Insider's EyeLonghorn、Yukon、Whidbey。次世代コンピューティングに高まる開発者の熱き期待―― PDC 2003レポート No.1 ―― デジタルアドバンテージ2003/10/31 |
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PDC会場 |
1万人からなるノーネクタイのプログラマーがロサンゼルスに結集。日本では考えられないプログラマーの祭典だ。 |
2003年10月26日から30日までの5日間、米国カリフォルニア州ロサンゼルスにおいて、恒例となっているWindows開発者向けのカンファレンス「Professional Developers Conference 2003(以下PDC03)」が開催された。今回のPDCは、次世代WindowsであるLonghorn(開発コード名:ロングホーン)が初めて公開されるとあってその注目度は高く、開催規模は過去最高のものとなっているようだ。正確な参加者数は発表されていないが、昼食用として用意されている食卓の数からすると1万人近いようだ。
今回はPDC03レポートの第1弾として、PDC会場の雑景や参加者に配布されたキットの内容、また今回発表された新技術、開発コード名に関する簡単な用語解説を行う。
ずらりと並んだ食卓 |
正確な参加者数は公表されていないが、用意されている食卓の数をざっと数えると、かるく1万人分はある。圧巻である。 |
カンファレンスでは、LonghornやWhidbey(開発コード名、用語解説参照)の解説を中心としたセッションが多数行われている。その総数は200セッション近い。次世代WindowsであるLonghorn関連のセッションに人気があるのは当然として、それ以外にも、ほかの参加者との交流を促進する各種イベントやBOF(Birds Of a Feather:カンファレンス後に開催されるインフォーマルなミーティング)なども多数行われている。プログラマーにもさまざまなタイプがあるが、ここに参加しているのは、まるで学生のような非常にラフな格好をした人がほとんどである。
いま現在の技術ではなく、Longhornという、2年も3年も、いやそれ以上に先かもしれない技術を紹介するイベントにこれだけの参加者が集まり、だれもが熱心に聞き入り質問をしている姿を目の当たりにすると、やはりマイクロソフトの新技術がそれだけ期待されている証だろうと感じる。それとも単に、現状のWindowsやコンピュータ・システムに対する不満の裏返しだろうか。それはともかく、Longhornが提供する新しいユーザー・インターフェイスや、WinFS(用語解説参照)などによってもたらされる新たなコンピューティングの可能性を聞いていると、確かに従来までのWindowsの延長ではない、新しい何かが感じられるような気がする。ビル・ゲイツ氏が「Windows 95以来の革命」といっているのは、決して大げさではないかもしれない。願わくば、スケジュールどおり(現状では明確なスケジュールは公表されていないが、2005年とも、それ以降という説もある)に出荷されてほしいものだが、いままでの例からするとあまり期待はできないかもしれない(各セッションでも「この仕様は将来変更されるかもしれない」とか、「仕様決定にあたり、みなさんの意見を聞かせてほしい」などという表現がよく使われていた)。
配布されたLonghorn開発途中版 |
Longhornの開発途中版(テクノロジ・プレビュー版)のDVD 2枚と、次期Visual Studio(Whidbey)のベータ版DVD 1枚、SQL Serverのベータ版(Yukon)のCD 1枚が配布された。同時にLonghornプログラミングの解説書(写真左)や「Writing Secure Code 第2版」も配布された。 |
PDC雑景
PDCはプログラマー向けの技術カンファレンスであるため、プログラマーのためにさまざまな心配りがなされている。朝7時から深夜まで、コーヒーやソフト・ドリンク、スナックなどは常に欠かさず用意されているし、有線や無線のネットワークも完備されている。会場のあちらこちらにインターネットへアクセスするための端末が用意されているので、ノートPCを持っていない人でも困ることはない。しかし多くのユーザーは自分の愛用のノートPCを取り出して、インターネットへアクセスしている。特に無線LANは会場のどこからでも利用できるようになっているので、あらゆる場所で座り込んでPCを使っている人を多く見かける。
愛用のノートPCとにらめっこする参加者たち |
会場のどこからでも無線LANでインターネットに接続が可能だ。 |
お決まり(?)のジャンクフード |
ジャンクフードは欠かせないアイテムだ。朝から深夜まで、食べたいときにはいつでも食べられる。 |
■Hands-on Lab
技術セッションと並んで、会場には「Hands-on Lab」と呼ばれる、実験用の施設も用意されている。ここには500台以上のPCが置かれ、Microsoftのプログラマーの指導により、Longhornを始めとする各種のプログラミング環境を実際に体験することができる。簡単な練習問題を1つずつこなしていくことにより、LonghornやWhidbey、Webサービス、データベース、64bitシステムなどのプログラムを作ったり、最新のテクノロジを体験したりすることができる。
Hands-on Lab |
Hands-on LabではLonghornのプログラミングをいち早く体験することができる。 |
更新履歴 |
【2003/10/31】Longhornの製品版出荷時期について、当初は「現状では2004年といわれている」と記述していましたが、これはマイクロソフトからの公式発表ではないことを明確にするとともに、原稿執筆時点では2005年以降という説が有力であることから記述を改めました。お詫びして訂正させていただきます。 |
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