連載 サハロフ秋葉原経済研究所(特別編) 第2回 サハロフ・レポート:2001年夏のPCパーツ価格総決算
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デスクトップPC向けに販売されている3.5インチ・ハードディスクは、いまやほとんどがIDEタイプです。それどころか、SCSIタイプの在庫を持たないショップも珍しくはありません。そのIDEタイプもスピンドル回転速度によって高速モデル(7200RPM)と標準モデル(5400RPM)に分かれ、前者が高性能PC向け、後者が低価格PC向けという位置付けになっています。
100Gbytesモデルが登場するも高値維持の7200RPMタイプ
まず7200RPMタイプですが、7月にSeagate Technologyから発売された「Barracuda ATA IV」シリーズは、1枚あたり40Gbytesの高密度記録プラッタを搭載し、流体軸受け採用による静音設計とも相まって人気を博しました。なかでも最大容量モデル「ST380021A(80Gbytes)」は、2万5000円前後と値が張るにもかかわらず、旧盆の間に大半のショップで品切れを起こしたほどです。
メーカー名/ シリーズ名 |
型番 | 容量 | 最安値 | 中心価格帯 |
IBM Deskstar 60GXP | IC35L060AVER07 | 60Gbytes | 1万7470円 | 1万8000円前後 |
IC35L040AVER07 | 40Gbytes | 1万2660円 | 1万3000円前後 | |
IC35L020AVER07 | 20Gbytes | 1万300円 | 1万1000円前後 | |
Maxtor DiamondMax Plus 60 |
5T060H6 | 61.4Gbytes | 1万7670円 | 1万8000円前後 |
5T040H4 | 40.9Gbytes | 1万2800円 | 1万3000円台 | |
5T030H3 | 30.7Gbytes | 1万700円 | 1万2000円前後 | |
5T020H2 | 20.4Gbytes | 9700円 | 1万円台 | |
Seagate Technology Barracuda ATA IV |
ST380021A | 80Gbytes | 2万3270円 | 2万5000円台 |
ST360021A | 60Gbytes | 1万9600円 | 2万円前後 | |
ST340016A | 40Gbytes | 1万4770円 | 1万5000円台 | |
ST320011A | 20Gbytes | 1万800円 | 1万1000円台 | |
Seagate Technology Barracuda ATA III |
ST340824A | 40.8Gbytes | 1万2470円 | 1万3000円前後 |
ST330620A | 30.6Gbytes | 1万900円 | 1万1000円台 | |
ST320414A | 20.4Gbytes | 9300円 | 9000円台 | |
Western Digital Caviar |
WD1000BB | 100Gbytes | 3万6380円 | 3万6000円台 |
WD800BB | 80Gbytes | 2万680円 | 2万1000円前後 | |
WD600BB | 60Gbytes | 1万8560円 | 1万9000円前後 | |
WD400BB | 40Gbytes | 1万2400円 | 1万2000円台 | |
WD300BB | 30Gbytes | 1万1300円 | 1万1000円台 | |
WD200BB | 20Gbytes | 9800円 | 1万円前後 | |
富士通 | MPG3409AH | 40.9Gbytes | 9870円 | 1万3000円前後 |
IDEハードディスク(高速モデル)の価格 | ||||
ここでは、スピンドル回転速度が7200RPMのIDEハードディスクを選んでいる。 |
PCによるテレビ録画やビデオ編集が広まってきた昨今、こうした高速・大容量ハードディスクはますますもてはやされる傾向にあります。それを受けて、8月にはWestern Digitalから7200RPMタイプ初の100Gbytesモデル「WD1000BB」が投入されましたが、こちらは発売直後ということもあり、まだ3万6000円台と高値です。
80Gbytesモデルの新製品が揃った5400RPMモデル
大容量化の動きでは5400RPMタイプの方が先行しており、「Maxtor 4W100H6」がIDEハードディスクで初めて100Gbytesラインに到達したのは今年5月でした。発売当初の価格は約4万円でしたが、現在では3万1000円台まで値下がりしています。このほか5400RPMの80Gbytesクラスには、Maxtor、Seagate Technology、Western Digitalの新製品が揃っており、1万8000円〜2万1000円台で入手可能です。
メーカー名/ シリーズ名 |
型番 | 容量 | 最安値 | 中心価格帯 |
IBM Deskstar 40GV | DTLA-305040 | 40Gbytes | 1万600円 | 1万1000円前後 |
DTLA-305020 | 20Gbytes | 8880円 | 9000円台 | |
Maxtor D540X | 4K080H4 | 80Gbytes | 1万9470円 | 2万円前後 |
4K060H3 | 60Gbytes | 1万4370円 | 1万5000円台 | |
4K040H2 | 40Gbytes | 1万970円 | 1万1000円台 | |
4K020H1 | 20Gbytes | 8499円 | 8000円台 | |
Maxtor 536DX | 4W100H6 | 100Gbytes | 3万1500円 | 3万1000円台 |
4W080H6 | 80Gbytes | 1万9770円 | 2万1000円台 | |
4W060H4 | 60Gbytes | 1万5300円 | 1万5000円台 | |
4W040H3 | 40Gbytes | 1万1300円 | 1万1000円台 | |
Maxtor DiamondMax 80 | 96147H6 | 61.4Gbytes | 1万4570円 | 1万5000円台 |
Maxtor 541DX | 2B020H1 | 20Gbytes | 8570円 | 8000円台 |
