Visual Studio.NETファースト・インプレッション

3.Win FormsとWeb Forms


槙邑 恭介
2000/11/15

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 VS.NETを用いて、CLR上で動作するアプリケーション(Microsoftはこの実行環境で動作するコードを「Managed Code」と呼んでいる。一方Win32 APIを直接利用するようなコードは「Unmanaged Code」と呼ばれる)を作成する場合に、ユーザー・インターフェイスの中心となるのが「Win Forms」と「Web Forms」である。これらを構成するクラスはシステムのクラス・ライブラリに含まれている(なおVS.NETのBeta1では、Win Formsは、Windows Formsとなっている)。

Win Forms

 Win FormsはCLRの提供するクラス・ライブラリに含まれており、グラフィカルなユーザー・インターフェイスを提供するライブラリである。C#、VBなどでローカル・アプリケーションを作成する場合は、Win Formsを利用することになる。実際のWin Formsを作成する手順は、これまでVBで行ってきたフォームの作成とほとんど変わらない。ツール・ボックスからフォームにコンポーネントを貼り付けるだけである。コンポーネントで興味深いのは、コンポーネントの位置指定として、“上下左右”が指定できる点である(もちろんピクセル単位での指定も可能)。これはJavaのレイアウト指定でいうところのNorth、Southなどと同じものだ。おそらくこれまでのような、Windowsの画面レイアウトとは異なるプラットフォームでの利用を考えてのことと思われる(リスト「Win Formsの記述例」参照)。

 またWin FormsはCLR上で動作するので、従来のActiveXコントロールは利用できなくなる。標準的なコントロールは用意されているものの、これまで利用していたActiveXコントロールを利用する場合は、変換ツールを利用してCLRで動作するようにコントロールを変換してから利用することになるだろう。

Web Forms

 Win FormsがCLR上で動作するローカル・アプリケーションのためのユーザー・インターフェイス・コンポーネントであるのに対して、Web Formsは、ASP+でWebアプリケーションを作成する際に利用するユーザー・インターフェイス・コンポーネントである。Web Formsでは特殊なタグ(“<asp: >”)を用いて、Web FormsコンポーネントをASP+ファイル(.aspx)中に記述する。そしてページに貼り付けたコンポーネントのプロパティやイベントなどの処理は別ファイルで用意し、そこにC#やVBで処理コードを記述することになる。これらのコンポーネントはブラウザからのリクエスト時にサーバ側で処理されて、最終的には通常のHTMLに変換されてブラウザに送られる。そのためどのようなブラウザでも見ることのできるページになる(ただしブラウザに返されるHTMLのコードを見る限り、JavaScriptをサポートしている必要はありそうだ)。

 Web Formsを用いたASP+ページの利点は、ソース・ファイル上でユーザー/インターフェイスの記述とロジックの記述を分けられる点と、ロジックの部分にCLR上で動作するさまざまなコンポーネントが利用できるところにある。ASPでは、COMオブジェクト(MTSオブジェクトなど)をVBやVC++などで作成していたが、これらのオブジェクトはC#やVB、VC++などでより簡単に作成できるようになる(リスト「Web Formsのコード例」参照)。


 INDEX
  [特集]Visual Studio .NETファースト・インプレッション
     1.Visual Studio .NETの概要
     2.次バージョンの統合開発環境の概要
   3.Win FormsとWeb Forms
     4.Visual C++でのアプリケーション作成の変化Win FormsとWeb Forms
     5.Visual Basicでのアプリケーション作成の変化
     6.Webアプリケーション開発環境として見たVS.NETとC#

 



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