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IEのセキュリティ設定を変更してセキュリティ機能を強化する(2)

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デジタルアドバンテージ
2001/07/19
2002/02/16 更新

IEのゾーンとセキュリティ設定の詳細

 IEで選択可能なゾーンとしては、以下の4種類がある。

ゾーンの名称 セキュリティレベル 内容
インターネット 他のゾーンに含まれないすべてのWebサイト。つまり、特別な設定を行わずにアクセスしたすべての社外のインターネット・サイトはこのゾーンに含まれる
イントラネット 中低 ファイアウォールの内側にある(プロキシ・サーバを経由せずにアクセスできる)社内のWebサイト。UNCでアクセス可能な共有フォルダやファイル(例「\\computer_name\folder」)、ドット(「.」)表記を含まないURL(例「http://computer_name」)でアクセス可能なサイトなど
信頼済みサイト 信頼できるサイトとして、ユーザーがURLを登録したサイト
制限付きサイト 信頼できるかどうか疑問があるサイトとして、ユーザーがURLを登録したサイト
IEで選択可能なゾーン

 下の2つ([信頼済みサイト]と[制限付きサイト])は、ユーザーが明示的に登録したサイトを識別するゾーンなので、設定を行っていない初期段階では、すべてのサイトは[インターネット]か[イントラネット]ゾーンのいずれかに分類される。このうち[イントラネット]は、ファイアウォールの内側にある社内サイトが含まれるゾーンで、具体的には、WindowsネットワークのUNCでアクセス可能な共有フォルダやファイル(例「\\computer_name\folder」)、インターネットのドメイン名ではなく、ドット(「.」)を含まないURL(例「http://computer_name」)で参照可能なイントラネット・サイトが含まれる。

 これ以外のすべてのWebサイトは、当初はすべて[インターネット]ゾーンに含まれることになる。この[インターネット]ゾーンには、他のゾーンに含まれないすべてのWebサイトが含まれるので、[インターネット]ゾーンに対して、ユーザーがマニュアルでサイトを指定することはできない([インターネット]以外のゾーンでは、すべてマニュアル指定が可能)。

 IEのセキュリティ機能によって制限できる項目と、各セキュリティ・レベルの規定値をまとめたのが以下の表である。大きな違いはないものの、IE 5.5とIE 6では、一部の規定値が異なっている。これらの違いについては表中に記載している。

 なおIE 6では、P3Pに対応したCookie管理機能が追加されたため、Cookieに関する設定は[インターネット オプション]ダイアログに新設された[プライバシー]タブで行うため、[セキュリティ]タブでの設定項目は削除されている。IE 6のプライバシ管理機能の詳細については、別稿の「実験:IE 6のプライバシ管理機能」を参照されたい。

  
中低
ActiveXコントロールとプラグイン
ActiveXコントロールとプラグインの実行
  ダイアログを表示する
 
  
 
 
  管理者の許可済み
 
 
 
  
  無効にする
 
 
 
  有効にする
 
スクリプトを実行しても安全だとマークされていないActiveXコントロールの初期化とスクリプトの実行
  ダイアログを表示する
 
 
 
  無効にする
 
  有効にする
 
 
 
 
スクリプトを実行しても安全だとマークされているActiveXコントロールのスクリプト実行
  ダイアログを表示する
 
 
 
 
  無効にする
○(IE6)
 
 
 
  有効にする
○(IE5)
署名済みActiveXコントロールのダウンロード
  ダイアログを表示する
 
 
  無効にする
 
 
 
  有効にする
 
 
  
未署名のActiveXコントロールのダウンロード
  ダイアログを表示する
 
 
 
  無効にする
 
  有効にする
 
 
 
 
Cookie(IE6では[プライバシ]タブで設定)
コンピュータに保存されているCookieの使用許可
  ダイアログを表示する
 
 
 
 
  無効にする
 
 
 
  有効にする
 
セッションごとのCookieの使用許可(保存なし)
  ダイアログを表示する
  
 
 
 
  無効にする
 
 
 
  有効にする
 
Microsoft VM
Javaの許可
  Javaを無効化する
○(IE6)
 
 
 
  カスタム
 
 
 
 
  安全性−高
○(IE5)
 
 
  安全性−中
 
 
  安全性−低
 
 
 
スクリプト
Javaアプレットのスクリプト
  ダイアログを表示する
 
 
 
 
  無効にする
 
 
 
  有効にする
 
アクティブ・スクリプト
  ダイアログを表示する
 
 
 
 
  無効にする
 
 
 
  有効にする
 
スクリプトによる貼り付け処理の許可
  ダイアログを表示する
 
 
 
 
  無効にする
 
 
 
  有効にする
 
その他
IFRAMEのプログラムとファイルの起動
  ダイアログを表示する
 
 
  無効にする
 
 
 
  有効にする
 
 
 
UserDataの常設
  無効にする
 
 
 
  有効にする
 
ソフトウェア・チャンネルのアクセス許可
  安全性−高
 
 
 
