Database Watch 8月版 Page 2/2
Web 2.0を支えるデータベースはどれ?
加山恵美
2006/8/17
■仕事帰りにDB2勉強会
業務に支障なくエンジニアが技術を取得できるように配慮したセミナーはここ数年よく見掛けます。IBM DB2を学びたいなら「Club DB2ナイト・サークル」はいかがでしょうか。6月からこれまで3回開催されています。どれも会社帰りに立ち寄ることができるように開始時間を夜7時にしています。今後の予定はまだ発表されていませんが、毎回満員御礼のようなので定期的に開催されるといいですね。参加者同士の交流も深まることでしょう。
■Microsoft TECH・ED 2006は8月29日から
年に一度、マイクロソフトのテクノロジを学ぶチャンスがいよいよ迫ってきました。今年の「Microsoft TECH・ED 2006 Yokohama」は8月29日から4日間、横浜で開催されます。
- Microsoft TECH・ED 2006 Yokohama
8月29日〜9月1日(パシフィコ横浜)
基調講演にはマイクロソフト株式会社 代表執行役 社長 兼 マイクロソフト コーポレーション コーポレートバイスプレジデントのダレン・ヒューストン氏も登場するようです。昨年はSQL Server 2005リリース前でしたので「こうなる」という話が主でしたが、今年はSQL Server 2005については「こう使う」という実践的なノウハウが中心となることでしょう。参加するならイベントにどっぷりとひたってマイクロソフトのテクノロジを思い切り吸収してしまいましょう。
■PostgreSQLは10周年
2006年はPostgreSQLが登場して10年目となります。7月8〜9日にはカナダのトロントにて「PostgreSQL Anniversary Summit」が開催されたそうです。世界中のPostgreSQL開発者が一堂に会したというのですから、さぞかし圧巻だったでしょうね。
10周年とはいっても、PostgreSQLは元をたどれば長い歴史があります。詳しくは本連載2004年10月版で述べましたが、源流は1970年代にアメリカのカリフォルニア大学バークレー校で生まれたINGRESにあります。その後にいろいろな経緯があり、PostgreSQLという名前で再出発を切ったのが1996年です。あらためてPostgreSQLの歴史を考えるとPostgreSQLになる前も、なった後も着実に進化を遂げてきました。コミュニティがある限り、きっと今後も進化を続けることでしょう。
ところでPostgreSQLといえば日本のコミュニティ、NPO法人 日本PostgreSQLユーザ会はつい7月にサイトをリニューアルしました。すっきりおしゃれに変身してびっくりです。ただ少しさびしいのはトレードマークのカメさんがいないことです。カメさんはPostgreSQL 8.1の魔法でトップページの美女に変身したのでしょうか。謎です。
■Web 2.0を支えるデータベースはMySQL
MySQLの本家サイトでは少し前まで、トップページに「The Most Demanding Web 2.0 Sites in the World Run MySQL」とありました。Web 2.0を象徴するサイトの多くがMySQLを使っていますよとアピールしています。確かに、Yahoo!、Technorati、Wikipedia、del.icio.us、flickrなど、著名なサイトはMySQLに支えられていますね。
さてMySQLの最新版は5.0ですが、5.0がリリースされた直後から5.1の開発がスタートしています。本家サイトには5.1の新機能となる、日付でパーティショニングを行う機能が紹介されています(英語)。なお5.1は執筆時点で6月にリリースされた5.1.11-betaが最新版です。正式版のアップデートとしては、7月29日に4.1.21、8月6日に5.0.24がリリースされました。
■Firebirdの定期セミナーはユーティリティ
今年になってから月例のセミナーが定着したFirebirdですが、8月はツール・ユーティリティ特集だそうです。今回は初級から中級を対象としています。
もしかしたらもう少しでリリースされるのではないかと期待されているFirebird 2.0の話も聞けるかもしれませんね。Firebird 2.0はいま8月13日にリリースしたRC4を検証している段階です。
■セキュリティ向けツールも次々登場
ユーティリティといえば、最近ではセキュリティ関連のものが多くリリースされる傾向にあります。それだけセキュリティに対する関心が高いからでしょう。最近リリースされたものを挙げます。
インサイトテクノロジーは8月1日にOracleの情報漏えい監視システム「PISO脆弱性モニター」の出荷を開始しました。今回の脆弱性モニターは、情報資産の安全性を確保するための情報漏えい監視システム「PISO」のオプションです。デフォルトのパスワードをそのまま使用しているなど、システムに影響を及ぼしそうな脆弱性を自動的に評価し、改善することができるようにしたものです。
またエアーは8月3日にデータベースセキュリティ製品「SQL Guard V5」をリリースしました。こちらはデータベースへのアクセスを監視・記録する製品です。不正なアクセスやアクティビティを検出して管理者にすぐアラートを伝達するようになっています。
ではまた来月、お会いしましょう。
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連載 Database Watch 8月版 Web 2.0を支えるデータベースはどれ? |
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Page 1 ・ORACLE MASTER Platinum試験がOracle 10g対応 ・春期情報処理技術者試験の珍現象 |
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Page 2 ・仕事帰りにDB2勉強会 ・Microsoft TECH・ED 2006は8月29日から ・PostgreSQLは10周年 ・Web 2.0を支えるデータベースはMySQL ・Firebirdの定期セミナーはユーティリティ ・セキュリティ向けツールも次々登場 |
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