[プロダクトレビュー]
完成度を高め商用ツールの機能にさらに迫る
Eclipse 2.1
Plug-in development environment(PDE) サブプロジェクトの新機能/改善点 |
Plug-inプロジェクトのビルドクラスパスの改善 |
動作のためにはほかのPlug-inのJARライブラリを必要とするPlug-inの場合、必要とするPlug-inのバージョン名が参照するディレクトリ名に埋め込まれてしまうので、参照先のPlug-inがバージョンアップされた際に問題が発生します。Eclipse 2.0.2ではプロジェクトの作成時や、Plug-inマニフェストエディタによる依存性の変更中、またはプロジェクトを右クリック→「クラスパスの更新」を選択して手動で更新していましたが、Eclipse 2.1からは動的なビルドクラスパスを使用することができます。
「ウィンドウ」→「設定」→「プラグイン開発」→「Javaのビルド・パス制御」で表示されるダイアログにて、「Use classpath containers for dependent plug-ins」をチェックすることにより使用することができます。
動的なビルドクラスパスを使用できる(クリックすると拡大します) |
アップデートサイトのサポート機能の追加 |
Update Managerで使用するためのアップデートサイトの作成に関してサポート機能が追加されました。new project wizardで「プラグイン開発」→「Update Site Project」を選択することにより、アップデートサイトに必要なファイルを含んだプロジェクトが作成されます。
またsite.xmlの編集を行うために、Site Manifest Editorが用意されています。
site.xmlの編集を行えるSite Manifest Editor(クリックすると拡大します) |
ユーザビリティの改善 |
PDEのダイアログでF1ヘルプが用意されたり、PDEフォームエディタ、Plug-inマニフェストエディタなどが改善され、より使いやすくなりました。
COLUMN Eclipseの日本語化 Eclipseでは日本語の入力、表示は問題なく行うことができますが、メニューやヘルプを日本語で表示するためには、Language Packをインストールする必要があります。Eclipse 2.0.xではIBMよりWebSphere Studio用のLanguage Packが寄贈され、Eclipseを日本語で使用することができました。しかし、執筆時現在(2003年3月)、2.1用のLanguage Packはまだリリースされていません。2.0.x用のLanguage Packを2.1に適用すると、新機能の部分が日本語化されないのは当然としても、以前からあるメニューの大部分が日本語化されません。そこで、この不具合を解決するパッチを作成しました。Eclipseのダウンロードサイトhttp://www.eclipse.org/downloads/index.phpからEclipse 2.1とLanguage Pack(eclipse-sdk-nls)をインストールした後、http://people.debian.org/~tora/tmp/eclipse-2.1-NLS-menu.zipにあるパッチをeclipseディレクトリに上書きするとメニューが日本語化されます。 ただし、このパッチをインストールしても一部のメッセージは日本語化されないのでご注意ください。また、ソースエディタやテキストエディタを利用した場合日本語が「□□□」と文字化けしますが、これについては、メニューの「ウィンドウ」→「設定」→「ワークベンチ」→「フォント」を選択、Text Fontの設定で「Change…」ボタンを押してフォント名にMS ゴシックを選択しましょう(Windowsの場合)。 |
まとめ |
以上、駆け足でEclipse 2.1の新機能について紹介してきました。紹介した以外にもこまかな機能追加、変更が行われていますが、結局のところEclipse 2.1では大幅な機能追加というものは存在しません。しかし使いやすさに対して数多くの改善がなされた結果、開発環境としては大幅にレベルアップしたといえるでしょう。
気になるさまざまなPlug-inの対応状況ですが、動作しないものもあるようです。自分のお気に入りのPlug-inが動作しない場合、不具合情報を開発者にフィードバックするとよいでしょう。多くのPlug-inはオープンソースで開発されており、開発者はそのような情報を必要としています。Plug-in開発がBugトラッキングシステムを用意している場合には、まず検索し同様の事象が挙がっていなければ新たなBug(バグ)として登録しましょう。
また、2002年12月20日には、Eclipse 2.2の最初のドラフトプランが投稿されています(「Eclipse Project DRAFT 2.2 Plan」)。その中では、J2SE 1.5への対応の開始や、JSP、JSQLといった言語のサポートなどを提案しています。
またEclipse 2.1では残念ながら実現されず先送りになってしまった多くの機能が、要望として挙げられています。これからもどんどん進化し続けるEclipseから目が離せません。
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