Insider's Eye

マイクロソフト、Windows XP日本語版ベータ2を報道関係者に披露(3)

デジタルアドバンテージ 小川 誉久
2001/03/14

遠隔地からのユーザー・サポートを可能にするリモート・アシスタント

 Windows XPでは、初心者向が簡単にユーザー・サポートを受けられるようにするリモート・アシスタント機能が用意されている。このリモート・アシスタントでは、サポート担当者がユーザー先のPCにネットワークを経由して接続し、直接設定内容を確認したり、適当な設定を行ったりできるようにする。

リモート・アシスタント
リモート・アシスタントは、サポート担当者がユーザー先のPCにネットワークを経由して接続し、直接設定内容を確認したり、適当な設定を行ったりできるようにする機能である。画面はサポート担当者の画面内部に、サポート先のデスクトップが表示されているところ。
  ユーザー先のデスクトップ画面。マウスやキーボードの制御を奪うことができ、遠隔地から直接設定を行うことができる。
  チャット・ウィンドウ。サポート担当者は、ここで文字列を入力して、それを相手先(サポート先)に送信することができる。
  サポート担当者から送られ、ユーザー先のデスクトップに表示されたチャット・メッセージ。
  制御を解放するときにはこのボタンをクリックする。

 またWindows XPには、従来はWindows 2000 Server以上でのみ組み込まれていたTerminal Serverの機能が標準で追加され、これを利用して、遠隔地にあるデスクトップを操作することが可能になる。たとえば会社のデスクトップから、インターネットを経由して、自宅のPCを操作できるようになるわけだ。

 従来のTerminal Serverでは、カラー・サポートが256色までに制限されていたが、Windows XPのリモート・デスクトップ接続機能では、Hi Color(6万5000色)サポートに拡張された。これにより、写真画像の操作などを行う場合でも、本来の色をほぼそのままに作業できるようになる。

Media Player 8/コントロール・パネル/IE 6

 Windows XPには、最新版のMedia Player 8が搭載される。現在でもMedia Playerは、無償ソフトウェアとしてインターネットなどからダウンロード可能だが、最終版が提供されるのは、今回はWindows XP搭載バージョンが最初になる模様だ。このMedia Player 8では、MP3の3倍の圧縮効率を実現した新しいオーディオ・エンコーダなどが搭載される。

Windows Media Player 8
Media Player 8では、MP3の3倍の圧縮効率を実現した新しいオーディオ・エンコーダなどを搭載する。

 Windows XPのコントロール・パネルは、大きいアイコンと説明文により、必要なアプレットを初心者でも特定できるように工夫がなされている。

コントロール・パネル
Windows XPのコントロール・パネルは、大きいアイコンと説明文により、必要なアプレットを初心者でも特定できるように工夫されている。

 WebブラウザのInternet Explorer(IE)としては、最新版のVersion.6が搭載される。

Internet Explorer 6
Windows XPに標準搭載されるWebブラウザは、最新版のIE 6となる。

製品出荷は2001年後半。サーバ製品の出荷はクライアント製品から四半期遅れ

 別稿で述べているとおり、Windows XPでは、不正コピー防止技術のProduct Activationが組み込まれる(Product Activationの詳細は別稿の「Insider's Eye:Windows XP、Office XPに導入される不正コピー防止技術、Product Activationとは?」を参照)。このProduct Activationでは、購入後一定期間(Windows XPでは30日間)の間に、製品を有効化しなければ、製品を使い続けられなくなるというしくみだ。前出の別稿では、詳細は不明としていたが、今回その制限内容が明らかになった。Windows XPの場合、30日間経っても製品が有効化されない場合、それがログオン状態なら、有効化の必要性を告知するメッセージが表示される。ログオフしているなら、再度のログオンは禁止される。

 なお、大手PCベンダがWindows XPをプレインストールして販売するときには、出荷時点で有効化がなされるので、ユーザーが別途有効化する必要はない。

 Windows XPの出荷時期については、今までどおり「2001年後半」と説明された。製品価格などはまだ未定だが、アップグレード版が用意されるのは、Windows 98以降(Windows 98、Windows Me、Windows 2000)だという。つまり、Windows 95はアップグレード対象外で、Windows 95からWindows XPにアップグレードするユーザーは、フル版のパッケージを購入する必要がある。

 なお製品として最初に登場するのは、Home Edition、Professionalのクライアント向け製品で、サーバ製品はこれらから1四半期遅れで出荷される。Windows XP日本語ベータ2は、この4月末にも評価用として報道関係者にも提供される予定だ。この際にはサーバ製品のベータ2も提供される予定だが、クライアント向け製品がベータ2→RC1(製品直前版)→RC2→RTM(最終製品版)と移行する予定なのに対し、サーバ製品はベータ2→ベータ3とさらにベータ・テストを繰り返す予定だという。詳細は明らかではないが、サーバ製品群には、Microsoft.NET対応機能を追加するため、このような遅れが生じるとの説明があった。

 逆に言えば、先に出荷されるクライアント製品では、XMLサポートなどが強化されるものの、.NETサポートは標準では追加されない。これについては、追って提供されるサービス・パックにて追加されるということだ。End of Article

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  Insider's Eye:Windows XP、Office XPに導入される不正コピー防止技術、Product Activationとは?(Windows Server Insider)
     
 

 INDEX
  [Insider's Eye]
    1. マイクロソフト、Windows XP日本語版ベータ2を報道関係者に披露(1)
    2. マイクロソフト、Windows XP日本語版ベータ2を報道関係者に披露(2)
  3. マイクロソフト、Windows XP日本語版ベータ2を報道関係者に披露(3)
 
「Insider's Eye」


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