[連載]
初めてのEnhydra

第2回 データベース環境の構築




2.データベース環境の構築「Windows環境編」

 次に、Windows環境でのセットアップ方法を説明します。

 Windowsの環境変数の設定

 PostgreSQLのJDBCコンパイルで必要になりますので、JDKのパスを設定します。

(1)[コントロールパネル]→[システム]→[詳細]→[環境変数]をクリックします。
(2)システム環境変数のPathを選択し[編集]をクリックします。
(3)変数値にc:\jbuilder4\jdk1.3\binを追加します。

(例)
%SystemRoot%\system32;%SystemRoot%;%SystemRoot%\System32\Wbem;
c:\jbuilder4\jdk1.3\bin

 cygwinのインストール


■cygwinのインストール

 cygwinはインストールが簡単な1.1.xを使用します。インストールはsetup.exeのみをダウンロードしてインストールを行うのが簡単です。

(1)setup.exeを実行します

(2)[Next->] をクリックして「Install from Internet」を選択し、[Next ->] をクリックします

(3)ダウンロードするファイルの保存先「Local Package Directory」を選択して[Next ->] をクリックします

(4)cygwinのインストール先「Select install root directory」を選択します。ここではc:/cygwinにしておきます。「Default Text File Type」に[Unix]、「 Install Fo」に[ All]を選択して[Next ->]をクリックします

(5)接続方法を選択して[Next ->]をクリックします

(6)「Select Download Site」で接続先を選択して[Next ->]をクリックします

(7)「Select packages to install」はデフォルトのままで[Next ->]をクリックします

(8)必要なファイルがダウンロードされてインストールされます。回線の太さによっては時間がかかります

(9)インストールが完了すると「Create Desktop Icon」、「Add to start menu」が表示されます、両方にチェックを付けて[Next ->]をクリックするとデスクトップとメニューにCygwinが追加されインストールが完了します



■cygwin1.1.7のインストール

 cygwin1.1.8ではpostmasterが起動しないのでcygwin-1.1.7-1.tar.gzをインストールします。ダウンロードしたcygwin-1.1.7-1.tar.gzc:\tmpに置いてあるとします。

(1)setup.exeを起動します

(2)[Next->]をクリックして「Install from LocalDirectory」を選択して[Next ->]をクリックします

(3)「Local Package Directory」で「c:\tmp」を選択し[Next ->]をクリックします

(4)cygwinのインストール先「c:\cygwin」を選択し[Next ->]をクリックします

(5)「Select packages to install」の「New」が「1.1.7-1」になっていることを確認して[Next ->]をクリックします

(6)インストールが終わったら[Next ->]をクリックします



■cygwin-1.x-local.tar.gzのインストール

(1)cygwin-1.x-local.tar.gzをc:\cygwin\tmpにエクスプローラなどでコピーします

(2)cygwinを起動して/tmpディレクトリに移動します

$ cd /tmp

(3)cygwin-1.x-local.tar.gzを/usr/localに展開します

$ tar zxvf cygwin-1.x-local.tar.gz -C /usr/local

(4)/usr/local/bin/に移動してcheck_cygwin_setup.shスクリプトを実行します

$ cd /usr/local/bin/
$ sh check_cygwin_setup.sh

(質問には以下のように答えます)

You don't have /etc/hosts - create it? [y/n] <- yを入力
Please enter your ip address <- IPアドレスを入力 (例)192.168.0.122
TERM is not set to linux or ansi, rectify? [y/n] <- yを入力



■cygwin32_ipc-1.03-bin-patched.tar.bz2のインストール

(1)cygwin32_ipc-1.03-bin-patched.tar.bz2をc:\cygwin\tmpにエクスプローラなどでコピーします

(2)/tmpディレクトリに移動してcygwin32_ipc-1.03-bin-patched.tar.bz2を展開します

$ cd /tmp
$ bunzip2 -dc cygwin32_ipc-1.03-bin-patched.tar.bz2 | tar xvf -

(3)展開したファイルを/usr/local以下にコピーします

$ cp cygwin32_ipc-1.03/bin/* /usr/local/bin
$ cp cygwin32_ipc-1.03/lib/* /usr/local/lib
$ cp -R cygwin32_ipc-1.03/include/* /usr/local/include


■postgresql7.0.3-cygwin1.1.5-mb.tar.bz2のインストール

(1)postgresql7.0.3-cygwin1.1.5-mb.tar.bz2をc:\cygwin\tmpにエクスプローラなどでコピーします

(2)/tmpディレクトリに移動してpostgresql7.0.3-cygwin1.1.5-mb.tar.bz2を/usr/localに展開します

$ cd /tmp
$ bunzip2 -dc postgresql7.0.3-cygwin1.1.5-mb.tar.bz2 | tar xvf - -C /usr/local

