Database Watch 2008年1月版
問題解決力を売る11g、Viper 2はXML力で勝負
加山恵美
2008/1/11
■DB2はTransactional pureXMLへ
オラクルだけではありません。IBMのDB2もオラクルとほぼ時を同じくして新バージョンを発表しました。IBMは2007年10月18日にDB2 9.5 “Viper 2”を発表し、10月30日から全世界で提供を開始しました。ちなみにバージョン番号に相当するのは「9.5」です。前のDB2 9の開発コード名が「Viper」であり、広く知れ渡っていたため9.5は“Viper 2”とも呼ばれています。本連載では「DB2 9.5 “Viper 2”」と併記しています。
新バージョンでは管理/TCO削減、パフォーマンス拡張、System pとの連携、コンプライアンス(法令順守)対応、アプリケーション開発フレームワークなどの分野で機能が強化されています。加えてXML機能が強化されています。IBMはDB2 9を「pureXML」と呼びネイティブXML機能を強調していましたが、DB2 9.5では「Transactional pureXML」という呼称に変えています。ここに凝縮されているように更新系の機能を強化したネイティブXMLデータベースといえます(詳しくは2007年11月版参照)。
■NeoCoreがサイバーテック社に事業譲渡
IBM DB2 9.5 “Viper 2”が全世界で提供開始となった日、XMLデータベース業界では仰天のニュースが発表になりました。三井物産セキュアディレクションは専用XMLデータベース製品であるNeoCoreXMSの日本国内総販売店事業をサイバーテック社に一括譲渡することで合意したと発表しました。NeoCoreXMSは専用XMLデータベースの国内シェアで、近年トップシェアを持つといわれている製品です。
譲渡先となるサイバーテック社は専用XMLデータベースの中で最も長い歴史があり、国内シェア2位といわれているCyber Luxeonの研究開発と販売を行っています。この事業譲渡により専用XMLデータベースで国内シェアの上位を占める製品が同じ会社から販売されることになります。両製品の国内シェアを合わせると専用XMLデータベースのほぼ半数となるという調査結果(ミック経済研究所)もあるそうです。専用XMLデータベースの国内市場はサイバーテック社の独壇場となりそうです。
■2008年はどんな年に?
さて今年はどうなるのでしょうか。年明け早々で可能性が高いのはPostgreSQL 8.3のリリースです。2007年中に出るのではと期待を寄せていましたが、見事に外れてしまいました。まだもう少し時間がかかるかもしれませんが、そう遠くはないと思います。PostgreSQLといえば2008年1月7日にセキュリティアップデートを公開しています
前々から予告されているのは、Microsoft SQL Server 2008です。2008年4月15日開催の「the Microsoft Conference 2008」にて発表になる予定で、ここでSQL Server 2008の全容が明らかになることでしょう。
ではまた来月、お会いしましょう。
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Index | |
連載 Database Watch 2008年1月版 問題解決力を売る11g、Viper 2はXML力で勝負 |
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Page 1 ・XQuery、W3C勧告へ ・国産RDBMSのSymfoware、HiRDBが新バージョン ・ついにOracle Database 11gがリリース |
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Page 2 ・DB2はTransactional pureXMLへ ・NeoCoreがサイバーテック社に事業譲渡 ・2008年はどんな年に? |
Database Watch |
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