解説ASP.NETで学ぶVisual Studio .NETの魅力第3回 Visual Studio.NETでプログラム・レス開発を学ぶ(中編) 山田 祥寛 |
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動的に広告バナーを変更する
〜AdRotatorコントロール〜
次は一転して、AdRotatorコントロールを利用した広告バナーの表示を行ってみよう。このコントロールを使用すると、次の図のようにアクセスごとに切り替わる広告バナーを表示することができる。
AdRotatorコントロールの実行例 |
AdRotatorコントロールは指定したバナー・ビットマップを表示する。アクセスごとに表示されるバナーが切り替わる。 |
一見、非常にシンプルにも思えるサンプルであるが、ここでは大きくふたつの特性を示唆している。すなわち、
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「リッチ・コントロール」というカテゴリでくくられる高機能なサーバ・コントロールを用いることで、一切スクリプトを記述しなくても、プロパティと設定ファイルの記述だけで、それなりの機能を実現できるという点
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設定ファイルとしてのXML(eXtensible Markup Language)形式の有用性
である。
それでは、以下に構築までの手順を紹介しよう。
(1)サーバ・コントロールを配置する
以下の図のように、AdRotatorコントロールを配置する。配置するコントロールと最初に設定しておくべきプロパティの組み合わせは、表のとおりである。
AdRotatorコントロールを配置したWebフォーム |
コントロール | プロパティ | 値 |
AdRotator | (ID) | AdRotator1 |
Height | 50px | |
Target | _blank | |
Width | 300px | |
AdRotatorコントロールのプロパティ設定 |
Targetプロパティは、広告バナーから他のサイトにリンクが設定されている場合に、そのターゲット・ウィンドウを設定するものである。ここでは、リンク先のページを新規ウインドウ(_blank)に表示する。
(2)XML形式の設定ファイルを追加する
AdRotatorコントロールを制御するのは、広告ファイルと呼ばれるXML形式の設定ファイルの役割だ。広告ファイルはXML形式で記述され、バナー画像のURL、リンク先、表示確率(重み付け)を設定することができる。
XMLファイルをプロジェクトに追加するには、ソリューション・エクスプローラ上でプロジェクト名を右クリックし、[追加]−[新しい項目の追加]を選択する。表示された「新しい項目の追加」ダイアログから「XMLファイル」を選ぶことで、設定ファイル用の新しいXMLファイルを追加することができる。ファイル名は任意に決めることができるが、ここでは「ad.xml」としておこう。
XMLファイルのプロジェクトへの追加 |
ソリューション・エクスプローラ上でプロジェクト名を右クリックし、[追加]−[新しい項目の追加]を選択する。 |
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ASP.NETで学ぶVisual Studio .NETの魅力 | ||
第3回 Visual Studio.NETでプログラム・レス開発を学ぶ(中編) | ||
1.MSDEによるデータベースの準備とデータの作成 | ||
2.Webフォームからデータベースに接続するための準備 | ||
3.クエリ・ビルダを利用して楽々SQL文作成 | ||
4.抽出したデータを一覧表に展開するDataGridコントロール | ||
5.動的に広告バナーを変更するAdRotatorコントロール | ||
6.AdRotatorコントロールを制御するXMLファイルの作成 | ||
「解説:ASP.NETで学ぶVisual Studio .NETの魅力」 |
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