Windows TIPS
[System Environment]
  Windows TIPS TOPへ
Windows TIPS全リストへ

Outlook Expressでアクセス不能の添付ファイルにアクセスする方法

解説をスキップして操作方法を読む

デジタルアドバンテージ
2004/07/03
2004/07/10 更新
 
対象ソフトウェア
Outlook Express 6
Internet Explorer 6 SP1(Windows XP SP1)から、デフォルトのセキュリティが強化され、ウイルス感染の危険がある添付ファイルへのアクセスが強制的に制限されるようになった。
添付ファイルにアクセスするには、ツールのオプションの設定を変更すればよい。
設定を変更せずに添付ファイルを展開したい場合は、メッセージの転送を指示し、転送用メッセージ・ウィンドウからファイルをドラック&ドロップする。
 
解説

 メールに画像などのバイナリ・データを添付するのは一般的に行われることである。しかしOutlook Expressで受信メールの添付ファイルを保存したり、開いたりしようとすると、存在するはずの添付ファイルがなく、代わりに「次の添付ファイルは安全でないため、メールからのアクセスが削除されました」というメッセージが表示される場合がある。

Outlook Expressのアクセス制限メッセージ
特定の拡張子を持つ添付ファイルは、ウイルスの危険があると判断され、このようにアクセスが規制される。
  警告メッセージが表示され、添付ファイルにはアクセスできない。

 または、Outlook Expressのプレビュー・ウィンドウで、クリップ・アイコンをクリックしても、添付ファイルを保存するためのメニューがグレー・アウトされ、実行できなくなる。

Outlook Expressプレビュー・ウィンドウのクリップ・アイコンからのアクセス
プレビュー・ウィンドウのクリップ・アイコン・メニューもグレー・アウトされ、添付ファイルにアクセスできない。
  メニューがグレー・アウトされて選択できない。

 これは、Outlook Expressのウイルス保護機能によるもので、Internet Explorer SP1(Service Pack 1)またはWindows XP SP1からデフォルトで有効化されるようになった(従来環境にSP1を適用すると、このように挙動が変更される)。具体的には、ウイルスの危険性があるファイル(実行ファイルやスクリプト・ファイルなど)にアクセス制限をかけるという機能である。このアクセス制御はファイルの拡張子で判別されており、.com、.bat、.exe、.hlpなどが対象となる(詳細は以下の表参照)。

拡張子 ファイルの種類
.asp Microsoft Accessプロジェクト・エクステンション
.bas Microsoft Visual Basicクラス・モジュール
.bat バッチ・ファイル
.chm コンパイラ済みHTMLヘルプファイル
.cmd Microsoft Windows NTコマンド・スクリプト
.com MS-DOSプログラム
.exe 実行プログラム
.hlp ヘルプファイル
.hta HTMLプログラム
.inf セットアップ情報ファイル
.isp インターネット通信設定
.js JScriptファイル
.jse JScriptエンコード・ファイル
.lnk ショートカット・ファイル
.msi Microsoft Windowsインストーラ・パッケージ
.mst Microsoft Windows Installerトランスフォーム・ファイル、Microsoft Visual Testソース・ファイル
.pcd Photo CDイメージ、Microsoft Visualコンパイル済みスクリプト
.pif MS-DOSプログラムへのショートカット
.reg レジストリ・エントリ
.scr Windowsエクスプローラ・コマンド
.url インターネットショートカット
.vbe VBScriptエンコード・ファイル
.vbs VBScriptスクリプト・ファイル
.ws Windows Scriptスクリプト・ファイル
.wsh Windowsスクリプティング・ホスト設定ファイル
Outlook Expressのセキュリティ機能により制限される添付ファイルの拡張子

 Officeでの安全でないファイルとの整合性をとるため、IE 6では以下のファイルも制限対象に加えられた。

拡張子 ファイルの種類
.ad Microsoft Accessプロジェクト・エクステンション
.adp Microsoft Accessプロジェクト
.crt セキュリティ証明書
.ins インターネット・ネーム・サービス
.mdb Microsoft Accessプログラム
.mde Microsoft Access MDEデータベース
.msc Microsoft Common Consoleドキュメント
.msp Microsoft Windowsインストーラ・パッチ
.sct Windows Script Component
.shb シェル・スクラップ・オブジェクト
.vb VBScriptファイル
.wsc Windows Script Component
.wsf Windowsスクリプト・ファイル
.cpl コントロール・パネル
.shs シェル・スクラップ・オブジェクト
.vsd Microsoft Visioファイル・タイプ
.vst Visioファイル・タイプ
.vss Visioファイル・タイプ
.vsw Visioファイル・タイプ
Outlook Expressのセキュリティ機能により制限される添付ファイルの拡張子(IE 6での追加分)

 当然ながら、Outlook Expressは送信元が安全なユーザーかどうかを判別できないので、これらの拡張子を持つ添付ファイルを一律に規制してしまう。つまりこのままでは、当該拡張子を持つファイルをやりとりできない。

