Database Watch 9月版 Page 2/2
Oracleを買うと税金が戻ってくるってホント?
加山恵美
2006/9/15
ところで最近オラクルの面白いシールが出回っているのですが、見たことはありますか。自動車グリーン税制の軽減対象自動車に貼られる「低排出ガス車」シールにどことなく似ているロゴに「☆☆☆☆ 減税 オラクル」と書いてあるものです。これはオラクルが力を入れている情報基盤強化税政のマークです。情報基盤強化税政とは国の情報政策の一環で、情報セキュリティ強化と国際競争力強化の観点から、高度な情報セキュリティが確保された情報システム投資には税金が返ってくるという仕組みです。
その条件となるのがISO/IEC15408に基づいて評価・認証されたもので、対象となる投資期間は2006年4月1日から2008年3月31日です。Oracle Database Enterprise EditionはISO/IEC 15408を取得しているので、この減税対象になるというのです。端的にいえば「Oracleを買えば税金が戻りますよ」とアピールしているのです。節約するなら出て行くものを抑えるだけではなく、戻せるものは戻すようにするのも大事なことですね。
話は飛びますが、前回オラクルに関しては「ORACLE MASTER Platinum試験がOracle 10g対応」と伝えたところですが、なんと早々に合格者が発表になりました。この6人の方々はまさに全世界のオラクル技術者の最先端かつ最高峰の栄冠を手に入れたことになります。最難関といわれるPlatinum試験の10g版はどれほど難しかったのか、機会があれば聞いてみたいです。
■IBMは資格取得支援キャンペーン
Microsoft Community RingにオラクルのReady to Grid キャンペーン、まだまだ技術者向けの話は続きます。IBMの技術者支援は「目指せDB2認定資格者」です。IBM認定資格となるDB2エンジニアとDB2エキスパートを対象とした試験対策セミナーと試験がセットになっています。うまくいけばセミナー受講の当日に合格となることもできそうですね。超早業です。今年年末までのキャンペーンで人数に限りがあるようなので、興味があれば早めに登録しておいた方がよさそうです。
■性能とセキュリティを強化したSybase最新版登場
8月30日、サイベースはエンタープライズ級のリレーショナル・データベース管理システムの最新版となる「Sybase Adaptive Server Enterprise(ASE)15」を発表しました。出荷開始となるのは2006年9月15日です。
Sybaseはビジネスクリティカルなシステム向けのデータベース管理プラットフォームです。インターネットの視聴率などを発表するニールセンメディアリサーチ社など、大規模な環境での事例が多くあります。Sybase ASE 15の特徴は新しいクエリ技術によりパフォーマンスの大幅な向上、スマート・パーティションによるクエリパフォーマンスの強化、オン・ディスクでの暗号化による運用リスクの低減があります。さらなる性能向上とセキュリティ強化が図られています。
またさらにXML機能の強化が行われています。非構造化データと半構造化データを管理する機能を強化することで、XML文書の生成やスキーマ検証を容易に行えるようにしています。XML文書をネイティブで保存、処理することが可能だとうたっていますので、SybaseもハイブリッドなXMLデータベースの仲間と考えてよさそうですね。ハイブリッドなXMLデータベースであることは最近のRDBMSでは「当たり前」なのでしょうか。
■Firebirdとビジネスの相性
Firebirdの次期版Firebird 2.0はただいまRC4で評価中です。本家サイトのトップページを見るともしかしたらRC5が登場するのかもしれません。
それはそうと、10月に開催されるFirebird日本ユーザー会の定例セミナーは「ビジネスにFirebirdを選ぶ理由」がテーマです。Firebirdの知識は問わずビジネスに活用できるかどうかに興味のある方が対象となっています。
- 10月定例セミナー「ビジネスに Firebird を選ぶ理由」
2006年10月20日(金)
サン・マイクロシステムズ 27F セミナールーム(東京・用賀)
■SQL文不要のExcel連携ツールKeySQL 2006発売
もう1つ、最新版のニュースです。ネットワールドは9月4日、RDBMSのデータをODBC経由でMicrosoft Excelに取り込めるツールの最新版「KeySQL 2006」を発表し、同日から販売を開始しました。このKeySQLはSQL文を意識せずにGUI操作で検索・加工・更新ができる手軽さがウリです。
最新版ではユーザインターフェイスの改良によるユーザビリティ向上のほか、データベースへの接続やクロス集計機能の強化が特徴となっています。2006年9月から同年末まで旧バージョンからのアップグレードには優待キャンペーン価格が適用されるそうです。
ではまた来月、お会いしましょう。
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連載 Database Watch 9月版 Oracleを買うと税金が戻ってくるってホント? |
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Page 1 ・同じ日にイベント、同じエコバッグ ・マイクロソフトは「24」風に4つの約束 ・オラクルはグリットで節税 |
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Page 2 ・IBMは資格取得支援キャンペーン ・性能とセキュリティを強化したSybase最新版登場 ・Firebirdとビジネスの相性 ・SQL文不要のExcel連携ツールKeySQL 2006発売 |
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