できるWindows 2000 Server


清水理史/一ケ谷兼乃&インプレス書籍編集部
258ページ
発行日:2000年7月28日
定価:1800円
ISBN4-8443-1399-1
インプレス 発行


 「できる」シリーズでパソコン入門者向け書籍市場を席巻したインプレスは、昨年春より、この「できる」シリーズで培った手法とノウハウを、プロフェッショナル指向のユーザーに対応させた新シリーズ、「できるPRO」のラインアップを拡張しつつある。本書は、Windows 2000 Serverの管理者を対象とするシリーズ最新刊である。全ページ2色刷りであること(「できる」シリーズはフルカラー)を除けば、最終目標(本書の場合には、Windows 2000 Serverの管理)に向かったHow Toのポイントを洗い出し、それらに関して画面キャプチャや図版類などを駆使しながら、基本的に見開き完結でテンポよく解説を進めている。

 本書の目標は、Windows 2000 ServerをPCにインストールして立ち上げ、これを中核とするLAN環境を構築して、複数のクライアントPC間でプリンタを共有し、ファイルを共有できるようにすることだ。すでにWindows 2000ネットワークを管理しているITプロフェッショナルならあたりまえのことだろうが、初めてネットワーク環境を構築しようという管理者にとっては、これを達成するだけでも大変な勉強と試行錯誤が必要である。さすがは実績あるシリーズだけあって、インストールから初期設定、運用(バックアップやユーザー登録など)、基本的なハードウェア・メンテナンスに至るまで、初心者管理者がつまずきそうなポイント、疑問に思うポイントがうまく網羅されていると感心する。

 独立したIT部門が存在し、専門のITプロフェッショナルがユーザーの面倒を見てくれるような恵まれた環境は大企業にしかないと聞く。中小企業やSOHOなどでは、別段専門家でも何でもない人が、多少PCをかじったことがあるという程度でネットワーク管理者をまかされたりしているようだ。もちろん本書は、複雑さを極めるネットワーク管理の諸作業、諸知識のうち、最も基本的なネットワーク・サービスを提供するために必要な、最低限のポイントに絞って解説をしているので、管理者としての知識をこの本だけですべて得ることはできない。しかしその代わり、ネットワーク管理者を任命されて右も左も分からないという初心者にとっては、管理者としての第一歩を踏み出すために必要な最低限の知識を分かりやすく提供してくれるだろう。読者が大企業のITプロフェッショナルなら、新人教育用のテキストとして検討してもよい。

 

「Book Review」

各書評にあるボタンをクリックすると、オンライン書店で、その書籍を注文することができます。詳しくはクリックして表示されるページをご覧ください。


Windows Server Insider フォーラム 新着記事
@ITメールマガジン 新着情報やスタッフのコラムがメールで届きます(無料)

注目のテーマ

Windows Server Insider 記事ランキング

本日 月間