発生するトラブルを「どんな方法で」「どのように」解決していくか、正しい対処のためのノウハウを紹介します。今回は、「ドメイン参加後にSQL Serverが起動しなくなった場合の対処方法」を解説します - さらに高度なSQL実行計画の取得」のために理解しておくべきこと (2017/7/21)
日本オラクルのデータベーススペシャリストが「DBAがすぐ実践できる即効テクニック」を紹介する本連載。今回は「より高度なSQL実行計画を取得するために、理解しておいてほしいこと」を解説します - データベースセキュリティが「各種ガイドライン」に記載され始めている事実 (2017/7/20)
本連載では、「データベースセキュリティに必要な対策」を学び、DBMSでの「具体的な実装方法」や「Tips」などを紹介していきます。今回は、「各種ガイドラインが示すコンプライアンス要件に、データベースのセキュリティはどのように記載されているのか」を解説します
|
|