FAT (File Allocation Table)
【ファット】
別名
・FATファイルシステム (FAT filesystem) 【ファット・ファイルシステム】
マイクロソフトが開発したファイル・システム。FATと呼ばれる管理領域を使うことからこのように呼ばれる。厳密には、この管理領域が「FAT」であるが、これを利用したファイル・システム全体を指して「FAT」とか「FATファイル・システム」などと呼ぶ。
最初のFATファイル・システムは、マイクロソフトが最初に手がけたパーソナル・コンピュータ向け言語製品であるStand-alone Disk BASICのファイル管理方式として、同社のマーク・マクドナルド(Marc McDonald)によって開発された。そしてFATファイル・システムは、その後発表されたMS-DOSのファイル管理方式として採用され、広く利用されるようになった。このため一般にFATファイル・システムといえば、MS-DOS用に開発されたファイル・システムであると理解されている。
FATファイル・システムでは、ディスクをクラスタと呼ばれる論理単位に分割し、データサイズに応じてこのクラスタを1つないし複数割り当てることで、ファイルを実現する。このとき、あるファイルを構成しているのはどのクラスタか(1つのファイルを構成するクラスタは、必ずしも連続している必要はない)、あるクラスタは現在使用中か/未使用かといった情報をFATと呼ばれる管理領域に記録して管理する(厳密には、この管理領域が「FAT」であるが、通常はこのFATを利用したファイル・システム全体を指す場合が多い)。したがってディスクサイズが大きくなると、通常はそれに従ってクラスタ数も増えるので、必要なFAT領域も大きくなる。
このような場合でも、1クラスタに相当するデータサイズ(セクタサイズ)を大きくすれば、クラスタ数を増やさなくても、よりサイズの大きなディスクを管理できる。しかし、ディスクがクラスタ単位で管理されているということは、たとえ1byteのファイルを書き込む場合でも、1クラスタのサイズが消費されてしまうということであり、あまりクラスタサイズを大きくするとディスク領域を効率的に利用できなくなってしまう。
クラスタ番号のサイズ(クラスタ番号を表現するのに使われるbit幅)は、初期のMS-DOSでは12bit幅(32Mbytesのディスクまで管理可能)だったものの(現在でもフロッピーディスクのファイルシステムではこれが使われている)、その後MS-DOS 3.xよりこれが16bit幅に拡張され(FAT16)、最大2Gbytesまでのディスクの管理が可能になった。この16bitからさらに32bit幅に拡張して、最大2Tbytesまでのディスクを管理できるようにしたのがFAT32、または32bit FATと呼ばれるものである。このFAT32は、Windows 95のOSR2からサポートされ、続くWindows 98、Windows 98 SE(Second Edition)、Windows Me(Millennium Edition)、Windows 2000で使われている。
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