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フロッピー・ディスク (floppy disk)

別名
フロッピー (floppy)
ディスケット (diskette)
フレキシブルディスクカートリッジ (flexible disk cartridge)
FD (floppy disk) 【エフ・ディー】

最終更新日: 2002/05/17

 薄いポリエステル円板の表面に磁性体をコーティングし、磁気を使ってデータを記録する記憶メディア。1972年に米IBM社がデータ入力システム用の記録媒体として商品化した。floppyとは「パタパタとはためく、くたっとした、へなへなの」という意味であり、薄くて柔らかいプラスチック・メディアに記録するさまからこう名付けられた。単に「ディスケット(これはIBM社の商標)」とか「フロッピー」とも呼ばれる。またJISの情報処理用語では「フレキシブルディスクカートリッジ」という。パーソナル・コンピュータやワードプロセッサを始め、安価で取り扱いが容易なリムーバブル・デバイスとして、広く普及している。

 当初のフロッピー・ディスクは直径が8インチ(20cm)で、メディアを保護するために、不織布(ライナ)が内側に貼られたプラスチック製のジャケットに入れられていた。メディアの回転速度は360rpm、片面記録で1枚あたりの記憶容量は250Kbytesであった。1セクタは128bytesで、1トラックあたりのセクタ数は26セクタ、そして1枚あたり77トラックというフォーマットとなっていた(トラック密度は48tpi)。

 その後5.25インチ(単に5インチともいう)へと小型化されたり(正式名称は「ミニフロッピーディスク」)、記録密度の向上や両面記録などによって、1枚あたりの容量は1Mbytes程度まで増加したが、8インチ・フロッピーも5インチ・フロッピーも磁気円板の一部が(読み書き用のヘッドを接触させるために)保護ジャケットに明けられた細長い穴から露出しているという構造は変わっていない。

 そして、より小型化が求められ、さらに未使用時には自動的にシャッターが閉じてメディアを保護するような構造のフロッピー・ディスクが開発された。サイズは3インチや4インチなどさまざまなものがあったが、最終的には3.5インチのもの(正式名称は「マイクロフロッピーディスク」)だけが生き残り、現在普及している。ただし容量に関しては、(ユーザー使用領域が)1.4Mbytes程度でとどまっており、これよりも大容量のものもいくつか開発されたが、互換性やコストの問題のために、いずれも広く普及するには至っていない。

フロッピー・ディスク
フロッピー・ディスク
現在一番広く普及しているリムーバブル・ストレージである3.5インチ・フロッピー・ディスク。上部にあるシャッターはメディアをドライブに挿入したときにだけ自動的に開くようになっており、未使用時にメディアを保護している。ケース全体も硬いプラスチックでできているので、少々乱雑に扱っても大丈夫である。左下にある穴は書込み保護用で、右下にある穴はメディアの種類(記録密度)を表す。

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