連載 サハロフ秋葉原経済研究所(特別編) 第2回 サハロフ・レポート:2001年夏のPCパーツ価格総決算
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PC向けとして広く販売されているメモリ(メモリ・モジュール)には、SDR SDRAMを使ったDIMM(PC133/PC100)、DDR SDRAMを使ったDIMM(PC2100)、それにDirect RDRAMを使ったRIMM(PC800)の3種類があります。
メモリ種別 | 規格・仕様 | 容量 | 最安値 | 中心価格帯 |
SDRAM | PC133 CL3 | 512Mbytes | 5480円 | 6000円前後 |
256Mbytes | 2779円 | 3000円前後 | ||
128Mbytes | 1449円 | 1600円前後 | ||
SDRAM | PC133 DIMM CL2 | 256Mbytes | 3380円 | 3500円前後 |
128Mbytes | 1890円 | 2000円前後 | ||
SDRAM | PC100 DIMM CL2 | 256Mbytes | 2779円 | 3000円前後 |
128Mbytes | 1449円 | 1600円台 | ||
DDR SDRAM | PC2100 DIMM CL2.5 | 512Mbytes | 1万2980円 | 1万6000円台 |
256Mbytes | 4400円 | 4700円前後 | ||
128Mbytes | 1940円 | 2400円前後 | ||
Direct RDRAM | PC800 RIMM | 256Mbytes | 1万1200円 | 1万1000円台 |
128Mbytes | 5180円 | 5800円前後 | ||
メモリ・モジュールの価格 | ||||
ここではデスクトップPC向けのメモリ・モジュールを選んでみた。SDRAM/DDR SDRAMはECCのないUnbuffered DIMM、またDirect RDRAMはECCなしのRIMMをそれぞれ選んでいる。 |
このうち最も身近なのがPC133/PC100で、PC133 CL3の256Mbytesなら3000円前後、512Mbytesという大容量のメモリでも6000円前後と安価です。もはや「来るところまで来た」との感が強いのですが、店頭価格はまだジリジリと下がり続けています。すでにメモリ・ベンダは赤字でチップを出荷している状態にもかかわらず、それでもまだ値下がりするというのは何とも不思議なものです。
DDR SDRAM DIMMとRIMMが大幅下落
PC2100は単に「DDRメモリ」と呼ぶ方が通りやすく、ショップの値札もそのようになっているのを見かけます。256Mbytesが4700円前後と手頃ですが、ここ1〜2週間で512Mbytesの在庫を持つショップが急増、価格も極端に下がって、8月18日には1万3000円を割るまでになりました。なお、PC2100にはCL2とCL2.5の2タイプがあり、CL2の方がより高性能ですが、価格差はわずかです。
PC800 RIMMはPentium 4のところでも述べたように、128Mbytesが5800円前後、256Mbytesが1万1000円台となっています。かつての高値が嘘のようですが、その需要を支えるはずのPentium 4は、Intel 845チップセットの投入でPC133 DIMM対応へ向かっており、今後のRIMMの動向が気掛かりです。一方で、メモリ・ベンダはDirect RDRAMを増産しているという情報もあります。9月以降の価格動向に注目です。
SDRAM (PC133-CL3) |
DDR SDRAM (PC2100-CL2/2.5) |
Direct RDRAM (PC800 RIMM) |
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512M bytes |
256M bytes |
512M bytes |
256M bytes |
256M bytes |
128M bytes |
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最低価格(8月18日) | 5477円 | 2779円 | 1万2980円 | 4400円 | 1万1200円 | 5180円 |
最低価格の変動 | ▼1103円 | ▼501円 | ▼1万4820円 | ▼1050円 | ▼4260円 | ▼1800円 |
最低価格の変動率 | ▼16.8% | ▼15.3% | ▼53.3% | ▼19.3% | ▼27.6% | ▼25.8% |
平均価格(8月18日) | 6220円 | 3162円 | 1万9703円 | 4769円 | 1万2513円 | 6080円 |
平均価格の変動 | ▼1109円 | ▼356円 | ▼1万8079円 | ▼1308円 | ▼5091円 | ▼1951円 |
平均価格の変動率 | ▼15.1% | ▼10.1% | ▼47.9% | ▼21.5% | ▼28.9% | ▼24.3% |
主なメモリ・モジュールの価格変動(7月28日〜8月18日調べ) | ||||||
価格変動は最近4週間、つまり約1カ月にわたって調査した結果である。特に512Mbytes DDR SDRAM DIMMの値下がりが著しいことが分かる。 |
INDEX | ||
[連載]サハロフ秋葉原経済研究所(特別編) | ||
第2回 サハロフ・レポート:2001年夏のPCパーツ価格総決算 | ||
1.嵐の前のプロセッサ価格 | ||
2.価格下落が止まらないメモリ・モジュール | ||
3.大容量化著しいハードディスクは40Gbytesがお得? | ||
4.新製品が続々登場中のマザーボード | ||
5.定番が決まりつつあるドライブ類やグラフィックス・カード | ||
「連載:サハロフ秋葉原経済研究所」 |
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