特集 インターネット「常時」接続計画

第6回 DNSサーバの設定と確認

5.逆引きDNSゾーンの定義(1)

デジタルアドバンテージ
2002/03/06


逆引きDNSゾーンの定義

 それでは次にd-advantage.jpの逆引きゾーンを定義してみよう。定義するゾーン名やそのホスト名などは、「第4回 正引きと逆引きゾーンの定義―2.ドメインのゾーン情報」で説明したように、以下のレコード(PTRレコード)を定義する。ゾーンの定義方法そのものは正引きゾーンの場合とほぼ同じであり、AレコードがPTRレコードになった程度しか違いはない。ただし今回は、クラスCのIPアドレスをさらに分割したグローバルIPアドレスを使っているので、逆引きのゾーン名がやや特殊なもの(A192.134.206.61.in-addr.arpa)になっていることに注意する必要がある。

逆引き用の定義 定義するFQDN名
193.A192.134.206.61.in-addr.arpa gw.d-advantage.jp
194.A192.134.206.61.in-addr.arpa ns.d-advantage.jp
195.A192.134.206.61.in-addr.arpa mail.d-advantage.jp
196.A192.134.206.61.in-addr.arpa www.d-advantage.jp
197.A192.134.206.61.in-addr.arpa yellow.d-advantage.jp
198.A192.134.206.61.in-addr.arpa blue.d-advantage.jp
d-advantage.jpドメインの逆引きゾーンの定義
CIDR環境における逆引きでは特殊な仕組みが必要。これは東京めたりっく通信での例。ユーザー側は、「Annn.xxx.yyy.zzz.……」というサブドメインの下にユーザー側のレコードを追加する。

 まずは逆引き用の新しいゾーン(A192.134.206.61.in-addr.arpa)を作成する。このためにはDNS管理ツールを使って、「逆引き参照ゾーン」内でウィザードを起動する。

逆引きゾーンの新規作成
逆引き参照ゾーンを右クリックして、ポップアップ・メニューからウィザードを起動する。
  「逆引き参照ゾーン」でウィザードを起動する。
  [新しいゾーン]を選択する。
  デフォルトで定義されている逆引きゾーン群。

 ウィザードを起動すると、やはり正引きゾーンの場合と同じように、作成するゾーンの種類を選択するための画面が表示されるので、「標準プライマリ」を選択する。

新規ゾーンの作成
逆引きゾーンにもプライマリDNSかセカンダリDNSかの区別がある(Active Directory環境下では、統合モードも選択できる)。
  Active Directory統合モードはインターネット向けDNSサーバでは利用しない方がよい。
  今回はこれを選択する。
  逆引きのセカンダリDNSはプロバイダ側で請け負ってもらうので、ここでは不要。
  これをクリックすると、次はゾーン名の入力になる。

 ここまでの手順は正引きゾーンの定義の場合と同じであるが、この先は少し異なる。逆引きはIPアドレスに基づいて行うので、それを意識した名前にする必要がある(IPアドレスを構成する1byteの数値ごとにドメインの階層を区切る)。また、今回はクラスCをさらに分割した特殊なドメイン名になっているので、正しくその名前を入力する必要がある。

逆引きゾーンの設定(2)
逆引きゾーンのドメイン名は、IPアドレスを逆順に並べたものの最後に「.in-addr.arpa」を付加する。さらに先頭には、特殊なサブドメインである「A192(この文字列はユーザーのIPアドレス環境によって異なる)」を付ける。
  標準的なクラスCのネットワーク(もしくはちょうど8bitや16bit、24bitで分割されたネットワーク)を使用する場合は、こちらを使えば標準的な設定が行われる。
  ネットワーク・アドレスを入力する。
  上記以外の変則的な構成のゾーンを利用する場合はこちらを選択する。
  ゾーン名を指定する。
  ゾーン情報を格納するファイルを生成するオプション。
  ゾーン・ファイル名。デフォルトはゾーン名の末尾に「.dns」を付加したものになる。
  既存のDNSサーバからゾーンの設定ファイルなどを持ってきて読み込ませる場合に選択する。
  読み込むべきゾーン・ファイル名。
  作成するゾーン情報。[完了]をクリックすると、この情報を基にして新規ゾーンが作成される。

 以下が作成された新規の逆引きゾーンである。デフォルトではSOAレコードとNSレコード(自分自身を指しているが、後でns.d-advantage.jpに変更する)だけが含まれている。先ほどの正引きゾーンの場合と同様に、インターネット向けにいくらかの修正を行う。

生成された逆引きゾーン情報
ウィザードを使って作成したばかりの逆引きゾーンの情報。SOAレコードとNSレコードだけが用意されている。
  作成した逆引きゾーン。
  デフォルトのレコード。
 

 INDEX
  [特集]インターネット「常時」接続計画
  第6回 DNSサーバの設定と確認
     1.DNSサーバの管理
     2.正引きDNSゾーンの定義(1)
     3.正引きDNSゾーンの定義(2)
     4.正引きDNSゾーンの定義(3)
   5.逆引きDNSゾーンの定義(1)
     6.逆引きDNSゾーンの定義(2)
     7.DNSサーバの動作確認
 
 インターネット「常時」接続計画


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