Database Watch 9月版 Page 1/2

Oracleを買うと税金が戻ってくるってホント?


加山恵美
2006/9/15

 お買い物にはマイバッグ持参派です。最近では布製エコバッグを2つももらってしまいました。マイクロソフト印とオラクル印のを、同じ日に。ともに「地球にやさしい」エコマークが付いていました。

同じ日にイベント、同じエコバッグ

 8月29日は悩ましい日でした。なにせ、マイクロソフトの「Tech・Ed 2006 YOKOHAMA 」とオラクルの「Oracle Grid Week」というイベントが同時に開催されたのです。期間も同じ4日間です。なんという偶然か。いや、違いますね。ガチンとぶつけたのでしょう。この日程に両者の間で飛び散る火花を見る思いです。

 もう1つ偶然がありました。受付で資料が渡されたのですが、どちらもともに布製エコバッグに入っていました。素材もかなり似ています。ここまでくると示し合わせたのかと思えてきました。実は似た者同士で意外と仲がいいのかもしれません。なお、Tech・Edでは参加費を払った人には本格的なバックに入った資料が渡されていました。エコバッグはプレス向けです。

Tech・Ed 2006 YOKOHAMAとOracle Grid Weekでプレス向けに配られたエコバッグ

マイクロソフトは「24」風に4つの約束

 近年すっかり恒例となったマイクロソフトの技術者向けカンファレンスのTech・Edですが、今年の基調講演の演出は海外テレビドラマ「24」風の演出でした。会場で流れる映像には、よく見るとキーファー・サザーランドには微妙に似ていない外国人がジャック・バウアー役となり「24」の雰囲気を醸し出していました。日本に先だって6月にボストンで開催されたTech・Edでも同様に「24」がテーマだったようです。

 基調講演ではマイクロソフト代表執行役社長 兼 米マイクロソフト・コーポレートバイスプレジデントのダレン・ヒューストン氏がITの新時代到来を告げるとともにIT技術者を絶賛し、続けて同社サーバープラットフォームビジネス本部 プロダクトグループ ディレクターの五十嵐光喜氏が、今後必要となるITのブレイクスルーについて語りました。

 そのブレイクスルーを実現するためとして、マイクロソフトからの「4つの約束」が提示されました。

  • 機敏なITインフラ
  • ビジネス拡大をもたらすソリューション基盤
  • ワークスタイルの進化
  • 包括的なセキュリティ

 特にデータベースに関連する今後の製品に絞って見てみると、まず管理ツールとなる「System Center」があります。今後System Centerのブランドで一連の管理者向け製品が登場し、日本製も含めて各社の多様なツールとマイクロソフト製品が連携できるようになります。またデータベースの開発環境を効率化するものとして「Microsoft Visual Studio 2005 Team Edition for Database Professionals」(英語サイト)が取り上げられていました。本格的に姿を現すのは来年以降になりそうですが、いまから楽しみです。

 また技術者向けカンファレンスにふさわしいニュースが発表になりました。マイクロソフトはWindowsプラットフォームの技術者コミュニティの支援を行う施策として「Microsoft Community Ring」を発表しました。これはMicrosoft .NETを中心とした開発者コミュニティ支援団体となる「INETA Japan」や、ITプロフェッショナルコミュニティの支援団体「Culminis Inc.」との協業を中心にIT技術者のコミュニティの活性化を図ろうとするものです。

 これまでもマイクロソフトはINETA Japanなどとの協業は行っていましたが、今後はさらに密に有機的に行っていくということのようです。技術者には頼もしいことではないでしょうか。

オラクルはグリッドで節税

 ところでオラクルがマイクロソフトのTech・Edにゴールドスポンサーとして協賛し、会場内に展示ブースを設けていたのを知っていますか。オラクルはTech・Edに先立ち8月22日に.NETアプリケーション開発者向けツールの最新版を無償で提供すると発表していました。

 対象となるのはMicrosoft Visual Studio 2005およびMicrosoft Visual Studio .NET 2003に対応したプラグイン「Oracle Developer Tools for Visual Studio .NET」と、ADO.NET 2.0(ActiveX Data Objects .NET 2.0)およびADO.NET 1.1(ActiveX Data Objects .NET 1.1)に対応したミドルウェア「ODP.NET(Oracle Data Provider for .NET)」です。加えてMicrosoft Office ExcelのデータをWebアプリケーションへ簡単に移行できる「Oracle Application Express」もです。これはかつて「Oracle HTML DB」と呼ばれていたツールを名称変更したものです。

 さて次はオラクルのグリッドに話を移しましょう。オラクルはおよそ3年前からOracle 10gの発表とともにグリッドをキーワードにしています。Oracle Grid Weekで先陣を切ったのはシステム製品統括本部 営業推進部 Grid Computingグループの北嶋伸安氏で「Gridとは発表当初はコンセプトだったが、いまではリアリティを持った技術になっています」と話していました。

 このイベントとも関連して、いまオラクルではReady to Gridキャンペーンを展開しています。ここではグリッドのコンセプトやスキルを身に付けるための資料が配布されており、グリッド技術の認知拡大を狙っているようです。さらにオラクルユニバーシティのOracle RAC 10gのコースが半額になるなどの特別割引を提供しています。

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 Index
連載 Database Watch 9月版
Oracleを買うと税金が戻ってくるってホント?
Page 1
・同じ日にイベント、同じエコバッグ
・マイクロソフトは「24」風に4つの約束
・オラクルはグリットで節税
  Page 2
・IBMは資格取得支援キャンペーン
・性能とセキュリティを強化したSybase最新版登場
・Firebirdとビジネスの相性
・SQL文不要のExcel連携ツールKeySQL 2006発売


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