Master of Network
第3回 読者調査結果発表
〜2001年度に導入が期待されるネットワーク製品は?〜
小柴豊
アットマーク・アイティ マーケティングサービス担当
2001/5/30
一部、コンピュータ需要の減退もささやかれるなかスタートした新年度、ネットワーク関連投資の中心となるものは何だろうか? 本稿では 2001年3月に実施した第3回
Master of Network フォーラム読者アンケートから、読者勤務先の投資動向などを紹介しよう。
■2001年度ネットワーク投資の要点:セキュリティと通信環境整備
最初に、2001年度のネットワーク投資に関して、読者の勤務先での重視項目を聞いたところ、「ネットワーク・セキュリティの向上」「社内LAN/WAN環境整備」「インターネット接続環境整備」がTop3となった(図1)。昨年、LoveLetter等のコンピュータウイルスに加え、官公庁/企業サイトへの侵入/不正改ざん事件が多発したためか、情報化投資におけるセキュリティのプライオリティが高まっているようだ。
図1 勤務先の2001年度ネットワーク投資の重視事項(複数回答可) |
続いて、ネットワーク投資の具体的な中身である、機器や回線の導入意向を見てみよう。まず、さまざまなネットワーク関連機器について、現在の導入状況と2001年度の導入予定を聞いた結果が図2である。現導入率と導入意向を比べると、「無線LAN」「ギガビットイーサネット関連機器」の導入意向の高さが目立っており、今年度企業LANの高速/無線化が進むと予想される。
図2 ネットワーク機器の導入状況/2001年度導入意向(複数回答可) |
次に、回線の導入状況/意向について、同様に見てみよう(図3)。特徴的なのは、現在導入率の高い「ISDN回線」について、今年度導入意向がほとんどない点。その替わりに「xDSL回線」の導入意向が大きく伸びており、ブロードバンド時代の始まりと共に、ISDNの需要は急激に減少していく見込みだ。
図3 ネットワーク回線の導入状況/2001年度導入意向(複数回答可) |
■ディレクトリサービス製品:Active Directoryへの期待と課題
ネットワーク機器やユーザーが増えれば、その管理が重要となってくる。そこで今回はネットワーク資源管理の基礎となる、ディレクトリサービスの導入状況/導入意向について聞いてみた(図4)。読者勤務先でのディレクトリサービス製品導入状況を見ると、現状ではまだ「導入していない」という回答が多いなか、2001年度はマイクロソフトの「Active Directory」導入意向が高まっている。NTドメインからActive Directoryへの移行は、企業ネットワークにおけるWindows 2000プラットフォームの成否を握るプロセスといえる。さまざまな支援ツールも提供され始めたなか、今年度のActive Directory導入状況に注目していきたい。
図4 ディレクトリサービス製品の導入状況/2001年度導入意向 |
最後に、ディレクトリサービス製品導入済み/導入意向の65人に聞いた、「製品選択時の重視点」を見てみよう(図5)。10個の選択肢から選ばれた最重視項目は、「大規模ネットワーク管理時のスケーラビリティやパフォーマンス」および「Windows/UNIX/Linuxなどマルチプラットホームへの対応」だった。前述した Active Directory普及のカギは、これらの課題を克服できるかどうかにかかっているようだ。
図5 ディレクトリサービス製品選択時の重視点(3つまでの複数回答) |
■調査概要
- 調査方法:Master of Network サイトからリンクした Webアンケート
- 調査期間:2001年3月5日〜4月2日
- 有効回答数:131件
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