[運用]
ノマド・ワーク時代のモバイル・ルータ選び
(2011年10月版)

7.事業者別モバイル・ルータ・カタログ
― そのほか

井上 孝司
2011/10/06

ISP各社が提供するモバイル・ルータ

 大手ISP(Internet Service Provider)の中には、ここまで取り上げてきた通信事業者各社のサービスを「卸して」もらい、独自の移動体通信サービスを提供しているところがある。日本通信のサービスと同様、ネットワークへの負荷を抑制するために性能を抑える代わりに、提供元と比べると安価にサービスを提供していることもある。自分が利用しているISPがこうしたサービスを提供していて、速度・料金・エリアが要求条件を満たしていれば、検討してみてもよいだろう。詳しい情報は、ISP各社のWebサイトで確認するのが早道だ。

機種/事業者選択の際は料金だけでなく利用可能エリアの確認も

 モバイル・ルータの購入を考えたときに最初に行うべき作業は、利用形態の洗い出しだろう。

 最も気になるのが料金であるにしても、利用可能なエリアの広さも問題だ。主要都市部でのみ利用できればよいというユーザーと、日本のどこにいても利用できなければ困るユーザーでは、当然ながら重視するポイントが違ってくる。なお、音声通話用の携帯電話やスマートフォンを別に所有している場合、それと事業者を揃えることで複数回線割引を適用して安価にできることがある。

 重視するポイントが料金で、利用量の見当がつかない場合には、下限料金が低い2段階定額プランを選択するのが無難である。しかし現実問題としては、実際に使ってみたら使用頻度が高くなる可能性もある。目安としては、月に何日も利用するような場合は完全定額プラン、出張などの用途でたまに利用するだけ(1回も利用しない月もある)ならば2段階定額プランの方が得になる。契約によっては、契約期間や料金プランに縛りがあり、変更できないこともあるので、できるだけ制約が少ない事業者を選びたい。

 重視するポイントがサービス・エリアであれば、NTTドコモかau、あるいはNTTドコモの回線を利用している日本通信が確実だ。速度が多少遅くても、接続できることが第一である。どんなに高速なサービスでも、圏外では意味がない。

 重視するポイントが速度であれば、実効速度と完全定額プランの料金が問題になる。各社が提示している速度性能はベストエフォートにおける最善の数字であり、混雑度が高いと実効性能の低下が起きるので、これについては実際に利用しているユーザーの声をあたってみる必要がある。事業者によっては、カタログ上の性能と実効性能の乖離が激しいこともあるからだ。End of Article

 

 INDEX
  [運用]ノマド・ワーク時代のモバイル・ルータ選び(2011年10月版)
    1.モバイル・ルータとは
    2.気になるモバイル・ルータの料金体系
    3.事業者別モバイル・ルータ・カタログ ― NTTドコモ
    4.事業者別モバイル・ルータ・カタログ ― au(KDDI)/ソフトバンクモバイル
    5.事業者別モバイル・ルータ・カタログ ― イー・モバイル
    6.事業者別モバイル・ルータ・カタログ ― UQコミュニケーションズ/日本通信
  7.事業者別モバイル・ルータ・カタログ ― そのほか

 「 Windows 運用 」


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