運用 2.エンド・ユーザーによるファイル回復(1)デジタルアドバンテージ 打越 浩幸2005/12/15 |
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DPMの管理コンソールを使った回復作業では、管理者に負担が集中するという問題点がある。またエンド・ユーザーにとっても、いちいち管理者に作業を依頼するという手間がかかるし、時間もかかる。だがDPM 2006の「エンド・ユーザー回復(End User Recovery。以下EURと表記)」機能を使用すれば、エンド・ユーザー自身で回復処理を行えるようになる。
Windows Server 2003で利用できる「シャドウ・コピー」機能でも、エンド・ユーザー自身でシャドウ・コピーから削除したファイルを復旧させることができたが、それをDPM 2006でも利用できるように機能を拡張したものがEURである。Windows Server 2003のシャドウ・コピーにおける操作手順については、以下のWindows TIPS記事を参考にしていただきたい。
Windows Server 2003のVSS機能を使った削除ファイルの復旧機能と比較すると、DPM 2006のEURには次のようなメリットがある。
- ファイル・サーバ側でシャドウ・コピーを有効にする必要はない。Windows 2000 Serverのファイル・サーバのファイルでも(DPM 2006の管理下にあれば)利用できる。
- エンド・ユーザーはDPM 2006の存在を意識する必要はない。
ただし、EUR機能を利用するためには、次のような準備が必要になる。
1.Active Directoryのスキーマ拡張と設定
EURを利用するためには、Active Directoryのスキーマを拡張し、DPM 2006サーバの情報をActive Directoryに登録しなければならない。Active Directoryのドメイン・コントローラがWindows 2000 Serverの場合は、スキーマの拡張に先立って、Active Directoryのスキーマ拡張を許可するための設定も必要である。スキーマの拡張後、DPM 2006サーバの情報をActive Directoryに登録することにより、EURのクライアント・コンピュータでは、保護されたデータがどこに格納されているかを知ることができるようになる。
2.EURクライアント・ソフトウェアのインストール
次に、EUR機能を利用するクライアント・コンピュータに「シャドウ・コピー・クライアント」というサポート・ソフトウェアをインストールする。ただしこのソフトウェアがインストールできる環境はWindows XPとWindows Server 2003だけである。Windows Server 2000やそれ以前のOSの場合は、EURは利用できないので、管理者に依頼し、DPM 2006の管理コンソールで作業を行う必要がある。
以下、これらの手順について解説する。
Active Directoryのスキーマ拡張
EUR機能を利用するためには、最初にActive Directoryのスキーマを拡張する必要がある。スキーマの拡張というと大げさに聞こえるかもしれないが、DPM が必要とする拡張は、比較的小さな拡張(クラスを1つと、その属性を2つ)だけである。ただしドメイン・コントローラがWindows 2000の場合は、スキーマを拡張する前に、次の条件が満たされていることを確認しておく。
- Windows 2000 Service Pack 4以上の適用
- スキーマの変更の有効化(許可する)
Windows 2000でスキーマの拡張を許可するには、以下の情報を参考にして、[Active Directoryスキーマ]管理ツールを使うか、レジストリ設定を変更しておく。
準備ができたら、スキーマの拡張作業を行う。このためには、DPM 2006の管理コンソールで[回復]タブを選び、[操作]メニューから[エンドユーザー回復の構成]をクリックする。
EURの初期設定 | |||
最初にActive Directoryのスキーマの拡張を行う。 | |||
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すると次のダイアログが表示されるので、[エンド ユーザー回復]タブを選択する。
EURの初期設定画面 | |||||||||
EURのダイアログを表示させても、Active Directoryのスキーマが拡張されていない状態では、このように表示される。 | |||||||||
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Active DirectoryにDPM 2006サーバの情報を登録するには、をクリックする。
INDEX | ||
[運用]Microsoft Data Protection Manager 2006 | ||
第3回 ファイル回復と監視/レポート機能 | ||
1.管理コンソールを使ったファイル回復作業 | ||
2.エンド・ユーザーによるファイル回復(1) | ||
3.エンド・ユーザーによるファイル回復(2) | ||
4.動作の監視とレポート機能 | ||
運用 |
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