第8回 パラメータを組み合わせるアクセス制御術
西村 泰洋
富士通株式会社
マーケティング本部
フィールドイノベーション
プロジェクト員
2008年8月26日
サンプルプログラムのソースを読む
それでは、このプログラムのソースを見てみましょう。基本的には、「タグ検知」「タグ読込み」「タグ書込み」「終了」ボタンのClickプロシージャとして定義されています。
・ISO 18000-6 TypeBかISO 18000-6 TypeCか
富士通のリーダ/ライタはISO 18000-6 TypeBタグにもISO 18000-6 TypeCタグにもアクセス可能となっています。しかしながら、現在、一般的に入手可能なISO 18000-6 TypeCタグは書き込みができません。そこで、ソース最初の部分で「タグ種別」にISO 18000-6 TypeCがチェックされていたら、読み込みと書み込みの機能を対象外とするようにしています。続いて、タグのフォーマット適用もIfステートメントで分岐させています。
Private Sub button_Click(ByVal sender As System.Object, ByVal e As System.EventArgs) Handles btnReadTagID.Click, btnReadTag.Click, btnWriteTag.Click
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・同期か非同期か
同期か非同期かの判断は、画面の「非同期処理を行う」にチェックをすることで、EBMain.AsyncFlagにTrueかFalseを設定します。
'同期/非同期 種別設定 |
今回のサンプルプログラムでは「同期」で実行しているので、EBMainのサブルーチンAsyncFlagにFalseが設定されて、EdgeBase関数のEBSR_ReadTagIDが実行されます。参考として対象部分のソースを見てみましょう。resultCodeはこの後も頻出するので注意してください。
If blAsyncFlag = False Then |
・タグアクセス関数定義
タイムアウト指定、タグ枚数指定、そしてメインであるタグアクセス関数が設定されます。ここでは「タグ検知」を実行するので、EBMainのサブルーチンFunctionTypeに EdgeBaseConstant.FNCTYPE.ReadTagIDが設定されます。「読込み」の場合はReadTag、「書込み」はWriteTagが選択されますが、いずれもEdgeBaseで提供されている関数です。
'動作条件取得(タイムアウト指定) |
・結果表示
最後に「タグ検知」コマンドボタンをクリックした結果表示のソースです。リストビュー形式で結果の表示をします。
If blAsyncFlag = False Then |
このように富士通製リーダ/ライタでは、EdgeBaseというミドルウェアが提供している豊富な関数群を利用することで、さまざまなパターンのモードとアクセスメソッドを定義できます。シンプルなコードで限定された処理を選ぶか、多少複雑なコードとなるものの多様な処理を実行できるものが良いか、開発者の好みが分かれるところでしょう。
Public Sub DisplayResult(ByVal resultCode As Integer) |
多くのエンジニアに興味を持って欲しい
本連載では、RFIDシステム開発の際のプログラミングの実装において、各メーカーによってクセがあるということを解説してきました。
しかし、各社のモードやアクセスメソッドなど、勘所を押さえた上で、提供されている開発環境やツールへの理解を進めていけば、開発は決して難しいものではないということが理解いただけたかと思います。
これまで「RFIDシステム導入バイブル」「RFIDプロフェッショナル養成バイブル」、そして「RFIDシステムプログラミングバイブル」というタイトルで、RFIDシステムの導入から開発までを連載をしてまいりました。最初の連載開始から2年以上が経過していますが、その間にさまざまなビジネスシーンでRFIDシステムが利用されるようになりました。
RFIDシステムに関して多くのエンジニアに興味を持っていただくこと、そしてできればRFIDシステムの普及にともに携わっていただくことを目標にしてシリーズ連載を進めてきましたが、その目標は達しつつあります。
長きにわたり、ご愛読ありがとうございました。また本連載を支えていただいた@IT編集部にも御礼申し上げます。
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Index | |
パラメータを組み合わせるアクセス制御術 | |
Page1 富士通製RFIDシステムの特徴 サンプルプログラムのユーザーインターフェイス |
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Page2 サンプルプログラムのソースを読む 多くのエンジニアに興味を持って欲しい |
Profile |
西村 泰洋(にしむら やすひろ) 富士通株式会社 マーケティング本部 フィールドイノベーション プロジェクト員 物流システムコンサルタント、新ビジネス企画、マーケティングを経て2004年度よりRFIDビジネスに従事。 RFIDシステム導入のコンサルティングサービスを立ち上げ、自動車製造業、流通業、電力会社など数々のプロジェクトを担当する。 著書に「RFID+ICタグシステム導入構築標準講座(翔泳社)」がある。 |
RFIDシステムプログラミングバイブル 連載インデックス |
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