[Interview]
NTから2000へ、マイグレーションの課題は?
2000/12/12
Windows 2000の登場から1年弱、Service Pack 1も登場し、そろそろ既存システムのWindows 2000へのリプレースを考え始めた企業も出てきたことだろう。だが、Windows
2000では新機能のActive Directoryが加わり、ドメインベースからディレクトリベースへの移行(マイグレーション)が迫られることになり、システム管理者にとって新たな課題が増えたともいえる。
NetIQは、この煩雑なマイグレーション作業を支援するツール群を提供する。今回は、米NetIQ社 バイスプレジデント/プロダクト管理 Oliver J.Thierry氏とシニアバイスプレジデント/ワールドセールス Glenn Winokur氏の2名に、マイグレーション市場の動向と今後の戦略について話を聞いた。
――NetIQの会社概要について教えてください
「NetIQは、Windows NT/2000のシステム管理ソリューションベンダーです。「Administration(管理)」「Operation(運用)」「Network Management(ネットワーク監視)」の3つの分野にフォーカスをあて、End-to-Endのサービスレベルを向上させるためのマネージメントツールを提供していきます。具体的には、ディレクトリ管理、マイグレーション、ファイル管理ツールをはじめ、AppManagerやOperationManagerという運用ツールを提供しています。10月にマイクロソフトがMicrosoft .NET Enterprise Serversのシステム管理ソリューション『Microsoft Operations Manager』を発表しましたが、我々の技術がライセンスされています」
――Windows 2000へのマイグレーション作業で注意すべき点はどこですか?
「Windows NT 3.5xからNT 4.0へのマイグレーションについて例えるなら、部屋の模様替えという感じでした。ところが、Windows 2000への移行となるとそうもいきません。そもそも基盤の部分が異なるからです。また、Active Directoryへの移行とも言い換えられるかもしれません。先ほどの例で例えるなら、模様替えではなく、もっと大規模に、家の引越しだといえるでしょう。マイグレーション作業自体も、1つのプロジェクトとして計画の立案から、段階的な移行が求められます。長期的なプロジェクトになるため、しばらくは既存の環境と新しい環境の2つを同時に運用していくことになるでしょう。Windows 2000への移行は、当初マイクロソフトが予想したよりも遅れています。というのは、このマイグレーション作業は単純にOSの移行というよりも、ビジネスレベルでのマイグレーションになるからです。メールやWebアクセスがなくてはならないインフラとなった現在では、いかにシステムを止めずにマイグレーションを成功させるかにかかっています。緻密な計画が重要になります」
NetIQのOliver J.Thierry氏(写真右)とGlenn Winokur氏 |
――米国でのマイグレーション市場の現況は?
「1年ほど前、ユーザーはまだWindows NTから2000への移行に関心を示している程度でした。それがいまでは、それらの関心を示していたユーザーの多くがマイグレーションの準備段階に入っている状態です。理由としては、Windows 2000の登場から時間が経ち理解が深まったことと、Exchange 2000などのActive Directoryを前提とするアプリケーションが登場したこと、企業側で移行に要する予算の準備ができたことが考えられます。また、導入計画から実行までに時間がかかったという理由もあります。これらの要因が重なり、いまマイグレーションはとてもホットなビジネスになっています」
――日本市場での今後の製品展開について教えてください
「先ほど話したように、米国ではいまマイグレーション市場が盛り上がっているところです。欧州がその6カ月後、日本はそのさらに6カ月後くらいでしょうか。来年には確実に市場が盛り上がるでしょう。12月4日に弊社が開催したマイグレーションセミナーは280名が参加する大規模なものになりました。これは世界でみても大きなもので、いかに日本国内でも注目されているかがわかります。日本のユーザーの方々は、品質やサポートへの要求が非常に高く、この点を重視して、マイグレーションプログラムを提供していく予定です」
(編集局 鈴木淳也)
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