Seagate Technology U Series 6 |
ST380020A | 80Gbytes | 2万970円 | 2万1000円台 |
ST360020A | 60Gbytes | 1万5000円 | 1万6000円前後 | |
ST340810A | 40Gbytes | 1万1400円 | 1万2000円前後 | |
ST330610A | 30Gbytes | 9800円 | 1万円台 | |
ST320410A | 20Gbytes | 8580円 | 9000円前後 | |
Seagate Technology U Series 5 |
ST340823A | 40.8Gbytes | 9790円 | 1万円台 |
ST310211A | 10.2Gbytes | 7480円 | 7000円台 | |
Western Digital Caviar |
WD800AB | 80Gbytes | 1万7800円 | 1万8000円台 |
WD600AB | 60Gbytes | 1万2970円 | 1万5000円前後 | |
WD400AB | 40Gbytes | 1万650円 | 1万1000円前後 | |
WD300AB | 30Gbytes | 9260円 | 9000円前後 | |
富士通 | MPG3049AT | 40.9Gbytes | 9680円 | 1万円前後 |
MPG3204AT | 20.4Gbytes | 8180円 | 8000円台 | |
MPG3102AT | 10.2Gbytes | 7980円 | 8000円前後 | |
IDEハードディスク(標準モデル)の価格 | ||||
スピンドル回転速度が5400RPMのIDEハードディスクを選んでいる。 |
シリーズ別、容量別で何十機種にも分かれるIDEハードディスクですが、コストを重視して選ぶ場合、価格を容量で割った「1Gbytes当たりの単価」が指標になるでしょう。グラフは主なIDEハードディスクの価格と、1Gbytes当たりの単価をまとめたもので、40G〜80Gbytesクラスでは1Gbytes単価にそれほど違いがなく、20G〜30Gbytesや100Gbytesのモデルでは割高になることが分かります。BIOSの制限で小容量ハードディスクを選ぶしかないという向きは、Promise TechnologiesのUltra100など、4000円台で販売されているIDEインターフェイス・カードの搭載を検討する価値があるでしょう。
ハードディスクの容量と平均価格の関係(拡大グラフ:22Kbytes) |
このグラフは、横軸をIDEハードディスクの容量、縦軸を平均価格として、容量と平均価格の関係を図式化したものだ。容量と価格が比例しておらず、容量によって割安だったり逆に割高だったりすることが分かる。 |
ハードディスクの1Gbytes当たりの単価と容量の関係(拡大グラフ:25Kbytes) |
このグラフは、横軸をIDEハードディスクの容量、縦軸を1Gbytes当たりの容量単価として、容量と単価の関係を図式化したものだ。容量ごとに単価がばらついていることが分かる。 |
ハイエンド指向のSCSIハードディスク
前述のように、SCSIハードディスクは取り扱い店が少なくなってきていますが、それでも下表のようにIBMやSeagate Technologyの製品を中心に販売が継続されています。需要の中心はサーバ/ワークステーション用なので、スピンドル回転速度が10000RPM以上といった高性能モデルの製品が目立ちます。
メーカー名/ シリーズ名 |
型番 | 容量 | スピンドル 回転速度 |
最安値 | 中心価格帯 |
IBM Ultrastar 36LZX |
DDYS-T36950 | 36.7Gbytes | 10000RPM | 4万4000円 | 4万4000円台 |
DDYS-T18350 | 18.3Gbytes | 10000RPM | 2万1580円 | 2万2000円前後 | |
DDYS-T09170 | 9.1Gbytes | 10000RPM | 1万7900円 | 1万8000円台 | |
IBM Ultrastar 36LP |
DPSS-336950 | 36.9Gbytes | 7200RPM | 2万6800円 | 2万7000円台 |
DPSS-318350 | 18.3Gbytes | 7200RPM | 1万5600円 | 1万6000円台 | |
DPSS-309170 | 9.1Gbytes | 7200RPM | 1万2799円 | 1万3000円前後 | |
Seagate Technology Cheetah 73LP |
ST373405LW | 73.4Gbytes | 10000RPM | 9万2800円 | 9万円台 |
Seagate Technology Cheetah 36XL |
ST336705LW | 36.7Gbytes | 10000RPM | 4万8800円 | 5万円台 |
ST318405LW | 18.4Gbytes | 10000RPM | 2万7299円 | 2万円台後半 | |
ST39205LW | 9.2Gbytes | 10000RPM | 2万1380円 | 2万2000円前後 | |
Seagate Technology Barracuda 180 |
ST1181677LW | 181.6Gbytes | 7200RPM | 19万8000円 | 20万円前後 |
SCSIハードディスクの価格 | |||||
インターフェイスはUltra160 SCSI(データ幅16bit)が多い。現在のSCSIハードディスクは、基本的にサーバ/ワークステーション向けの製品なので、スピンドル回転速度も7200RPM〜10000RPM以上と、IDEハードディスクより明らかに性能重視である。 |
INDEX | ||
[連載]サハロフ秋葉原経済研究所(特別編) | ||
第2回 サハロフ・レポート:2001年夏のPCパーツ価格総決算 | ||
1.嵐の前のプロセッサ価格 | ||
2.価格下落が止まらないメモリ・モジュール | ||
3.大容量化著しいハードディスクは40Gbytesがお得? | ||
4.新製品が続々登場中のマザーボード | ||
5.定番が決まりつつあるドライブ類やグラフィックス・カード | ||
「連載:サハロフ秋葉原経済研究所」 |
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