
いまどきのサーババックアップ戦略入門(2)
サーババックアップに関するいまどきの選択肢
株式会社シマンテック
後藤 博之
2007/9/28
バックアップシステム構成の選択肢
バックアップシステム構成の選択肢として、ここでは「Disk-to-Disk」、「Disk-to-Tape」の2つのバックアップ構成に重点を置いて説明する。
バックアップシステム構成を決定する際も、各システムのRPOおよびRTOが満たされる構成かどうかで決定することが重要なポイントである。
■Disk-to-Tape(D-to-T)
D-to-Tとは、バックアップ元のディスクドライブから、テープへデータをバックアップする手法である。統合的なバックアップ環境においては、バックアップ元のサーバに接続されているディスクドライブから、バックアップサーバに接続されているテープドライブへデータを保管する。
つまり、従来型のバックアップ構成である。コスト効率が高く、管理者も運用に慣れていることから広く使われている。しかし、テープへの書き込みや読み出しに時間がかかる、リストア時にテープが読み込めない、などの問題も指摘されている。
■Disk-to-Disk(D-to-D)
D-to-Dとは、バックアップ元のディスクドライブから、別のディスクドライブへデータをバックアップする手法である。統合的なバックアップ環境においては、バックアップ元のサーバに接続されているディスクドライブから、バックアップサーバに接続されているバックアップ媒体(ここではディスクドライブ)へデータを保管する。
この構成は、書き込みや読み出しの速度、および信頼性の点でテープよりも優れているが、コストの高さがネックとなってきた。しかし最近では、ディスクドライブの価格が低下してきたほか、次回に紹介する重複データ排除などのディスク利用効率向上技術によって、現実的なバックアップ構成として認識されつつある。
なお、D-to-DにはVTL(仮想テープライブラリ)という選択肢もある。物理的なバックアップ媒体はディスクドライブだが、バックアップ作業の観点からはテープに見えるというもので、この場合、従来のバックアップソフトウェアを同じ手順で利用することができ、管理者の負担が軽い 。
さらにビジネスインパクトが高いシステムについては、「Disk-to-Disk-to-Tape」(D-to-Dの後テープにバックアップする手法)、「Disk-to-Disk-to-Disk」(D-to-Dの後ディスクドライブにバックアップする手法)といった構成を、災害対策用としても考慮する必要が出てくる。
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図3 重要度に応じてバックアップのシステム構成を変える |
本連載の今後の記事予定
今回は、バックアップ手法の詳細について紹介した。次回以降は、以下の内容で5回の連載を進めていく予定である。
第3回:バックアップ新潮流
第4回:災害対策と遠隔拠点対応
第5回:応用編
第3回では「バックアップ新潮流」として、無停止バックアップの手法や連続データ保護、重複データ排除などのバックアップ新技術について触れていく。
第4回では「災害対策と遠隔拠点対応」として、広域災害からの復旧のためのバックアップや、遠隔拠点のリモートバックアップについて触れていく。
第5回では「応用編」として、アプリケーションや特定システムに依存する話題、システムバックアップについての話題に触れていく予定である。
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Index | |
サーババックアップに関するいまどきの選択肢 | |
Page1 バックアップ手法の選択肢 |
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Page2 バックアップポリシーの選択肢 |
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Page3 バックアップシステム構成の選択肢 本連載の今後の記事予定 |
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