 前出のメッセージ(「次の添付ファイルは安全でないため、メールからのアクセスが削除されました」)は参照が禁止されているだけで、Outlook Expressのセキュリティの設定を変更すれば、制限されていた拡張子の添付ファイルにもアクセスできるようになる。

 しかしこの方法では、添付ファイルの保護機能が無効化されてしまう。設定を変更してしまうのではなく、特定の添付ファイルのみ保存したいというなら、当該メッセージの転送を指示し、表示される転送メッセージ用添付ファイルをドラッグ&ドロップするという方法もある。


操作方法

1.Outlook Expressのセキュリティの設定を変更してファイルを取得する方法

 Outlook Expressのセキュリティ機能でアクセス不可になったファイルを開くには、まずメールのセキュリティ設定を変える必要がある。[ツール]メニューの[オプション]を実行し、表示される[オプション]ダイアログの[セキュリティ]タブをクリックする。

 保護機能を無効にするには、[ウイルスの可能性がある添付ファイルを保存したり開いたりしない]チェック・ボックスをオフにする。

Outlook Expressの[オプション]ダイアログ[セキュリティ]タブ
Outlook Express 6 SP1から、ウイルス対策機能がデフォルトで有効化され、ウイルスの危険がある添付ファイルへのアクセスは無条件に禁止されるようになった。ここでオプションを変更すればアクセス可能になる。
  このチェックをオフにすると添付ファイルへのアクセス制限が解除される。

 これでセキュリティの設定が無効になった。以後、メールの添付ファイルにアクセスしようとすると、従来どおりに下のメッセージが表示される。ここで[開く]を選択すれば直接ファイルを開くことができ、[ディスクに保存する]を選択すれば添付ファイルをディスクに保存することができる。

添付ファイルアクセス時の警告メッセージ
添付ファイルのアクセス制限を解除すると、すべての添付ファイルへのアクセスが可能になり、アクセスを試みるとこのダイアログが表示される。

 この警告にあるとおり、設定を変えると、添付ファイルがウイルスであっても実行(ファイルを開く)やディスク保存が可能になってしまう。処理を実行する前に、添付ファイルがウイルスである可能性がないか、送信元が信頼できるかどうかをチェックするべきだ。

2.転送用メッセージ・ウィンドウからファイルを取得する方法

 アプリケーションの設計としては疑問の残る仕様だが、Outlook Expressでは、上記セキュリティ保護機能が働いてアクセスできない添付ファイルも、転送を指示したときに表示されるメッセージ・ウィンドウからはマウスによるドラッグ&ドロップが可能になっている。

 具体的には、まず最初にアクセスしたい添付ファイルを含むメッセージを選択し、ツール・バーの[転送]ボタンをクリックするか、[メッセージ]−[転送]メニューを実行するか、Ctrl+Fキーを押す。すると次の画面(左側)ような転送用メッセージ・ウィンドウが表示される。メッセージの転送では、元のメッセージに添付ファイルが含まれている場合、それがそのまま転送メッセージにも添付される。保護対象のファイルであっても、転送は可能であり、この転送用メッセージ・ウィンドウに表示される添付ファイルは右クリックしてコンテキスト・メニューを表示して内容を表示したり、マウスによるドラッグ&ドロップで任意のフォルダにコピーしたりできる。

添付ファイルをドラック・ドロップしてフォルダに保存したところ
転送用メッセージ・ウィンドウでは、保護対象の添付ファイルもドラッグ&ドロップできる。
  転送用メッセージに添付されたファイル。保護対象の拡張子を持ったファイルでも、この転送用メッセージ・ウィンドウではアクセスできる。
  左のウィンドウからドラッグ&ドロップでコピーした添付ファイル。以後は通常のファイルとしてアクセス可能である。

 この方法の利点は、Outlook Expressのセキュリティの保護機能全体を無効にしなくても済むことだ。設定は有効化したまま、特定の添付ファイルのみをフォルダに保存できる。End of Article

  関連リンク
  SP1 のインストール後、Outlook Express で電子メールの添付ファイルを開くことができない(マイクロソフト・サポート技術情報)
  Internet Explorer 6 の安全でないファイル (Unsafe File) 一覧に関する情報(マイクロソフト・サポート技術情報)
     
更新履歴
【2004/07/10】 当初の記事では、Outlook Expressのセキュリティ設定を変更する方法のみ(上記「操作方法」の1番目の方法)をご紹介していましたが、読者のMiko.Hoshina(Miko's Cafeterrace)氏より、「転送用メッセージ・ウィンドウから添付ファイルをドラッグ&ドロップでコピーすることができる」(上記「操作方法」の2番目の方法)というご指摘をいただきました。この方法では、セキュリティ設定を変更することなく、特定の添付ファイルにのみアクセスできる点で有用と判断し、情報を追加させていただきました。
 
「Windows TIPS」


Windows Server Insider フォーラム 新着記事
@ITメールマガジン 新着情報やスタッフのコラムがメールで届きます(無料)

注目のテーマ

Windows Server Insider 記事ランキング

本日 月間