Database Watch
Database Watch 2008年2月版

とうとう買収されちゃったMySQLの運命やいかに


加山恵美
2008/2/19


オラクル、統合管理の新版を提供開始

 PostgreSQLが8.3をリリースした翌日にはまた新しいニュースです。オラクルは2月5日、エンタープライズ統合管理ソリューションの最新版「Oracle Enterprise Manager(OEM) Release 4」を提供開始すると発表しました。

 OEMは当初、Oracle Databaseの運用管理ソフトウェアでしたが、現在はそれだけにとどまりません。Oracle Database 10gとほぼ同時にリリースされたOEM 10gからは、データベースも含めた広範な領域を管理できる製品へと変わりました。今回はそのOEM 10gをベースにした機能拡張版なので“10g Release 4”となっているようです(今後大々的にバージョンアップをすれば“11g”の冠がつくかもしれませんが)。

 OEMの特徴といえば「トップダウン」です。一般的に「統合管理ツール」と呼ばれる製品の多くは、ハードウェアからソフトウェアへというように、ボトムアップ型の管理アプローチをしています。OEMは逆にトップダウン型のアプローチで運用監視を行います。つまり、アプリケーションからミドルウェア、データベース、ストレージという方向でたどり、トラブルの原因究明を行います。従ってボトムアップ型の管理ツールと併用すれば、上下両方からがっちり運用監視を固めることができて堅実かもしれませんね。

 OEM 10g Release 4の新機能には管理対象にOracle Business Intelligence Enterprise Editionも加えたことや、Oracle Application Diagnostics for Javaを実装したことが挙げられます。後者は、これまでJavaベースのアプリケーションの分析や管理に役立ちます。これまでJavaベースのアプリケーションは定常監視が中心でしたが、OEM 10g Release 4ではその前段階のシステムテストやその後段階の障害診断が効率的にできるようになったということです。メモリ・リーク時の原因特定やデータベースとJavaにまたがるボトルネックを特定するのに役立ちそうです。

 さて出荷予定ですが、まずはLinuxとWindowsプラットフォームから提供を開始し、追って別のプラットフォームにも対応していく予定です。なおOTNでは無償のトライアル版を提供しています。

 ところで、2007年12月からXMLマスター:プロフェッショナル(データベース)試験が開始となりましたが、早速合格者が出たようです。XMLマスターのWebサイトでは合格体験談が掲載されており、1人目はなんと「Viper 2で学ぶXMLデータベース最新事情」の執筆者でもある中林 紀彦氏です。

 ではまた来月、お会いしましょう。

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 Index
連載 Database Watch 2008年2月版
とうとう買収されちゃったMySQLの運命やいかに
  Page 1
・サン・マイクロシステムズがMySQLを10億ドルで買収
・PostgreSQL 8.3リリース
Page 2
・オラクル、統合管理の新版を提供開始


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