  安全性−中
 
 
  安全性−低
 
 
 
デスクトップ項目のインストール
  ダイアログを表示する
 
 
  無効にする
 
 
 
  有効にする
 
 
 
ドメイン間でのデータ・ソースのアクセス
  ダイアログを表示する
 
 
 
  無効にする
 
 
  有効にする
 
 
 
ファイルのドラッグ/ドロップ、またはコピー/貼り付け
  ダイアログを表示する
 
 
 
  無効にする
 
 
 
 
  有効にする
 
ページの自動読み込み*1
  無効にする
 
 
 
  有効にする
 
暗号化されていないフォームデータの送信
  ダイアログを表示する
 
 
  無効にする
 
 
 
 
  有効にする
 
 
異なるドメイン間のサブフレームの移動
  ダイアログを表示する
 
 
 
 
  無効にする
 
 
 
  有効にする
 
既存のクライアント証明書が1つ、または存在しない場合の証明書の選択
  無効にする
 
 
  有効にする
 
 
混在したコンテンツを表示する *1
  ダイアログを表示する
  無効にする
 
 
 
  有効にする
 
ダウンロード
ファイルのダウンロード
  無効にする
 
 
 
  有効にする
 
フォントのダウンロード
  ダイアログを表示する
 
 
 
  無効にする
 
 
 
 
  有効にする
 
ユーザー認証
ログオン
  イントラネット・ゾーンでのみ自動的にログオンする
 
 
  ユーザー名とパスワードを入力してログオンする
 
 
 
  現在のユーザー名とパスワードで自動的にログオンする
 
 
 
  匿名でログオンする
 
 
 
 
IEのセキュリティ設定と各セキュリティ・レベルの規定値
IE 5.5とIE 6.0にて確認したもの。両バージョンで一部の設定が異なっていたので、それらについても表中に表記した。各セキュリティ設定の意味の詳細については、『Internet Explorer 5.0 Resource Kit』『Internet Explorer 6.0 Resource Kit』を参照)
*1 IE 6.0で追加された項目

 ほとんどの設定項目で選択可能な[ダイアログを表示する]は、その機能を使用したときにそれを許可するかどうか、ユーザーに問い合わせるダイアログを表示するものである。また[無効にする]は使用を許可しない、[有効にする]は使用を許可する設定だ。例えば、Cookieに関する設定を[ダイアログを表示する]にしておき、アクセスしたWebサーバからCookie利用の要求を受けると、次のようなダイアログが表示されるようになる。

Cookieに関する警告ダイアログ
Cookieの使用に関する設定で[ダイアログを表示する]を選択しており、Webサーバ側からCookieの使用要求が通知されると、このようなダイアログが表示される
  このサイトに対するCookieの作成を許可する。
  このサイトに対するCookieの使用を許可しない。
  Cookieに関する詳細情報を表示する。
  Cookieに関するセキュリティ設定を[ダイアログを表示する]から[有効にする]に変更する。

 この表から分かるとおり、[インターネット]ゾーンに対してデフォルトで適用されるセキュリティ・レベル[中]では、一部のActiveXコントロールの実行が許可されており、JavaScript(JScript)などのスクリプト実行やCookieの使用、Javaアプレットの実行などが許可されている(前述のとおり、IE 6のCookie管理は[プライバシ]タブで行う)。スクリプトやCookieなどは、多くのサイトで使われているので、利便性を考えれば、この設定でも問題はない。しかしCookieを許可しているため、サイトでの行動(どのページをどれくらいの時間表示したか、など)をモニタされたり、JavaScriptによって強引な宣伝活動が行われたり(どんどんIEのウィンドウを開いて広告を表示する、別のWebページを強制的に表示するなど)、Active Xコントロールによって無用なプログラムが送り込まれたりする可能性がある。

 こうした脅威から身を守りたければ、明らかに信頼できるもの以外の[インターネット]ゾーンのサイトに対しては、セキュリティ設定の[高]を適用し、信用できるサイトだけをマニュアルで[信頼済みサイト]ゾーンに追加すればよい。前出の表から分かるとおり、セキュリティ設定[高]では、ActiveXコントロールのダウンロードやスクリプト実行、Cookieの使用などがすべて禁止される。

関連記事(Windows Server Insider)
  実験:IE 6のプライバシ管理機能
     
  関連リンク
  IE 5.0 Resource KitのセキュリティおよびIE 6.0 Resource Kitのセキュリティ関連ページマイクロソフト
  「不正なドットなし IP アドレスにより Web ページがイントラネット ゾーンで処理されてしまう 」に関するセキュリティのページマイクロソフト
     

 INDEX
  [Windows TIPS]
     IEのセキュリティ設定を変更してセキュリティ機能を強化する(1)
   IEのセキュリティ設定を変更してセキュリティ機能を強化する(2)
     IEのセキュリティ設定を変更してセキュリティ機能を強化する(3)

「Windows TIPS」


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