データベーススペシャリスト試験攻略のツボ(1)

「データモデル」に関する問題


西沢直木
2008/4/16

 本連載では、テクニカルエンジニア(データベース)試験に対応できる知識を確認していきます。多岐にわたる知識が問われる試験ですので、受験する方はもちろん、日常業務ではあまり使うことのない技術知識の確認にも役立ててください。
目次
今回の出題範囲
20年-午前問題-問21/ 20年-午前問題-問34/ 19年-午前問題-問21







問1-2 適切な多重度はどれか

 次の概念データモデルを関係データベース上に実装することとし、実装用のデータモデルを作成した。適切な多重度が指定されているものはどれか。ここで、データモデルの記法にUMLのクラス図を用いる。

q2
 


2
 
(20年-午前問題-問34)

解答




解説

 ここでは、会社と人と雇用の関係について問われていますので、問題の図に示された会社と人の雇用関係を解釈します。

 問題の概念データモデルでは、会社から見ると人の方に「0..*」という多重度が示されており、1つの会社は誰も雇用していないか、複数の人を雇用していることを示しています。

 この時点で、雇用に「0..*」という多重度が示された「エ」が正解だと分かります(図)。

 続いて、人から見ると会社の方が「0..5」という多重度になっており、1人の人はどの会社とも雇用関係にないか、5社までとの雇用関係がある(または、あった)ことが分かります。この点からも、雇用の方に「0..5」という多重度が示された「エ」が正解だと分かります。



【関連リンク】
>>>データモデリング、ER図
データベースエンジニアへの道(2)30分間データモデリング 〜ER図を描こう!
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UML/モデリング――キーワードINDEX - @IT


column::新試験制度のポイントガイダンス

 2009年度から情報処理技術者試験の制度が変更されます。2009年度受験予定の方はどんな内容に変更されるかを確認し、いまから対策を立てておきましょう。

◆ 2009年度以降の試験内容

 詳しくは情報処理技術者試験センターのWebサイトを参照いただくとして、簡単にまとめると、これまで午前、午後I、午後IIで実施されていた問題が次の4つに変更されます。

  • 午前 I  ―― 択一式30問(50分)(高度試験の共通問題:免除制度あり)
  • 午前 II ―― 択一式25問(40分)(データベースなどの専門知識を問う問題)
  • 午後 I  ―― 記述式3問出題で2問解答(90分)
  • 午後 II ―― 記述式2問出題で1問解答(120分)

 午前問題が2つに分かれたことと、合否判定がすべての問題で素点ベースとなったことが大きな変更です。また、午後Iは解答数が3問から2問に減りました。

 午前問題はIとIIを合計すると55問で、今年までの午前問題と同じ問題数ですが、いずれの問題も素点ベースで満点の60%以上の得点を取る必要があります。午後の問題も同じ基準を超える必要があります。やや基準が下がったイメージがありますが、油断は禁物です。

◆ ポイントは午前I に

 高度試験で共通問題となる午前Iは、テクノロジ系、マネジメント系、ストラテジ系という3つの分野から合計30問が出題されます。

  • テクノロジ系――基礎理論、コンピュータシステム、技術要素、開発技術
  • マネジメント系――プロジェクトマネジメント、サービスマネジメント
  • ストラテジ系――システム戦略、経営戦略、企業と法務

 マネジメント系やストラテジ系といった分野からも幅広く出題されるとのことなので、この分野の攻略がポイントになるかもしれません。

 これらについての 対策は別の機会に紹介します。


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 Index
データベーススペシャリスト試験攻略のツボ(1)
「データモデル」に関する問題
  Page 1
・問1-1 概念データモデルとは何か
→ Page 2
・問1-2 適切な多重度を見極める
コラム:新試験制度のポイントガイダンス
  Page 3
・問1-3 ANSI/SPARC 3層スキーマ



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