データベーススペシャリスト試験攻略のツボ(1)
「データモデル」に関する問題
西沢直木
2008/4/16
本連載では、テクニカルエンジニア(データベース)試験に対応できる知識を確認していきます。多岐にわたる知識が問われる試験ですので、受験する方はもちろん、日常業務ではあまり使うことのない技術知識の確認にも役立ててください。
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問1-3 ANSI/SPARC 3層スキーマ
ANSI/SPARC 3層スキーマに関する記述として、適切でないものはどれか。
ア
ANSI/SPARC 3層スキーマの意義は、物理的データ独立性及び論理的データ独立性を確保することである。
イ
外部スキーマは、実世界が変化しても応用プログラムができるだけ影響を受けないようにするための考え方である。
ウ
関係データベースのビューやネットワークデータベースのサブスキーマは、概念スキーマに相当する。
エ
内部スキーマは、直接編成ファイルやVSAMファイルなどの物理ファイルを用いて、概念スキーマをコンピュータ上に実装するための記述である。
(19年-午前問題-問21)
解答
解説
「ウ」の関係データベースのビューやネットワークデータベースのサブスキーマは、外部スキーマに相当します。つまり、この選択肢の「概念スキーマ」は、正しくは「外部スキーマ」です。
従って、「ウ」の記述が間違っています。
これは過去に何度か出題されているパターンです。難しくはありませんが、問題文の「適切でないもの」という表現を見落とさないように注意しましょう。
この問題を含め、ANSI/SPARC 3層スキーマに関する問題はよく出題されています。概念スキーマ、外部スキーマ、内部スキーマの違いを押さえておきましょう。
まず、実社会の業務をデータで表現したものが概念スキーマです。
外部スキーマは、概念スキーマで定義したデータベースを利用するためのスキーマで、RDBMSではビューが該当します。外部スキーマを定義しておけば、業務内容が変わっても概念スキーマを変更する必要がありません。これを「論理的データ独立性」といいます。
内部スキーマは、どのようにデータベースを実装するかを物理的に示すスキーマです。定義しておけば、実装方法が変わっても概念データモデルを変更する必要はありません。これを「物理的データ独立性」といいます。
これらの違いについては、きちんと整理し、理解しておきましょう。
【関連リンク】 >>>ANSI/SPARC 3層スキーマ ANSI/SPARC - @IT総合検索 |
各試験問題は以下のサイトから引用しています。こちらのサイトでは過去の問題と解答例がPDFファイルで参照できます。 傾向を把握したい方は、一度ご覧ください。 |
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Index | |
データベーススペシャリスト試験攻略のツボ(1) 「データモデル」に関する問題 |
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Page 1 ・問1-1 概念データモデルとは何か |
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Page 2 ・問1-2 適切な多重度を見極める コラム:新試験制度のポイントガイダンス |
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Page 3 ・問1-3 ANSI/SPARC 3層スキーマ |
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