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Outlook ExpressのメールをWindows VistaのWindowsメールへ移行させる

解説をスキップして操作方法を読む

デジタルアドバンテージ 打越 浩幸
2008/06/20
対象OS
Windows Vista
Outlook ExpressからWindows VistaのWindowsメールへメッセージを移行させたいことがある。
まずOutlook Express側でメールが保存されている場所を調査しておく。
次にWindowsメールのインポート機能で、保存元のパスを指定してインポートする。

解説

 Windows Vistaには「Windows メール」という新しいメール・アプリケーションが標準で用意されている。機能的には従来のOutlook Expressと大きな違いはないが、メール・メッセージが1つの大きなデータベース・ファイルに保存されていたり、迷惑メール・フィルタ機能を持つなど、いくらかの違いがある。

 新しくWindows Vistaのコンピュータを導入した場合、従来のWindows XPやWindows Server 2003のOutlook Expressのメール・メッセージを、新しいWindowsメールへ移行させたいことがある。本TIPSではこの方法を紹介する。

操作方法

手順1――Outlook Expressのメール・メッセージの保存場所を調べる

 Outlook ExpressのメールをWindows VistaのWindowsメールへ移行させるには、まずOutlook Expressのメール・メッセージがどこに保存されているかを調査する。TIPS「Outlook Expressでメール・ボックスやニュース・メッセージの保存先ディレクトリ(ドライブ)を変更する方法」でも紹介しているが、Outlook Expressを起動後、[ツール]−[オプション]メニューを実行し、[オプション]ダイアログの[メンテナンス]タブをクリックする。そして[保存フォルダ]というボタンをクリックする。

Outlook Expressのメッセージの保存場所を調べる
Outlook Expressからメール・メッセージを移行させるには、まず元のメールの保存場所を調べる。これは[ツール]−[オプション]メニューを実行し、[オプション]ダイアログの[メンテナンス]タブをクリックしたところ。
このタブを選択する。
これをクリックする。

 [保存フォルダ]ボタンをクリックすると、現在のメール・メッセージの保存場所が表示されるので、これをメモしておく。

保存場所の確認
これがOutlook Expressにおけるメール・メッセージの保存場所を表している。
このフィールドの値をメモするか、マウス・カーソルをこのフィールドへ移動させ、全選択してコピーする。

 このダイアログに表示されているのが、Outlook Expressにおけるメール・メッセージの保存場所である。ユーザーごとに異なる場所になっているだけでなく、「C:\Documents and Settings\<ユーザー名>\Local Settings\Application Data\Identities\<SID文字列>\Microsoft\Outlook Express」といった複雑なパス名になっている(<SID文字列>の部分は実際には「{2F9D7B14……5A353}」のような16進数になっている)。

 以上のパスを確認後、いったんOutlook Expressを終了しておく(起動したままだと、Vista側でインポートできない)。

手順2――Windowsメールでメール・メッセージをインポートする

 保存されている場所が分かったら、あとはWindows VistaのWindowsメールでインポート作業を行えばよい。

 Windows VistaのWindowsメールを起動後、[ファイル]メニューの[インポート]−[メッセージ]を選択すると、次のようなダイアログが表示されるので、「Microsoft Outlook Express 6」を選択して次へ進む。

インポートする電子メールの種類の選択
ここでは、インポート元の電子メールの種類を選択する。
Outlook Expressからインポートする場合はこれを選択する。ExchangeやOutlookは、それらのメール・クライアントがインストールされている場合にのみ利用できる。「Micorosft Windows メール 7」は、ほかのVistaコンピュータのユーザーからインポートする場合に使用する。

 次の画面では、Outlook Express 6のストア・ディレクトリからインポートするように指示する。

Outlook Expressのストア・ディレクトリからのインポート
この画面では、インポート元の種類を選択する。
これを選択する(これはデフォルトの選択肢であり、通常はこちらしか選べないはず)。

 次の画面では、インポート元のフォルダを指定する。手順1で調べた場所をセットすればよい。ネットワーク越しにアクセスする場合は、例えば「\\<PC名>\C$\Documents and Settings\……」のように、UNC形式のパスにしてアクセスすればよいだろう(「\\<PC名>\C$」は、リモートのPCのC:ドライブの共有名フォルダ名)。ただしリモートからアクセスできるようにするためには、Windowsファイアウォールでファイル共有を許可しておく必要がある。オフラインで移行するなら、手順1で調査しておいたフォルダの内容をすべてハードディスクなどにコピーして持ち運び(Windows Vistaにマウントし)、その保存フォルダを指定すればよい。

インポートする場所の指定
リモートからアクセスするなら、手順1で調査したフォルダへUNC形式でパスを指定して接続すればよい。
アクセス先のパス。
これをクリックするとフォルダの選択ダイアログが表示されるので、手順1で調査したフォルダ名へアクセスできるようなフルパス名を指定/入力する。なおWindows Vistaのオープン・ダイアログの仕様により、フォルダを1階層ずつ辿って入力していると、最後に余計なパス名が付くことがあるので注意していただきたい(例:末尾が「\Microsoft\Outlook Express\Outlook Express」のようになる)。

 正しいパスを指定後、[次へ]ボタンをクリックすると、パスが正しければ次のようなフォルダの選択ダイアログが表示される。パスが間違っていると(指定された場所にOutlook Expressのファイルが見つからないと)、「このフォルダにはメッセージが見つかりません。」というエラー・ダイアログが表示されるので、正しいパスを指定しなおす。

インポートするフォルダの選択ダイアログ
正しくOutlook Expressのパスが指定できると、このようなフォルダの選択ダイアログが表示されるので、インポートしたいフォルダを選択する。全フォルダをインポートすることもできるし、個別にフォルダをインポートすることもできる。インポート作業は常にフォルダ全体が対象となり、フォルダ内の特定のメッセージだけをインポートすることはできない。
すべてのフォルダをインポートするにはこれを選択する。
個別のフォルダをインポートするにはこれを選択する。
インポートするフォルダの指定。[Ctrl]キーを押しながらクリックすると、複数選択できる。

 フォルダを選択後、[次へ]をクリックすると、指定されたフォルダとその中のメッセージがインポートされる。インポートされたメールは、次のように、[インポートされたフォルダ]の下に階層的に作成されるので、必要ならば、フォルダを移動したり、フォルダの中のメッセージを移動したりして、整理する。End of Article

インポートされたメール・メッセージ
インポートされたフォルダは、このように1カ所に集められている。
インポートされたメッセージはすべてこの下に集められる(またインポートすると、「インポートされたフォルダ(1)」のように、別のフォルダが作成され、その中に保存される)。
インポートされたメッセージのフォルダ。

「Windows TIPS」


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