データベーススペシャリスト試験攻略のツボ(4)

「分散データベース」に関する問題


西沢直木
2008/8/14

本連載では、テクニカルエンジニア(データベース)試験に対応できる知識を確認していきます。多岐にわたる知識が問われる試験ですので、受験する方はもちろん、そうでない方も技術知識の確認に役立ててください。


問4-2 結合演算の最適化

 分散型データベースで結合演算を行うとき、通信負荷を最も小さくすることができる手法はどれか。ここで、データベースは異なるコンピュータ上に格納されて、かつ結合演算を行う表の行数が、双方で大きく異ならないものとする。


入れ子ループ法


インデックスジョイン法


セミジョイン法


マージジョイン法

(19年-午前問題-問44)

答え

解説

 「セミジョイン法」とは、分散データベースで行われる結合演算を最適化できる手法です。結合するデータベースが分散しているケースで、結合に必要なデータのみを相手サイトに送信し、相手サイトから受け取った結合結果を自サイトのデータと結合します。問題文にあるように、通信負荷を小さくすることができます。

 セミジョイン法と聞いてもピンとこない方がいるかもしれませんが、分散データベースの問題では頻出するキーワードです。過去には16年から19年まで、単純にセミジョイン法を選択させる問題が4年連続で出題されています。

 上記19年以外の問題の概要と選択肢は次のとおりです。

○18年-午前問題-問39

必要な属性だけをサイト間でやりとりする結合方式はどれか。

ア 入れ子ループ法
イ セミジョイン法(正解)
ウ ハッシュセミジョイン法
エ マージジョイン法

○17年-午前問題-問44

サイト間にまたがる結合演算の最適化方法で適切なものはどれか。

ア LRU法
イ セミジョイン法(正解)
ウ ソートマージ法
エ 楽観的方法

○16年-午前問題-問44

通信負荷を最も小さくすることができる手法はどれか。

ア 入れ子ループ法
イ インデックスジョイン法
ウ セミジョイン法(正解)
エ マージジョイン法

 これだけマークしていてもたかが1問ですが、午前問題では数問の差で涙をのむ受験者が多くいます。わずかの差で残念な結果にならないように、過去の傾向からあぶりだされた頻出キーワードを押さえておいても損はありません。「決め打ち」はよくありませんが、時間がない方は「セミジョイン法」という名前と意味だけは押さえておきましょう

 もちろん長期的な視点でデータベースの技術を身に付けることは重要ですが、試験のクセをつかむことも重要です。その点から本稿では今後も、注意した方がよい頻出キーワードを取り上げたいと思います。

 

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 Index
データベーススペシャリスト試験攻略のツボ(4)
「分散データベース」に関する問題
  Page 1
・問4-1 分割に対する透過性
→ Page 2
・問4-2 結合演算の最適化
  Page 3
・問4-3 トランザクションのコミット制御
コラム:分散データベースでの表の分割方法
  

データベーススペシャリスト試験攻略のツボ


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