文書をXML化すれば自動的にデータベースになる? | |
「社内の文書をXML化すると、タグの意味も解釈してくれるXML文書データベースができる」といったことを聞きます。どんなソフトを動かせばよいかも分かりませんが、XML文書に対して検索してくれるようなソフトがあるのでしょうか。 |
回答/富士ソフトABC株式会社 技術センター
2001/12/7
あらゆるXML文書に対応し、スキーマに関係なく検索できるような万能なXMLの検索エンジンは、現時点では存在していないようです。イースト株式会社のBTONICなどが一番近い機能を持っているサーバ製品でしょう。
ご質問のような、「社内の文書をXML化すると、それが文書データベースになり、タグを用いてXML文書を検索できる」という機能からイメージされるのは、ファイルシステム上に置かれた複数のXML文書を、XMLプロセッサを使用して簡単に検索できることでしょう。しかしいまのところは、前述したようにそのようなXML文書用の万能検索エンジンはないようですので、テキストファイルを全文検索するNamazuのような通常の検索エンジンを使わざるを得ないでしょう。
一方、XML文書をファイルシステムやWebサーバ上に置いておくのではなく、データベースに格納することで、もう少し実用的な文書データベースが構築できるかもしれません。すでに、XML文書対応のデータベースが複数存在していますので、遠からずご質問にあるような利用法が一般的になる可能性があります。
XMLデータベースについては、@ITの「XMLサーバカタログ/2001 Summer 〜XMLデータベース編〜」が参考になるでしょう。
ですので、ご質問への回答としては、XML対応のデータベースサーバを使用する、ということになります。各社特徴のある検索方法などが提供されているので研究してみてください。
今後の話ですが、W3Cでは、World Wide Webに散らばる無数の文書をXMLによって意味付けして、精度の高い検索を実現する「セマンティックWeb」というビジョンを持っています。ですから、いつかは世界中のXML文書がデータベースから検索対象になる、といったことが実現するかもしれません。
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