Windows 2000をコンポーネントの集合体として捉え、これらのコンポーネントを利用することによって得られるさまざまなシステム情報やサービスを、スクリプト言語によって参照したり、呼び出したりするための具体的な方法を解説したユニークな書。
コントロール・パネルのアプレットや、管理ツールなどを利用すれば、Windowsのシステム情報をダイアログに表示させて確認したり、Windows
2000が提供している機能を活用したりできるのは周知のとおりである。しかし、与えられた機能を使うだけというエンド・ユーザーから一歩進み、さらに踏み込んでシステムを活用しようとするプログラマや管理者(あるいはそれらを目指すユーザー)に対して、Windowsは、自身が提供する機能をプログラム可能な形式で提供してくれている。実際、Windows環境の標準シェルであるエクスプローラや、WebブラウザであるInternet
Explorer(IE)を始め、Windows 2000は自身の多くの機能をコンポーネントとして設計しており、必要ならば外部からこれらのコンポーネントを呼び出すことができるようなインターフェイスを備えている。これらを使えば、普段は目にすることのないWindowsシステムの奥深くにある情報(たとえばWindows
2000のバージョン情報、メモリ情報、プロセス情報など)を参照したり、適当なスクリプト言語からこれらのインターフェイスを利用することで、一連の手続きを自動化したりできるようになる。
本書は、豊富なサンプル・プログラムを紹介しながら、こうした「ソフトウェア・コンポーネントの集合体であるWindows
2000」をスクリプト言語から徹底的に活用し、このことを通して、それまでとは違った視点からWindows 2000を理解すること目的として執筆された。具体的には、Windows
2000のシェル機能、IEに加え、Active Directoryや、エンタープライズ分野におけるWindowsの管理機構であるWMI(Windows
Management Instrumentation)などをスクリプトからアクセスするための具体的な方法について解説している。
本書では、スクリプト言語としてVisual Basic Script(以下VBS)を使用しているが、これは開発環境を別途用意する必要がなく(Windows
2000さえあれば、開発と実行が可能)、手軽という理由からである。前述のように、VBSプログラミングの解説を主眼としているわけではないので、本書から得られる情報は、JScriptで応用することも、先ごろ開発者向けに開発環境が公開されたC#で応用することもできる。本書で紹介されているサンプル・プログラムは、付録CD-ROMに収録されている。
Windowsプログラマはもちろん、ネットワーク管理者など、プログラマブル・コンポーンネントとしてのWindows
2000を理解し、これを活用しようとする人にはうってつけの書である。
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