第4回 スパムメールをシャットアウトするフィルタ機能を使う
竹島 友理NRIラーニングネットワーク株式会社
2006/1/24
4つのフィルタ機能と適用順序
これら4つのフィルタ機能をまとめると、図3のようになります。Exchange Server 2003 がインターネットからメッセージを受け取ると、最初に標準フィルタを処理します。次に3つの標準フィルタを通過してきたメッセージに対してIMFを処理します。
図3 4つのフィルタの機能と適用順序 |
フィルタ以外のスパムメール対策
Exchange Server 2003は、上記フィルタ以外に「第三者中継制限」機能を持っています。この機能により、Exchangeサーバがインターネットの第三者から不正に使用されることや、スパムメールの踏み台になることを防げます。
画面8は、SMTP仮想サーバのプロパティの[アクセス]タブです。デフォルトでは制限をかけた状態になっています。中継制限もSMTPセッション時に処理されます。
画面8 [中継の制限]の設定画面 |
◆ ◇ ◆
今回は、Exchange Server 2003側のスパムメール対策機能を紹介しましたが、クライアントであるOutlook 2003またはOWA 2003からも迷惑メールフィルタを設定できます。 Outlook 2003より前のOutlookを使用している場合でも、OWA 2003が使用できれば設定可能です。
スパムメールの受信を少しでも防ぐように、ぜひこれらの機能を組み合わせて設定してみてください。セキュリティ対策は何でもそうですが、1カ所ですべて解決しようとはせず、ゲートウェイサーバ、ストアサーバ、クライアントなど、何カ所にも対策を施してください。
次回は、Exchange Server 2003 SP2で提供されたSender IDの機能を紹介いたします。
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Index | |
スパムメールをシャットアウトするフィルタ機能を使う | |
Page1 フィルタ機能とは? スパムメールが大量に届くとどうなる? |
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Page2 インテリジェントメッセージフィルタとは IMFはどうやって使用するの? |
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Page3 しきい値の判断の仕方 ゲートウェイのしきい値を超えたメッセージ処理 メールボックスストアのしきい値を超えたメッセージ処理 |
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Page4 Exchange Server 2003標準のスパムメール対策機能 |
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Page5 4つのフィルタ機能と適用順序 フィルタ以外のスパムメール対策 |
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基礎から学ぶExchange Server 2003運用管理 |
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