Windows 2000 Insider 編集後記 2001年3月

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制限がない、という問題 

 技術の進歩は、これまでは歴史的、経済的な理由から避けられなかった制限や制約を取り除いてくれる。例えばインターネットはその最たるものの1つだろう。

 記事企画を検討するとき、従来の紙出版では、まず第一歩として「ページ構成」を考える必要があった。その記事には何ページの価値があるのか、カラー・ページの必要はあるか、モノクロでもよいか、写真や図版はどれくらいの数を、どう配置しようか…などである。「情報とそれを運ぶメディアは本来異なるレベルのものである」という議論がある。「人間と情報」というような高尚な議論の場では、これは正しいかもしれない。しかし今述べたとおり、情報の作り手/送り手が踏むステップの第一歩には、どっしりとメディアの特質が腰を据えているわけだ。新聞社や出版社、テレビ局などのメディアは、虎視眈々と他のメディアへの進出を狙いながら、たいして代わり映えもなく、今なお棲み分けが続いている背景には、こうしたコンテンツに対するメディアの物理的な特質の影響が大きいからだと思える。

 例えば私が記事を書くときには、「どれだけ深く説明するか」、逆に言えば「説明をどの程度で切り上げるか」ということを常に念頭に置く。PCやインターネットなど、どれをとっても複雑なシステムになってしまった現在、深追いしすぎると分厚い仕様書のようになってしまうし、かといって浅すぎると表層的になってしまい、せっかく記事を読んでいただいても理解を深められないということになる。仮に簡単にまとめるにしても、書き手である自分はある程度理解を深めておく必要がある。理解したからには、簡単ではなくしっかりと書きたい。編集歴もかれこれ15年近くなるが、未だに迷う毎日である。

 このようなとき紙出版では、与えられたページ数が迷った気持ちに見切りをつけさせてくれる。記事のページ数が決まれば、文字数や挿入可能な図版類の点数は自ずと決まってしまう。部屋の大きさが決まれば、どうがんばっても配置できる家具の数が決まってしまうのと同じだ。後ろ髪を引かれつつも、「このページ数ではここまで」という見切りをつけられる。

 一方、私たちが取り組んでいるWebではどうか? 言うまでもなく、Webにはページ数制限などないので、その気になればいくらでも書けるし、分量が増えても制作コストはそれほど変わらない。必要なら、ほとんどコストゼロで、部屋を拡張できるというわけだ。すばらしい! 制約がないのはいいことだ。これぞIT革命、いけいけどんどん、と言いたいところだが、前述のような理由から、必ずしもいいことばかりではないのだ。実情はどうか? 案の定、私を始めデジタルアドバンテージのスタッフたちは、紙時代から比べると、記事の深さをどこで見切るかでたいへん苦しむようになった。読者は素早くタイムリーな情報提供を望んでいる、しかしページ制限もないことだし時間をかけてしっかりと説明したい、もう少し時間があればさらに踏み込んだ記事にできる……。

 自由を手に入れるということは、本当にたいへんなことだと改めて思う。End of Article

(Windows 2000 Insiderガイド 小川誉久

 

 編集後記

■脱サラや何やでうっちゃっていた健康診断を数年ぶりに受診。生まれて初めてバリウムを飲む。脱煙とダンベル・ダイエットの効果があってか、以前は「このままだと死にますよ」と脅かされたコレステロールも尿酸値もクリアー。と思って喜んだら、今度は「少々貧血気味」とのこと。健康維持はカーリングみたいなもんだなぁと思う。小川

■PCにTVキャプチャカードを付けてから、いろんな番組を着々とVideo CD化してきたが、すでにその数は100枚以上になった。お気に入りは、NHKのProject Xとか人間講座シリーズかな。こんなに作っていったいいつ見るんだという気もするが、それよりもCD-Rの寿命のほうが心配だ。見たい頃には読めなくなっているかも……。
 もっとも、メディアの信頼性よりも深刻なのは、でき上がったVideo CDの互換性(というか再生の可能性)だ。ライタソフトウェア数種類×ドライブ数機種×書き込み方法2種類(DAOとTAO、場合によってはセッション・アット・ワンスも)などのさまざまな組み合わせのうち、SEGA SaturnのVideo CDプレーヤ・パックで再生できるものは(←これで再生できれば、世の中のほとんどのVideo CDプレーヤーは大丈夫という、リファレンス的?な環境)、ほんの1、2通りしかない。それとて市販の量産プレス方式のVideo CDと比べると、サーチがうまくできなかったりするのがナゾだ。CD-RはCDと(ほぼ)同じなんてのはウソだな。誰か、原因調べて。って、これはPC Insider編集部の仕事だね(よろしく頼みますよ)。
 さて、それでは今日もProject Xの襟裳岬の回でも見て感動するかな。日高昆布のおにぎりでも食べながら……。 (打越
  ■現在我が家では家電製品を一新すべく、カタログやWebで詳細な検討を行っている最中だ。ここ数年、家電製品など買ったことはなかったが、カタログなどを見ていると一昔前にはなかった機能がたくさん開発されている。まず冷蔵庫だが、すっかり自動製氷器付きが標準仕様になっている。水の通る経路まで洗える製品はけっこう少ないが、その中でも富士通ゼネラルのものがよさそうに見える。掃除機は紙パックいらずで吸引力が落ちないサイクロンという方式が出ている。東芝の製品はサイクロン&コードレスでよさそうだ。オーブンレンジはSANYOが何とターン・テーブルのない製品を出していた。食器洗い乾燥機は、本当にきれいになるのかまだ半信半疑だが、TOTOのものが省スペースでよさげだ。さすがに家電製品をレビューしているサイトはないが、ユーザの生の声が聞こえる家電製品@2ch掲示板はこんなときけっこう役に立つ(ような気がする)。(遠藤

■3月に大学卒業を記念して、高校時代の友人たちと城之崎温泉に行ってきました。メンバーは、大学を卒業してもそのまま大学院に行く人や、なぜかまだ卒業できない人(^^;、そもそも学年が違ってもう卒業して就職してる人、まだの人などさまざまで、ほんとに卒業旅行?って感じでしたが。1泊2日の短い日程で、ロープウェイも乗り、外湯めぐりもし、水族館にも行き、思いっきり楽しんできました。また行きたいけど、みんなが就職すると忙しくてなかなかこういうイベントも組めないんだろうなぁ。(井口

■最近暖かくなってきたので、いつも利用している駅より2駅先まで歩くことにしている。大きな公園と住宅地を抜けてくるのだが、
桜・白木蓮・沈丁花・アカシア・山吹などあちこちで花が咲き乱れており、春を感じさせる花ばかりである。だが、これらの花々も何日か過ぎると散ってしまい、また1年待たなければ見られなくなってしまう。もし特別な時期だけでなく、1年中桜が見れれば、お花見はなくなっちゃうのかなぁ。(銭高)
 

 Windows 2000 Insider STAFF

   
 
ガイド(編集人・編集長) 小川 誉久
タイトル
デザイン
谷原 正則
ガイド(副編集長) 打越 浩幸
制作
河本 茂美
構成エディタ 塩田 紳二
編集 井口 圭一
銭高 順
編集・著作 Digital Advantage
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