(3)/usr/local/pgsql/lib/pq.dll を/usr/local/pgsql/bin/にコピーします

$ cp /usr/local/pgsql/lib/pq.dll /usr/local/pgsql/bin/

(4)viエディタなどで環境変数を設定します

$ cd ~
$ vi .bashrc

(.bashrcの内容)
TERM=linux; export TERM
PATH=$PATH:/usr/local/pgsql/lib:/usr/local/pgsql/bin
PGLIB=/usr/local/pgsql/lib
PGDATA=/usr/local/pgsql/data
PGHOST=127.0.0.1
PGCLIENTENCODING=SJIS
LD_LIBRARY_PATH=/usr/local/pgsql/lib:usr/local/lib
export PATH PGLIB PGDATA PGHOST PGCLIENTENCODING LD_LIBRARY_PATH

(5)環境変数の変更を有効にします

$ source .bashrc

(6)データベースの初期化を行います

$ initdb -E EUC_JP


 次に、確認用のサンプルデータベースを作成します。

■データベースの作成

(1)postmasterを起動しますが起動はpg_ctlスクリプトを使って起動、停止を行うのが便利なのでその準備を行います。適当なエディタで、/usr/local/pgsql/data/postmaster.opts.defaultにデフォルトのオプションを書き込みます。 ここでは-iと1行を加えます

(2)ipc-daemon、postmasterの起動を確認します。以下のように表示されれば起動はOKです

$ ipc-daemon -q &
[1] 520
pg_ctl -w start
Waiting for postmaster starting up..DEBUG: Data Base System is starting up at S
at Feb 24 03:51:08 2001
DEBUG: Data Base System was shut down at Sat Feb 24 03:50:21 2001
DEBUG: Data Base System is in production state at Sat Feb 24 03:51:08 2001
done.
postmaster successfully started up.

(3)testdbという名前でデータベースを作成します

$ createdb testdb

(psql -l でデータベースの一覧を見ることができます)

$ psql -l
List of databases
Database  | Owner         | Encoding
----------+---------------+----------
template1 | administrator | EUC_JP
testdb    | administrator | EUC_JP
(2 rows)

(4)テーブルの作成にはEnhydraのGettingStartedのtutorial_create.sqlを利用しますので\usr\local\enhydra3.1\doc\GettingStarted\samplesにあるtutorial_create.sqlをエクスプローラなどでc:\cygwin\tmpにコピーし、修正を加えます。Tutorial_create.sqlの3〜5行目を修正します

(修正前)
title VARCHAR2(32) DEFAULT '' NOT NULL ,
artist VARCHAR2(32) DEFAULT '' NOT NULL ,
genre VARCHAR2(32) DEFAULT '' NOT NULL ,

(修正後)
title VARCHAR(32) DEFAULT '' NOT NULL ,
artist VARCHAR(32) DEFAULT '' NOT NULL ,
genre VARCHAR(32) DEFAULT '' NOT NULL ,

(5)psqlを実行します

$ psql -n testdb

(6)データを追加します

testdb=# \i /tmp/tutorial_create.sql
CREATE
INSERT 19120 1
INSERT 19121 1
INSERT 19122 1

(次のselect文を実行して以下のように表示されればOKです。qをタイプして表示を終了します)

(5)psqlを終了します

testdb=# \q

(6)postmasterを終了します

$ pg_ctl stop

(7)ipc-daemonを終了します。ipc-daemonの終了にはkillを使います

$ ps ax | grep ipc-daemon
844 904 844 696 -1 500 03:51:00 /usr/local/bin/ipc-daemon
$ kill 844



 JDBCドライバの作成

 ダウンロードしたpostgresql-7.0.3.tar.gzc:\cygwin\tmpに置いてあるとします。

■JDBCドライバのコンパイル

(1)/tmpディレクトリに移動して、postgresql-7.0.3.tar.gzを展開します

$ cd /tmp
$ tar zxvf postgresql-7.0.3.tar.gz

(2)jdbcディレクトリに移動します

$ cd postgresql-7.0.3/src/interfaces/jdbc/

(3)makeを行います

$ make jdbc2

(4)JBuilderでJDBCドライバを使用するためにエクスプローラなどでc:\cygwin\tmp\postgresql-7.0.3\src\interfaces\jdbcのpostgresql.jarをJBuilderのLibディレクトリにコピーしておきます



■cygwinの終了

 cygwinを終了するにはexitをタイプします。

$ exit



2/3
3.サンプルアプリケーションを動かしてみる

 

初めてのEnhydra(第2回)
  1.データベース環境の構築「Linux環境編」
PostgreSQL 7.0.3のセットアップ
JDBCドライバの作成
2.データベース環境の構築「Windows環境編」
Windows環境変数の設定
cygwinのインストール
JDBCドライバの作成
  3.サンプルアプリケーションを動かしてみる
サンプルアプリケーションの起動
管理ツールを使う
インストール場所の確認



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