Windows 2000 Insider/PC Insider合同特別企画

Windows XPの正体
実験/実証によって探るWindows XPの真実の姿

拡張されたエクスプローラのフォルダ表示機能

2.フォルダのカスタマイズ

デジタルアドバンテージ
2001/06/30


フォルダ・アイコンのイメージがやっと変更可能に ―― フォルダのカスタマイズ

 今まさに作業中のファイルが格納されたフォルダ、すでに作業を完了したファイルが格納されたフォルダ、重要なファイルを格納したフォルダ、ごみ箱行き寸前のフォルダなど、同じフォルダでも役割や位置づけはそれぞれ異なる。こうした役割や位置づけに応じて、フォルダを簡単に見分けられるように、フォルダ・アイコンにマークを付けたり、フォルダ・アイコンに色を付けたりしたいと思ったことがあるだろう。しかしWindows 2000やWindows Meでは、特別なツールなどをアドインしないかぎり、標準ではこれができず、どのフォルダも黄色いフォルダ・アイコンとしてしか表示できなかった。

 Windows 2000やWindows Meのエクスプローラでは、「縮小版」表示機能が追加され、ビットマップ・イメージやHTMLファイルなど、ファイル・アイコンの代わりに、ファイルの内容そのものを縮小表示する機能が追加された。この機能を使えば、ファイル名を頼りにするばかりではなく、小さいながらも、ファイルの内容をざっと見渡しながら作業を進めることができる(この機能をWebページに応用した例については、「Windows TIPS:エクスプローラの縮小表示機能を使って多数のWebページを画面上でざっと見渡す」を参照)。しかしこの[縮小版]表示を選択した場合でも、フォルダについては、見慣れた黄色いフォルダ・アイコンが表示されるだけだった。

 Windows XPでは、フォルダのカスタマイズ機能を追加することで、これらの不満を解消している。フォルダをカスタマイズするには、エクスプローラで操作したいフォルダを選択し、マウスを右クリックして、表示されるショートカット・メニューの[プロパティ]を実行し、フォルダのプロパティ・ダイアログを表示する。Windows XPでは、ここに新たに[カスタマイズ]タブが追加された。

フォルダのプロパティ−[カスタマイズ]タブ
Windows XPでは、フォルダのプロパティ・ダイアログにこの[カスタマイズ]タブが追加された。ここでは、フォルダのテンプレートを選択したり、[縮小版]表示の際にフォルダ・イメージとして表示する画像を設定したり、[縮小版]表示以外でのアイコン・イメージを設定したりできる
  フォルダのプロパティ−[カスタマイズ]タブ。Windows 2000やWindows Meにはなかったタブである。フォルダの各種カスタマイズを行うには、このタブをクリックする。
  あらかじめ用意されたテンプレートから、フォルダのタイプを選択する。画像用フォルダ向けテンプレート、音楽ファイル用フォルダ向けテンプレートなどがある。
  [縮小版]表示の際に、フォルダ・アイコンとして表示する画像を指定する。
  [縮小版]表示以外のときに表示されるフォルダ・アイコンのイメージを指定する。
  上で選択したフォルダ・テンプレートを、当該フォルダ以下すべてのフォルダに適用する場合にオンにする。

 以下では、フォルダのカスタマイズ機能を順に解説していこう。

■テンプレートを使ってフォルダをカスタマイズ ―― フォルダの種類

 フォルダの種類とは、フォルダごとのカスタマイズ情報をテンプレート化したものである。選択肢に次のものがある。

フォルダの種類で選択可能なテンプレート
ビットマップ・イメージを格納するフォルダや、音楽データを格納するフォルダなど、いくつかの種類のフォルダに対し、あらかじめテンプレートが用意されている。
  デフォルトで選択可能なファイル・テンプレート一覧をドロップ・ダウンしたところ。

 このうちデフォルトは、最上端にある[ドキュメント(すべてのファイルの種類)]である。これに対し、ビットマップ・イメージを格納したフォルダや、音楽データを格納したフォルダに対しては、[ピクチャ(多くのファイルに最適)]や[ミュージック アルバム(1つのアルバムからの複数の曲に最適)]などを選択する。これらを切り替えると、フォルダ・ウィンドウの左側にある前出のWebコンテンツ表示部分に、その種類に応じたタスク一覧が表示されるようになる。例えば今述べた、[ピクチャ〜]と[ミュージック アルバム〜]を選択したフォルダでは、次のようなタスクが表示される。

ピクチャ タスク
フォルダのテンプレートとして[ピクチャ〜]を選択すると、デフォルトの[ファイル タスク]とは別に、画像専用の処理がこのように[ピクチャ タスク]として表示されるようになる。
  画像ならではの処理がここに一覧される。ここから、右で選択した画像に対する各種処理を実行可能。ここで[インターネットからプリントを注文する]は、インターネット上の出力サービスを利用して画像の出力を依頼するコマンドである(これを実行すると、[インターネット・プリント注文ウィザード]が開始される)。
 
