MS-DOS
【エム・エス・ドス】
Microsoftが開発したIntel 8086系CPU用のディスク・オペレーティング・システム。最初のバージョンであるVer.1.0が発表されたのは1981年。MS-DOSは当初、IBMとMicrosoftで共同開発され、IBMはPC-DOSの名称で自社のパーソナル・コンピュータであるIBM PC向けに販売していた。
MS-DOSはPC互換機向けのオペレーティング・システムとして、広く一般に普及した。マルチウィンドウ・システムであるMS Windowsが発表された以後も、Windows 3.xまでは、ファイル入出力などを行うためにMS-DOSが必要であり、MS-DOSとWindows 3.xの双方をシステムにインストールする必要があった(このためWindows 3.xは、「オペレーティングシステム」ではなく、「オペレーティング環境」と呼ばれていた)。しかしその後発表されたWindows 95ではMS-DOSが不要となり、事実上MS-DOSは役目を終えたことになる。
MS-DOSのバージョンアップの歴史を簡単にまとめると以下のようになる。
●Ver.1.0―特定のデバイスに依存しない入出力が実現された。
●Ver.2.x―階層化ディレクトリ、ファイルハンドルによるファイルのアクセス、ファイル入出力のリダイレクトなどが実装された。MS-DOSの基本的な機能が実装されたのはこのVer.2.xである。
●Ver.3.1―より大規模な外部記憶装置に対応するための16bit FAT、ネットワークサポート機能が追加された。
●Ver.3.2―3.5インチ・フロッピーディスクのサポートが追加された。
●Ver.3.3―コードページ、ハードディスクの拡張パーティションのサポートが追加された。
●Ver.4.x―大容量ハードディスクのサポート、DOS SHELL(マウスで操作可能な、文字ベースのユーザーインターフェイス)が追加された。
●Ver.5.x―デバイス・ドライバのハイメモリ領域へのロードなど、メモリ・マネージャ機能が拡張された。
●Ver.6.x―DoubleSpace(ファイルを圧縮して見かけ上のディスク領域を増加させる機能)、ディスク・ユーティリティの追加、マルチコンフィギュレーション機能が追加された。
なおVer.6.1で追加されたディスク圧縮ソフトウェアのDoubleSpaceは、その後Stacker(多くのユーザーを獲得していたディスク圧縮ソフトウェア)の技術をライセンスして、DriveSpaceにバージョンアップされた。
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