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■データの活用と分析

　データベースを利用することで蓄積されるデータは、企業が顧客動向やビジネスの問題を探し出すための重要な分析データとして、さまざまな形で活用されています。しかしながら、これは同時に分析やレポートを出力するためのアプリケーションを構築しなければならないという問題を含んでいます。新たな分析方法やレポーティングなどを行おうとした場合、そのたびにシステムを構築・改修する必要があり、このコストは企業にとって大きな問題でした。

　SQL Server 2005では、データの変換や統合、分析やレポート作成といったBI（ビジネスインテリジェンス）に必要な機能を備えており、これらの機能を活用することにより、コストを抑えながらデータの活用や分析を行うことができます。

Integration Services（データの変換・統合）

　これまで、複数のデータベースにまたがるデータの統合や、日次／月次データの集計といったことを行うには、その都度バッチプログラムなどを作成する必要がありました。SQL Server 2005より提供されるIntegration Servicesでは、デザイナ機能を利用してデータのフローを作成するだけで簡単に処理を作成できます。

Analysis Services（データの分析）

　Analysis Servicesでは、データマイニングに必要となる、あらゆる角度からデータを分析できるキューブの作成や、複数の分析アルゴリズムを利用した意思決定支援のためのデータ生成などを行うことができます。SQL Server 2005では、リアルタイム分析の負荷の減少や処理時間の短縮に貢献するプロアクティブ・キャッシュがサポートされています。

Reporting Services（レポートの作成）

　帳票の出力というのは、開発者にとってもユーザーにとっても、重要な問題です。開発者にとっては、ユーザーの求める形式に合わせる労力が大きく、ユーザーにとっては、必要なときに必要なレポートを手に入れることのできる環境を求めています。Reporting Servicesを利用することにより、レポートの作成をドラッグ＆ドロップで簡単に行うことができます。また、ExcelやCSVで作成したレポートをスケジュールに沿って配信することも可能です。

図2　データ活用を行う各サービスの関係 エンドユーザーは、Reporting ServicesやAnalysis Servicesを利用してデータの分析やレポーティングを行うことができる。

■まとめ

　さて、CIO編ということで、SQL Server 2005のコストや拡張性、データ分析系などを取り上げました。中でもデータベースミラーリングは安価に可用性の高いシステムを作ることが可能であり、今後SQL Server 2005を導入する際には大きな選択肢となるのではないでしょうか。また、標準付属するBIツールの進化も、ユーザーにとって大きな魅力でしょう。

　逆にユーザーとしての大きな問題は、安定したSQL Server 2000を選ぶか、まだ未知数な部分もあるSQL Server 2005を選ぶか、という点です。導入事例も非常に多く、開発者／利用者ともに経験のあるSQL Server 2000は確かに魅力的ではありますが、SQL Server 2005はチャレンジに値する多くの新しい機能を実装しています。今後予想される負荷の増大や分析系のニーズ、セキュリティに対する懸念などを念頭に、SQL Server 2005の新たな機能群がビジネスに貢献できるか、この機会にぜひ検討を進めてください。

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　3回にわたり、SQL Server 2005のレビューを行ってきました。5年ぶりのバージョンアップだけに、非常に多くの機能が追加、改善されていることをつかめたかと思います。製品の正式リリースを受けて、SQL Server 2005は確実に市場にシェアを広げていくと思われます。開発者／利用者を問わずデータベースにかかわる方はこれを機会に、SQL Server 2005へキャッチアップしていってください。（連載完）

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Index
連載：SQL Server 2005 CTPレビュー（CIO編） HA、BI、64bitはSQL Server 2005の殺し文句
	Page 1 ・各エディションと価格
	Page 2 ・パフォーマンスとスケーラビリティ ・セキュリティ
	Page 3 ・データの活用と分析 ・まとめ

SQL Server 2005 CTPレビュー

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