ミュージック タスク
フォルダのテンプレートとして[ミュージック アルバム〜]を選択すると、このような[ミュージック タスク]が表示される。
  ファイルを選択して、Media Playerで再生させることなどが可能。

 Media Playerと[マイ ミュージック]フォルダは連動しており、Media Playerで音楽CDのデータをリッピングすると(音楽データをハードディスクにコピーすると)、[マイ ミュージック]の下にそのアルバム用のフォルダが[ミュージック アルバム〜]のテンプレートを指定して作成される。このとき、コンピュータがインターネットに接続されており、データベースから曲目データなどをダウンロードすることに成功すると、フォルダのイメージとしてそのCDのジャケットが表示されるようになる(ただし残念ながら、国内アーティストのCDでは、めったに曲目データをダウンロードできない)。

[マイ ミュージック]フォルダ
Media Playerで音楽CDをリッピングすると、そのCD用のフォルダが[マイ ミュージック]以下に[ミュージック アルバム〜]テンプレートを指定して作成される。
  リッピング時、インターネットからの曲目のダウンロードに成功したときには、CDジャケットのイメージが[縮小版]表示でこのように表示されるようになる。

■[縮小版]表示におけるフォルダ・イメージのカスタマイズ

 前述したとおり、エクスプローラの表示モードで[縮小版]表示を選択すると、ファイルはイメージの縮小版が表示される(縮小表示が可能なもののみ)。この際Windows XPのデフォルトでは、フォルダについては、そのフォルダに含まれるファイルの縮小版がフォルダ上に4つまで表示されるようになっている(ただしこちらも、縮小版表示が可能なもののみ)。

 しかし必要なら、特定の画像をフォルダ上に表示させることもできる。この設定を行うのがフォルダのプロパティ・ダイアログ−[カスタマイズ]タブ−[フォルダの画像]グループである。ここでは、[縮小版]表示の際に、フォルダに表示されるイメージを指定する。今回手元で試したところでは、JPEG、GIF、PNGの各イメージ・ファイルを指定することが可能だった。

フォルダの画像指定
[縮小版]表示の際に、フォルダ上に特定のイメージを表示したければ、ここで設定を行う。
  画像を選択するにはここをクリックする。するとファイル・オープン・ダイアログに似たダイアログが表示され、ファイルを選択できる。
  以前に指定したイメージ設定を破棄し、デフォルトの状態に戻す。
  現在設定されているイメージ。

■[縮小版]以外の表示におけるフォルダ・イメージのカスタマイズ

 今述べた[フォルダの画像]で指定したイメージが表示されるのは、エクスプローラの表示モードが[縮小版]の場合のみである。それ以外の表示モードでのフォルダ・イメージを変更したければ、フォルダのプロパティ・ダイアログ−[カスタマイズ]タブの一番下にある[フォルダ アイコン]グループで表示アイコンを指定する必要がある。

フォルダのプロパティ・ダイアログ−[カスタマイズ]タブの一番下にある[フォルダ アイコン]グループ
[縮小版]表示以外の表示モードにおけるフォルダ・イメージを変更するには、ここで[アイコンの変更]ボタンをクリックして適当なアイコン・イメージを選択する。
  フォルダ・アイコンを選択するにはこのボタンをクリックする。→
  設定したアイコンのプレビュー。

 ここで[アイコンの変更]ボタンをクリックすると、次のようなダイアログが表示され、ここからフォルダ用のアイコンを選択できる。

フォルダ・アイコンの選択用ダイアログ
アイコン・イメージはここで設定する。
  アイコン・イメージを含むファイル。デフォルトではこの%SystemRoot%\system32\SHELL32.DLLに含まれるアイコン・リソースが一覧表示される。
  他のアイコン・ファイル、アイコン・リソースを含むDLLファイルなどに切り替えるときには、このボタンをクリックする。
  のファイルに含まれるアイコン一覧。
  以前に設定したアイコン・イメージを破棄し、デフォルトの状態に戻す。

 このように、アイコン形式であれば、フォルダ型のイメージばかりでなく、任意のアイコン・イメージをフォルダ表示用として指定できる。また任意のファイルを指定できるので、システムにあらかじめ用意されたものばかりではなく、市販のアイコン集を使用したり、自作のアイコンを指定したりすることも可能だ。

 
     
 INDEX
  [Windows XPの正体] 実験/実証によって探るWindows XPの真実の姿
  拡張されたエクスプローラのフォルダ表示機能
    1.フォルダのWebコンテンツ
  2.フォルダのカスタマイズ
    3.さらに洗練されたエクスプローラの表示オプション
    4.フォルダのグループ表示機能

 「Windows XPの正体」


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