第1回 開発環境の用意とテストアプリの作成
Linuxで利用できるIDEの代表、Kylix。その最新版Kylix 3とDB2 V8.1を使って、Webサービス・アプリケーションを作成してみよう。日本語トライアル版も用意されているので、実際に試しながら読んでほしい。(編集局)
中林 紀彦
日本アイ・ビー・エム株式会社
2002/12/3
「Webサービス」というキーワードがいろいろなメディアに取り上げられるようになって久しく、最近はSOAPを実装できる開発ツールや実行エンジンも増えてきました。Webサービスはそろそろ「次世代」という形容句から解放されて、手軽に実装できる技術になってきたといえます。
この連載では、Webサービスの「実装」にフォーカスして、ボーランドのKylix 3と日本アイ・ビー・エムのDB2 Universal Database V8.1(以下DB2 V8.1)を使ったWebサービス・アプリケーションの作成方法を紹介していきます。Webサービスの詳細については、@ITのXML eXpert eXchangeフォーラムに譲るとして、この連載では実際に作っていく部分を詳しく紹介していきたいと思います。
- Kylix 3
http://www.borland.co.jp/kylix/
- DB2 Universal Database V8.1
http://www.ibm.com/jp/software/data/
なお、本連載は以下のように進めていく予定です。
第1回 開発環境の用意とテストアプリの作成(今回)
開発に必要なものをインストールし、簡単なサンプル・アプリケーションを作ります。
第2回 KylixでDB2を操作しよう
Kylixのデータアクセス・コンポーネントdbExpressを使ったDB2データベース・プログラミングを、Webアプリケーションを例に実際に作りながら紹介します。
第3回 Webサービス・クライアントを作ろう
海外では「XMethods」(http://www.xmethods.com/)、国内では「Webサービス同好会」(http://objectclub.esm.co.jp/webservice/home.html)など、テスト目的で一般に公開されているWebサービスに接続するWebサービス・クライアントを作成します。
最終回 Webサービス・プロバイダを作ろう
より実用的なサンプルを使って、Webサービス・プロバイダを作っていきます。ここまで読んでいただければ、Webサービスを実装したアプリケーションがそれほど難しくないことがお分かりいただけると思います。
Kylix 3とDB2 V8.1の入手
最初に、Kylix 3とDB2 V8.1を入手しましょう。
■Kylix 3 Enterprise Edition
dbExpressを使ってDB2と接続するため、Enterprise Editionが必要です。米国BorlandのWebサイト(http://www.borland.com/products/downloads/download_kylix.html)にEnterprise Editionの日本語トライアル版が用意されているので、Kylixをお持ちでない方はここからダウンロードしましょう。
Kylix 3の動作条件は、ボーランドのWebサイトの情報によると以下のようになっています。
- カーネル2.2以降
- libgtk.so 1.2以降(グラフィカルインストールの場合のみ)
- libjpeg 6.2(libjpeg.so.62)以降
- X11R6互換のターミナルサーバ(XFree86など)
- glibc 2.1.2以降(推奨glibc 2.1.3以降)
ディストリビューションによってはglibcのアップデートが必要になります。詳しくはhttp://www.borland.co.jp/kylix/devsupport/を参照してください。本連載ではRed Hat Linux 7.3を用いて進めていくことにします。
Kylixのインストールには、500Mbytesくらいのディスク・スペースがあれば大丈夫です。
■DB2 V8.1
DB2 UDBも米国IBMのWebサイト(http://www6.software.ibm.com/dl/db2udbdl/db2udbdl-p)に日本語のトライアル版が用意されています。最新のDB2 UDB V8.1もダウンロードできます。また、http://db2.jp/siryo/download/guide.htmlにダウンロードガイドがあるので参考にしてください。
DB2 V8.1の動作条件は以下のようになっています。
- カーネル2.4.9以降
- glibc 2.2.4以降
- RPM3以降
対応ディストリビューションについては、http://www.ibm.com/jp/software/data/db2/linux/にサポート・ディストリビューションに関するリンクがあります。
1/3
|
|
||||||
|
連載 Kylix 3とDB2で作るWebサービス・アプリ |
Linux Squareフォーラム プログラミング関連記事 |
特集:オブジェクト指向に生まれ変わるPHP5[前編] 現在開発中のPHP5は、オブジェクト指向機能が大幅に強化される。次世代PHPはどのような言語になるのか? |
|
特集:Windows開発者に贈る
Kylixの全貌 注目の開発環境「Borland Kylix」がいよいよ見えてきた。ここに、英語版の発売を目前に控えたKylixの機能やアーキテクチャを紹介しよう |
|
特集:Kylixプログラミング作法 GUIの構築やコンポーネントとコードの関係、 Object Pascalの仕様など。 これらの点を、実際に日本語ベータ版でプログラミングしながら分かりやすく解説 |
|
連載:PHP4で作るWeb-DBシステム(全5回) PHPはWebサーバとデータベースを結びつけるものだ。そのためPHPでの開発を開始するには、OS、データベース、Webサーバ、そしてPHPと、多くのソフトウェアのインストールを行う必要がある |
|
連載:ステップ・バイ・ステップ・シェルスクリプト(全7回) Linuxの中でシェルスクリプトはネットワークの設定、デーモンの起動など重要な役割を果たしている。この連載では、シェルスクリプトで実用的なプログラムを組むことを目標にして、シェルの基本的な知識を説明する |
|
連載:Kylix
3とDB2で作るWebサービス・アプリ(全5回) Kylix 3とDB2 V8.1を使って、Webサービス・アプリを作ってみよう。トライアル版も用意されているので、実際に試しながら読んでほしい |
|
|
- 【 pidof 】コマンド――コマンド名からプロセスIDを探す (2017/7/27)
本連載は、Linuxのコマンドについて、基本書式からオプション、具体的な実行例までを紹介していきます。今回は、コマンド名からプロセスIDを探す「pidof」コマンドです。 - Linuxの「ジョブコントロール」をマスターしよう (2017/7/21)
今回は、コマンドライン環境でのジョブコントロールを試してみましょう。X環境を持たないサーバ管理やリモート接続時に役立つ操作です - 【 pidstat 】コマンド――プロセスのリソース使用量を表示する (2017/7/21)
本連載は、Linuxのコマンドについて、基本書式からオプション、具体的な実行例までを紹介していきます。今回は、プロセスごとのCPUの使用率やI/Oデバイスの使用状況を表示する「pidstat」コマンドです。 - 【 iostat 】コマンド――I/Oデバイスの使用状況を表示する (2017/7/20)
本連載は、Linuxのコマンドについて、基本書式からオプション、具体的な実行例までを紹介していきます。今回は、I/Oデバイスの使用状況を表示する「iostat」コマンドです。
|
|