Google Wave API開発ガイド(後編)

JavaとPythonでGoogle WaveのRobotを作るには


株式会社鳥人間
郷田まり子
2009/10/22
ついにプレビュー公開が始まった、リアルタイム&(ポーリングによる)擬似プッシュ型のコミュニケーションとコラボレーションのプラットフォーム「Google Wave」の特集です。その概要と「Gadget」「Embed」「Robot」という3つの拡張APIを使ったWaveの作り方を徹底解説します

Google WaveのRobotをGoogle App Engineに作る

 前編の「プレビュー公開が始まったGoogle Wave「超」入門」では、Google Waveの概要や、クライアントサイドのGadgetとEmbedについて解説しました。後編の今回は、クラウドサイドのRobotについて解説します。

 前編でも説明しましたが、Robotは一般参加者と同列の参加者として、Wave上で発言をしたり、画像を張ったりと、自動でコミュニケーションするソフトウェアです。利用するのは簡単で、友達をWaveに参加させるのと同様に、RobotのIDを入力して参加させることで、Robotを使用できます。

 Robotは、「Google App Engine」(以下、App Engine)のクラウド上で動かします。つまりRobotは、Google App Engineの1つのアプリケーションとして作成する必要があります。

 今回は、現在App Engineでサポートしている2つの言語、JavaPythonそれぞれによる開発手法を解説します。

Google App Engineの基本的な使い方


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 App Engineが初めての方は、まず、アカウントの取得が必要です。アカウント作成ページで必要事項を記入し、申し込みをします(日本からの申し込みの場合、確認メールを携帯電話キャリアのメールアドレスで受信し、登録を完了する必要があります。普段スパム・フィルタなどを設定している場合は、google.comドメインからのメールを受信できるようにしておいてください)。

 まずは、App EngineのWebインターフェイスから、新しいアプリケーションの登録を行います。Google アカウントでログインし、App Engine管理ページを開きます。ここの「My Applications」というテーブルに、現在デプロイされているアプリケーション名とバージョン番号が並びます。

App Engine管理ページ

 ここで、「Create an Application」ボタンをクリックし、新規アプリケーションを追加します。

新規App Engineアプリケーションを追加

 アプリケーションの作成画面では、アプリケーションの「ID」「タイトル」の入力を求められます。IDは、App Engine全体でユニークである必要があるので、ほかの人がすでに取得したアプリケーションIDは使えません。「Check Availability」ボタンを押すと、取得可能かどうかを調べることができます。

 アプリケーションが生成されると、アプリケーション一覧に加わります。ダッシュボード上で、アプリケーションの管理ができます。

App Engineのダッシュボード

 次ページからは実装編に入りますが、JavaとPythonでかなり違ったものになります。しかし、どちらで開発してもできることに大きな違いはないので、お好きな言語を選んでください。

 最後に、作成したRobotをWaveに参加させる方法とApp Engineでのデバッグについて説明します。

1-2-3-4

 INDEX
Google Wave API開発ガイド(後編)
JavaとPythonでGoogle WaveのRobotを作るには
Page1
Google WaveのRobotをGoogle App Engineに作る
Google App Engineの基本的な使い方
  Page2
【Java編】App Engineでの開発準備
【Java編】Robot開発の準備
【Java編】コード部分の実装
【Java編】設定ファイルを書く
【Java編】クラウドにデプロイ
  Page3
【Python編】App Engineの利用準備
【Python編】設定ファイルを書く
【Python編】コード部分の実装
注意 「使用していなかったイベントに対するハンドラを登録したくなった場合」
【Python編】クラウドにデプロイ
  Page4
作成したRobotをWaveに参加させるには
App Engineでのデバッグ
終わりに


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