.NETエンタープライズWebアプリケーション ASP.NETランタイムの基本動作とWeb UIコントロールツリー マイクロソフト コンサルティング本部 赤間 信幸2004/05/08 |
|
|
3 ASP.NET処理ブロックの中からのWeb UIコントロールツリーの操作方法
3.1 WebコントロールへのID値の付与方法
ASP.NET処理ブロック内のイベントハンドラからWeb UIコントロールツリーを操作するためには、操作したいWebコントロールあるいはHTMLコントロールに、予めインスタンス名(変数名)を付与しておく必要がある。その方法は極めて単純で、WebコントロールやHTMLコントロールとなるタグにrunat="server"属性に加えてid属性を指定しておけばよい※6。
※6 ID属性を指定していなかった場合にはASP.NETランタイムが自動的に適当なインスタンス名を付与する。 |
例えばリスト4のコードからは、図15のようなインスタンス名を持つWeb UIコントロールツリーが構築される。
|
|
リスト4 Web UIコントロールツリーを操作するサンプルコード |
図15 リスト4で構築されるWeb UIコントールツリー |
3.2 変換先となるクラスライブラリ
WebコントロールおよびHTMLコントロールは、先に述べた通り、それぞれSystem.Web.UI.WebControlsならびにSystem.Web.UI.HtmlControls名前空間下にあるクラスのインスタンスに変換される。このため、変換先となっているクラスライブラリの仕様書を確認すれば、どのようなプロパティやメソッドを持つか(どのような操作が可能なのか)が分かる※7(リスト5)。
※7 MSDNドキュメント(製品ドキュメント)の以下の項を参照。[microsoft .NET Fremework SDK v1.1]−[ドキュメント]−[.NET Framework SDK]−[リファレンス]−[クラスライブラリ]−[System.Web.UI.WebControls]または[System.Web.UI.HtmlControls](図16)。 |
図16 MSDNドキュメント内のWebコントロールについてのリファレンス |
|
|
||
リスト5 C#とVB.NETのサンプルコード |
なお実際の開発ではVisual Studio .NETを利用するため、各Webコントロールが持つメソッドやプロパティの一覧およびその概要はIntelliSense機能により開発環境の中から確認できる。このため毎回MSDNドキュメントを調べる必要はないが、ここでは以下のポイントのみ押さえておいていただきたい。
-
ASP.NET処理ブロックの中から操作したいWebコントロールやHTMLコントロールに関しては、ID値を付与しておく。
-
WebコントロールやHTMLコントロールの操作方法の詳細は、当該コントロールのクラスライブラリリファレンスを参照すれば調べることができる。
4 ASP.NETランタイムの基本動作とWeb UI コントロールツリーのまとめ
最後に、この節でのポイントを整理して締めくくることとする。
.NETエンタープライズWebアプリケーション開発技術大全 Vol.2 ASP.NET 基礎編 |
|
定価 3,675円(税込み) 赤間 信幸(マイクロソフト株式会社コンサルティング本部) 著 B5変型判/340p ISBN 4-89100-428-2 日経BPソフトプレス発行 日経BPソフトプレスの書籍紹介ページへ マイクロソフトプレスの書籍紹介ページへ |
INDEX | ||
.NETエンタープライズWebアプリケーション開発技術大全 | ||
ASP.NETランタイムの基本動作とWeb UIコントロールツリー | ||
1.ASP.NETランタイムの基本動作 | ||
2.ASP.NETのランタイム動作 | ||
3.Web UIコントロールツリーの作成方法 | ||
4.ASP.NET処理ブロックの中からのWeb UIコントロールツリーの操作方法 | ||
「.NETエンタープライズWebアプリケーション開発技術大全」 |
- 第2回 簡潔なコーディングのために (2017/7/26)
ラムダ式で記述できるメンバの増加、throw式、out変数、タプルなど、C# 7には以前よりもコードを簡潔に記述できるような機能が導入されている - 第1回 Visual Studio Codeデバッグの基礎知識 (2017/7/21)
Node.jsプログラムをデバッグしながら、Visual Studio Codeに統合されているデバッグ機能の基本の「キ」をマスターしよう - 第1回 明瞭なコーディングのために (2017/7/19)
C# 7で追加された新機能の中から、「数値リテラル構文の改善」と「ローカル関数」を紹介する。これらは分かりやすいコードを記述するのに使える - Presentation Translator (2017/7/18)
Presentation TranslatorはPowerPoint用のアドイン。プレゼンテーション時の字幕の付加や、多言語での質疑応答、スライドの翻訳を行える
|
|