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リモート・デスクトップ接続クライアントのバージョンを調べる
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解説 |
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Windowsのリモート・デスクトップ接続クライアント(RDC)は、Windows OS標準装備のバージョンから新しい高機能バージョンにアップグレードできる場合がある。特にWindows XP/Windows Server 2003の場合、関連記事に記されているように、RDCを標準のVer. 5.xからVer. 6.xにアップグレードすることで、Windows Vista/Windows Server 2008のターミナル・サービスで強化された機能を利用したり、高解像度表示や複数ディスプレイのサポートといたメリットを享受したりできるようになる。
その半面、RDCのアップグレードの有無によって機能や使い勝手に差が生じることになる。つまり、インストール済みのRDCのバージョンを確認・把握しておかないと、使えるはずの機能がない、あるいは使い方が分からない、といった問題につながる可能性があるわけだ。
そこで本稿では、主要なWindows OSのRDCのバージョンを確認し、Ver. 5.xとVer. 6.xのどちらなのかを判別する2種類の方法を紹介する。1つは対話的操作でバージョンを調べる方法で、もう1つはRDCのプログラム・ファイルからバージョンを得る方法である。
操作方法 |
方法1――RDCを起動してバージョン情報を表示させる
デスクトップで対話的操作が可能な場合は、RDCを起動してバージョン情報を表示させるのが最も手っ取り早いだろう。それにはまず、[スタート]ボタンの[すべてのプログラム]−[アクセサリ]−[リモート デスクトップ接続]を実行してRDCを起動する([アクセサリ]−[通信]−[リモート デスクトップ接続]の場合もある)。次にRDCの画面左上のアイコンをクリックして[バージョン情報]を選ぶと、RDCの各種バージョンが表示される(次の画面参照)。
RDCのバージョン情報を表示させる | ||||||
RDCには[ファイル][ヘルプ]などのメニューがなく、バージョン情報の表示方法も一般的なWindowsアプリケーションとは異なる。 | ||||||
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RDC 5(左)/6(右)のバージョン情報の例 | |
どちらもOSはWindows XP SP2で、左は標準のRDC 5.x、右はRDC 6.0にアップグレードしたもの。「シェル バージョン」と「コントロール バージョン」のどちらも、メジャー・バージョンはRDCのメジャー・バージョンと一致している。 |
[バージョン情報]に表示される「シェル バージョン」と「コントロール バージョン」が、それぞれ何のバージョンを表しているかは不明だが、これらのメジャー・バージョンはRDCのメジャー・バージョンと一致している(下表参照)。
RDCのバージョン | Windows OSとService Pack | 「シェル バージョン」 | 「コントロール バージョン」 |
Ver. 5.x | Windows XP SP2 | 5.1 Build 2600 |
5.1.2600.2180 |
Windows Server 2003 SP1 | 5.2 Build 3790 |
5.2.3790.1830 |
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Windows Server 2003 SP2 | 5.2 Build 3790 |
5.2.3790.3959 |
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Ver. 6.0 | Windows XP SP2+RDC 6.0 | 6.0 Build 6000 |
6.0.6000 |
Windows Server 2003 SP1/SP2+RDC 6.0 | 6.0 Build 6000 |
6.0.6000 |
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Windows Vista SP未適用 | 6.0 Build 6000 |
6.0.6000 |
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Ver. 6.1 | Windows XP SP2+RDC 6.1/SP3 | 6.0.6001 |
6.0.6001 |
Windows Vista SP1 | 6.0.6001 |
6.0.6001 |
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Windows Server 2008 SP1 | 6.0.6001 |
6.0.6001 |
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RDCのバージョンと「シェル バージョン」「コントロール バージョン」の関係 | |||
Windows OSの主要なService PackにおけるRDCのバージョンと、バージョン情報に表示される各バージョンの調査結果。どちらもメジャー・バージョン(最上位けた。5か6)がRDCのメジャー・バージョン(5か6)と一致していることが分かる。 |
方法2――mstsc.exeのファイル・バージョンを確認する
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RDCのメジャー・バージョンは伝統的にそのプログラムのファイル・バージョンと共通なので、そのプログラム・ファイルからRDCのメジャー・バージョンを確認できる。具体的には、ファイルのプロパティを調べるか、サポート・ツールのfilever.exeコマンドなどを利用する(詳細は関連記事を参照していただきたい)。この方法を応用すれば、リモートからバッチ処理で複数のPCを調査したりすることも可能だ。
RDCのプログラム・ファイルとしては、その実行ファイルである%SystemRoot%\system32\mstsc.exeを利用する。Windowsエクスプローラでこのファイルを右クリックして[プロパティ]を選ぶと、次の画面のようにファイル・バージョンを確認できる。
ファイルのプロパティでmstsc.exeのファイル・バージョンを確認する | ||||||
これはRDC 6.0にアップグレードしたWindows XP SP2で、Windowsエクスプローラから%SystemRoot%\system32\mstsc.exeのプロパティを表示させたところ。 | ||||||
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下表のように、Windows OSの主要なService Packにおけるmstsc.exeのメジャー・バージョンは、RDCのメジャー・バージョンに一致する。
RDCのバージョン | Windows OSとService Pack | mstsc.exeのファイル・バージョン |
Ver. 5.x | Windows XP SP2 | 5.1.2600.2180 |
Windows Server 2003 SP1 | 5.2.3790.1830 |
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Windows Server 2003 SP2 | 5.2.3790.3959 |
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Ver. 6.0 | Windows XP SP2+RDC 6.0 | 6.0.6000.16386 |
Windows Server 2003 SP1+RDC 6.0 | 6.0.6000.16386 |
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Windows Server 2003 SP2+RDC 6.0 | 6.0.6000.16459 |
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Windows Vista SP未適用 | 6.0.6000.16386 |
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Ver. 6.1 | Windows XP SP2+RDC 6.1/SP3 | 6.0.6001.18000 |
Windows Vista SP1 | 6.0.6001.18000 |
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Windows Server 2008 SP1 | 6.0.6001.18000 |
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RDCのメジャー・バージョンとmstsc.exeのファイル・バージョンの関係 | ||
%SystemRoot%\system32\mstsc.exeはRDCの実行ファイル。RDCのメジャー・バージョン(5か6)と、mstsc.exeのメジャー・バージョン(ファイル・バージョンの最上位けた。5か6)が一致していることが分かる。 |
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