[連載]
初めてのEnhydra

第2回 データベース環境の構築

松江浩実
有限会社エア・ビート
代表取締役
2001/6/22


1.データベース環境の構築「Linux環境編」

 第1回「Enhydraにチャレンジ!」ではEnhydraのセットアップを行いました。今回は、データベースのインストールやJDBCの設定、第1回で行った環境構築の最終確認を行います。

 まず、Linux環境での環境構築を説明していきましよう。

 PostgreSQL 7.0.3のセットアップ

 ソースからコンパイルしてインストールします。TurbolinuxServer 6.1をオールインワンでインストールすると標準でPostgreSQL 6.5.3のパッケージがインストールされています。パッケージがインストールされているか確認するにはrpm -qaで行います。

# rpm -qa | grep postgres
postgresql-6.5.3-7
postgresql-jdbc-6.5.3-7
postgresql-odbc-6.5.3-7
postgresql-perl-6.5.3-7
postgresql-python-6.5.3-7
postgresql-server-6.5.3-7
postgresql-tcl-6.5.3-7
postgresql-test-6.5.3-7

 このままではソースからのコンパイルに失敗することがありますので、まずはインストールされているパッケージをrpm -eオプションで削除します。

# rpm -e postgresql postgresql-jdbc postgresql-odbc postgresql-perl postgresql-python postgresql-server postgresql-tcl postgresql-test


■PostgreSQL 7.0.3のインストール

(1)postgresアカウントを作成します。まずPostgreSQLのスーパーユーザーとなるpostgresというユーザーを作成します

# useradd postgres

(2)passwdコマンドでパスワードを設定します

# passwd postgres
Changing passwd for user postgres
New UNIX password: ←パスワード入力
Retype new UNIX password: ←パスワード確認入力
passwd: all authentication tokens updated successfully

(3)PostgreSQLをソースからコンパイルすると標準で/usr/local/pgsqlにインストールされるので、ソースコードを展開するディレクトリおよびインストールディレクトリを作成し、ディレクトリのオーナーを専用アカウントのpostgresに設定します

# mkdir /usr/local/src
# chown postgres:postgres /usr/local/src
# mkdir /usr/local/pgsql
# chown postgres:postgres /usr/local/pgsql

(4)ソースを展開します。ダウンロードしたpostgresql-7.0.3.tar.gzは/tmpに保存されているものとします。postgresアカウントで作業を行います

# su - postgres
$ cd /tmp
$ tar zxvf postgresql-7.0.3.tar.gz -C /usr/local/src

(5)Configureを実行します。 ソースを展開したディレクトリに移動してconfigureを実行します

$ cd /usr/local/src/postgresql-7.0.3/src
$ ./configure --enable-multibyte=EUC_JP

(6)makeを実行します

$ make all
All of PostgreSQL is successfully made. Ready to install.

(7)インストールを実行します

$ make install

(8)環境変数を設定します。シェルがbashの場合ホームディレクトリの.bashrcなどに以下の行を追加します

export JAVA_HOME=/opt/jbuilder4/jdk1.3
export POSTGRES_HOME=/usr/local/pgsql
export PGLIB=$POSTGRES_HOME/lib
export PGDATA=$POSTGRES_HOME/data
export LD_LIBRARY_PATH=$LD_LIBRARY_PATH:$PGLIB
PATH=$PATH:$JAVA_HOME/bin:$POSTGRES_HOME/bin

(9)変更を有効にします

$ source ~/.bashrc

(10)初期化を実行します。以下のコマンドでデータベースの初期化を行います

$ initdb

 これで、PostgreSQLのインストールが終わりました。次に、確認用にサンプルデータベースを作成します。

■データベースの作成

(1)postmasterを起動しますが起動はpg_ctlスクリプトを使って起動、停止を行うのが便利なのでその準備を行います。オプションを書き込むファイルを書き込み可能にします

$ chmod +w /usr/local/pgsql/data/postmaster.opts.default

(2)適当なエディタでpostmaster.opts.defaultにデフォルトのオプションを書き込みます。以下の1行を加えます。

-S -i

(3)postmasterを起動します

$ pg_ctl -w start

(4)testdbという名前でデータベースを作成します

$ createdb testdb

(psql -lでデータベースの一覧を見ることができます)

$ psql -l
List of databases
Database    | Owner    | Encoding
------------+----------+----------
template1   | postgres | EUC_JP
testdb      | postgres | EUC_JP
(2 rows)

(5)テーブルの作成にはEnhydraのGettingStartedのtutorial_create.sqlを利用します。以下の\usr\local\enhydra3.1\doc\GettingStarted\samplesにある
tutorial_create.sqlの3〜5行目修正します

(
修正前)
title VARCHAR2(32) DEFAULT '' NOT NULL ,
artist VARCHAR2(32) DEFAULT '' NOT NULL ,
genre VARCHAR2(32) DEFAULT '' NOT NULL ,

(修正後)
title VARCHAR(32) DEFAULT '' NOT NULL ,
artist VARCHAR(32) DEFAULT '' NOT NULL ,
genre VARCHAR(32) DEFAULT '' NOT NULL ,

(6)psqlを実行します

$ psql testdb

(7)\iでsqlファイルを読み込んでデータを追加します

testdb=# \i /usr/local/enhydra3.1/doc/GettingStarted/samples/
tutorial_create.sql
CREATE
INSERT 18864 1
INSERT 18865 1
INSERT 18866 1

(次のselect文を実行して、以下のように表示されればOKです)

(8)psqlの終了は以下のように行います

testdb=# \q

(9)postmasterの終了は以下のように行います

$ pg_ctl stop


 JDBCドライバの作成

 JDBCドライバのソースファイルは以下のディレクトリにあります。

/usr/local/src/postgresql-7.0.3/src/interfaces/jdbc

■JDBCドライバのコンパイル

(1)ディレクトリを移動してmakeを実行します

$ cd /usr/local/src/postgresql-7.0.3/src/interfaces/jdbc
$ make jdbc2

(2)postgresql.jarファイルが作成されていることを確認します

$ ls
CHANGELOG Makefile README_6.3 org/ postgresql.jar
Implementation README example/ postgresql/

(3)JBuilderでJDBCドライバを使用するためにJBuilderのLibディレクトリにpostgresql.jarをコピーしておきます。$ exit <- rootに戻ります

# cp /usr/local/src/postgresql-7.0.3/src/interfaces/jdbc/postgresql.jar /opt/jbuilder4/lib/

(4) 「$ exit」で rootに戻ります


 
1/3
2.データベース環境の構築(Linux編)

初めてのEnhydra(第2回)
1.データベース環境の構築「Linux環境編」
PostgreSQL 7.0.3のセットアップ
JDBCドライバの作成
  2.データベース環境の構築「Windows環境編」
Windows環境変数の設定
cygwinのインストール
JDBCドライバの作成
  3.サンプルアプリケーションを動かしてみる
サンプルアプリケーションの起動
管理ツールを使う
インストール場所の確認



連載記事一覧

 



Java Agile フォーラム 新着記事
@ITメールマガジン 新着情報やスタッフのコラムがメールで届きます(無料)

注目のテーマ

Java Agile 記事ランキング

本日 月間