データベーススペシャリスト試験攻略のツボ(4)

「分散データベース」に関する問題


西沢直木
2008/8/14

本連載では、テクニカルエンジニア(データベース)試験に対応できる知識を確認していきます。多岐にわたる知識が問われる試験ですので、受験する方はもちろん、そうでない方も技術知識の確認に役立ててください。



問4-1 分割に対する透過性

 分散データベースシステムにおける“分割に対する透過性”を説明したものはどれか。


データの格納サイトが変更されても、ユーザーのアプリケーションや操作法に影響がないこと

 
同一のデータが複数のサイトに格納されていても、ユーザーはそれを意職せずに利用できること


1つの表が複数のサイトに分割されて格納されていても、ユーザーはそれを意識せずに利用できること

 
ユーザーがデータベースの位置を意識せずに利用できること

(19年-午前問題-問36)

答え


解説

 分散データベースとは、遠隔地などに分散したデータベースをネットワークで接続することで、1つのデータベースシステムを利用しているように見せる仕組みです。

 分散データベースの要件の1つに「透過性」があります。これは、データベースが分散されていることをユーザーが意識せずに利用できることを指します。透過性にはいくつかの種類があり、この問題では「分割に対する透過性」の意味が問われていますが、それぞれの選択肢は次の透過性の説明になっています。

ア 「移動に対する透過性」の説明です

イ 「複製に対する透過性」の説明です

ウ 「分割に対する透過性」の説明で、これが正解です

エ 「位置に対する透過性」の説明です

 これらの選択肢以外に次のような透過性もあります。

アクセスに対する透過性
データベースの物理的な位置に関係なく同じ操作方法でアクセスできること

障害に対する透過性
あるサイトで障害が発生しても代わりのサイトがカバーしてシステムが停止しないようにすること

データモデルに対する透過性
データモデルがリレーショナルモデルや階層モデル、ネットワークモデルなど、サイトごとに異なる場合でも利用者は意識せずに利用できること

規模に対する透過性
OSやアプリケーションに影響を与えることなく、規模を拡張できること

【関連リンク】
>>>表の結合
最大の難関“表の結合”は関連付けに注目する」(さらっと覚えるSQL&T-SQL入門(6))

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 Index
データベーススペシャリスト試験攻略のツボ(4)
「分散データベース」に関する問題
→ Page 1
・問4-1 分割に対する透過性
  Page 2
・問4-2 結合演算の最適化
  Page 3
・問4-3 トランザクションのコミット制御
コラム:分散データベースでの表の分割方法
  

データベーススペシャリスト試験攻略のツボ




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