[製品レビュー]
中小規模システムのライフサイクル管理を実現するSystem Center Essentials 2007

第2回 System Center Essentials 2007のインストール

5.コンピュータとデバイスの検出

マイクロソフト株式会社 IT Pro エバンジェリスト
安納 順一
2007/12/06

 コンピュータをEssentials 2007で管理するには、エージェント・プログラムをインストールしなければならない。しかしながら、この作業を手動で実施したり利用者に依頼することは、面倒であることもさることながら、作業漏れが発生することも考えられる。Essentials 2007の管理コンソールからは、ドメイン内のコンピュータの検出とエージェントのインストールを、一連のタスクの中で自動的に実施することができる。

 ここでは、[コンピュータデバイスの検出]タスクを順に見ていこう。

<コンピュータとデバイスの検出 手順1>作業の開始

 管理コンソールから[管理するコンピュータとデバイスを構成します]をクリックしてコンピュータの検出を開始する。

コンピュータとデバイスの構成ウィザードの開始
このウィザードでは、管理するコンピュータを検出する方法などを設定する。

<コンピュータとデバイスの検出 手順2>検出方法の選択

 最初のウィザード画面では、検出方法を[自動検出]と[詳細な検出]のいずれかから選択できる。[自動検出]を選択すると、ドメイン内のすべてのクライアントとサーバを一気に検出することができる。[詳細な検出]では、[サーバーのみ][クライアントのみ]を選択することができるほか、SNMPをサポートしているネットワーク・デバイスを検出することも可能だ。ここでは[自動検出]を選択することにする。

 なお、このタスクは後から再度実施することができるので、まずはドメイン内のすべてのコンピュータを検出してエージェント・プログラムをインストールしてしまうとよいだろう。

検出方法の選択
管理するコンピュータを自動検出するか、検出方法を細かく指定するかを選択する。
自動検出する場合はこちらを選択する。
検出方法を手動で設定する場合はこちらを選択する。

<コンピュータとデバイスの検出 手順3>管理アカウントの指定

 次の画面では、ドメイン・アクセスによるコンピュータの検出や、検出したコンピュータへのエージェント・プログラムのインストールに使用される管理者アカウントを指定する。デフォルトでは、インストール時に指定した管理者アカウントが使用されるが、別のアカウントを使用する場合には[その他のユーザー アカウント]に指定する。

管理者アカウントの指定
ここでは、コンピュータを検出したり、検出したコンピュータにエージェント・プログラムをインストールするのに使用される管理者アカウントを指定する。
サーバに設定したアカウントをそのまま利用する場合はこれを選択する。
とは別のアカウントを指定する場合はこちらを選択し、アカウント情報を入力する。

 以上を指定して[検出]ボタンをクリックすると、ドメイン内のコンピュータを自動的に検出できる。

<コンピュータとデバイスの検出 手順4>検出結果とエージェントのインストール

 検出が完了すると、検出されたコンピュータの一覧が表示される。一覧から、コンピュータ名の横にあるチェック・ボックスをチェックして[次へ]ボタンをクリックすると、選択したコンピュータに対してエージェントのインストールが開始される。エージェントのインストール状況は、画面からコンピュータ単位に確認することができる。

管理するコンピュータの選択
検出されたコンピュータを管理するかどうかを選択する。
検出されたコンピュータの一覧。チェック・ボックスをオンにすると、そのコンピュータにエージェントがインストールされる。
検出されたコンピュータをすべて選択する場合はこれを選択する。

 すべてのコンピュータが[成功]と表示されれば、エージェントのインストールは正常に完了したことになる。

エージェントのインストールの状態
この画面では、エージェントのインストールの状態やその結果などが表示される。
インストール対象のコンピュータ。
結果。

[コラム] エージェントのインストールが正常に完了しない場合の対処方法
 場合によってはエージェントのインストールに失敗するコンピュータがあるかもしれない。失敗の原因としては、管理されるコンピュータ側のWindowsファイアウォールによってエージェントのインストールに必要なポートが閉じられている可能性が考えられる。Essentials 2007は、グループ・ポリシーの[System Center Essentials 2007All Computers Policy]を使用して、管理に必要なポートをWindowsファイアウォールの例外として定義する。これは[製品機能の構成]タスクで行われる。グループ・ポリシーは、デフォルトでは90分に1回更新されるが、エージェントのインストールに失敗するときは、まだグループ・ポリシーが適用されていない可能性がある。その場合には、グループ・ポリシーが適用されるまでしばらく待ってみるか、管理されるコンピュータ側で以下のコマンドを実行して、強制的にグループ・ポリシーを適用させてみるとよい(参考Windows TIPS「gpupdateでグループ・ポリシーの適用を強制する」)。

gpupdate /force

 ちなみに、当該ポリシーの設定は、グループ・ポリシーの以下の階層に格納される。必要であれば確認してみよう。

場所
コンピュータの構成
 管理テンプレート
  ネットワーク
   ネットワーク接続
    Windowsファイアウォール
     ドメイン プロファイル
Windowsファイアウォールのグループ・ポリシーのエントリ
Windowsファイアウォールの例外設定は、ドメイン・プロファイルに格納されている。詳細についてはTIPS「Windowsファイアウォールのプロファイルを知る」「XP SP2展開計画「1.Windowsファイアウォールの管理方法」」「XP SP2展開計画「4.グループ・ポリシーによる設定」」などを参照のこと。


 INDEX
  [製品レビュー]中小規模システムのライフサイクル管理を実現するSystem Center Essentials 2007
  第2回 System Center Essentials 2007のインストール
    1.System Center Essentials 2007の初期インストール(1)
    2.System Center Essentials 2007の初期インストール(2)
    3.インストール後の製品機能の構成(1)
    4.インストール後の製品機能の構成(2)
  5.コンピュータとデバイスの検出
    6.Microsoft Updateの設定

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