Windows 7 プレビュー

第1回 Vistaからさらに進化したWindows 7の新GUI

デジタルアドバンテージ 打越 浩幸
2009/03/12

本連載では、今年後半のリリースが予定されているWindows 7について、その機能の概要を数回に渡って紹介する。なお本稿では2009年1月に配布が開始されたベータ版(ビルド7000)に基づいて執筆しているため、最終的な製品版とは内容が異なることがあることをあらかじめご了承いただきます。
【2009/05/07】2009年4月30日にRC版が公開されたため、本記事の連載タイトルを当初公開時の「Windows 7 ベータプレビュー」から新しく「Windows 7 プレビュー」に変更させていただきます。」
【2009/08/27】Windows 7は2009年8月にRTM版(製品版)が完成し、すでにOEMなどに向けてリリースされています。正式版をベースにした記事は連載「Windows 7新時代」をご覧ください。

次期Windows 7とOffice 14はどう進化するのか?

Windows 7とは

 Windows 7は、2010年初頭までにリリースが予定されているWindows Vista後継のクライアント・コンピュータ向けOSである。Windows Vistaをベースに、互換性を重視しながらも、機能やセキュリティの強化、管理性の向上、システムの軽量化などを図っている(これに対応するサーバ版OSはWindows Server 2008 R2とされる)。その目標とするところや実現される性能などについては、今後、製品版がリリースされてから詳しく解説することにし、本連載では、Windows 7の特徴的な機能などについて、3回の連載で紹介する。

 以下の記事なども参照していただきたい。

Windows 7 Ultimate Editionのデスクトップ画面の例

バージョン表記ダイアログ
Windows 7のバージョン番号はVer.6.1であり、Windows VistaのVer.6.0からするとマイナー・バージョンアップという扱いになっている。Windows 7はWindows Vistaとの互換性を重視して開発されているため、アプリケーション側での大幅な変更は不要になるはずである。

 以下では、2009年1月にベータ・テスタ向けに配布されたWindows 7 Ultimate Edition x86版のベータ版(ビルド7000)をベースに、その機能の概要を紹介する(このビルドではまだメッセージやヘルプなどが完全には日本語化されておらず、英語のままの部分も少なくない)。今回はWindows 7の主要機能のうち、Windows Vistaから改良されたユーザー・インターフェイスについて見ていく。管理機能やネットワーク機能など、管理者向けの新機能については次回以降で紹介する。ベータ版であるため、パフォーマンス・テストなどは行わず、Windows 7の新機能を紹介するのみにとどめる。

■Windows 7情報サイト

Windows 7のエディション構成やシステム要件

 Windows 7が稼働するシステムの要件などはまだ正式には発表されていないが、基本的にはWindows Vistaが稼働すればそのままWindows 7が利用できるように、使用メモリ量や要求性能などのチューニングが行われている。実際ベータ版のWindows 7でも、同じハードウェアで利用する限り、Windows Vistaと同等か、少し「軽い」ぐらいに感じられる。

 なおリリースされるWindows 7のエディションは以下の通りであることがすでに発表されている。これら以外の詳細な仕様やスペックなどについては、最終的な製品がリリースされてから紹介する。

エディション 内容
Windows 7 Ultimate Windows 7の全機能が利用できるエディション。先進ユーザーやBitLockerなどの高いセキュリティ機能を使いたいユーザー向けエディション
Windows 7 Enterprise ソフトウェア・アシュアランスを契約している大企業向け
Windows 7 Professional 中小企業での利用やSOHO向け。Windows Vista Businessからの移行ではこのエディションを推奨
Windows 7 Home Premium 一般家庭ユーザー向け
Windows 7 Home Basic 新興市場向け。一般家庭ユーザーのうちでもエントリ向け。日本国内では提供されない予定
Windows 7 Starter 3つのアプリケーションのみ同時起動が可能など、機能が限定される。ネットブック向けにOEMで提供
Windows 7の6つのエディション
機能が限定されるWindows 7 Starterから上位のエディションにいくほど、機能が豊富になる。Windows Vistaと異なり、上位のエディションは下位のものの機能を包含する。なおEnterpriseとUltimateの機能はほぼ同等、Enterpriseが企業(ソフトウェア・アシュアランス)向け、Ultimateが一般向けという提供形態の違いがある


 INDEX
  Windows 7 ベータプレビュー
第1回 Vistaからさらに進化したWindows 7の新GUI
    1.シンプルになったデスクトップ画面とタスク・バー
    2.ウィンドウ切り替えと通知アイコン、UAC
  第2回 Windows XP Modeとディスク管理機能
    1.Windows XP Mode
    2.ディスク管理ツールの強化
  第3回 ネットワークとセキュリティ機能
    1.BitLocker To Go
    2.AppLockerとネットワーク機能

 「製品レビュー」


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