ICE (In-Circuit Emulator)
【アイス】
別名
・インサーキット・エミュレータ (in-circuit emulator)
マイクロプロセッサを使ったシステムを開発、デバッグするために、実際のCPUの代わりに装着して使う、特別に作られたプロセッサ、もしくはそれを使った開発支援装置のこと。
ハードウェアやその上で動作するソフトウェアを開発・デバッグする場合は、プログラムを1命令ずつステップ実行してその動作を確かめたり、動作途中のメモリの内容などをダンプ(取り出して表示すること)したりする必要がある。しかし実際のCPUでは1ステップずつ実行する機能を持っていなかったり、ステップ実行させようとすると実際のクロック速度よりもはるかに遅い速度でしか動かなかったりする。これでは現実的な利用環境を想定した実行やデバッグができない。またメモリ・バスやデータ・バスの内容をCPUの外部から監視するような装置を使っても、内部キャッシュに対するアクセスなどは外部からはモニタできない。
ICEは、デバッグ向けに作られた特別なCPUもしくはそのエミュレーションを行うための装置である。ターゲットとなるシステムのCPUを取り外し、代わりにICEをCPUソケットに挿入する。実際のCPUと(ほとんど)同じ速度で、CPUやメモリ内部の内容を詳細にトレース(追跡)しながら実行したり、特定の条件(ある部分まで実行したとか、特定のメモリ・アドレスにデータを書き込んだなど)が発生した場合に、そこで実行を一時的に停止させる、などの機能を持つ。ハードウェア・システムの開発や、デバイス・ドライバのような低レベルなシステム・ソフトウェアの開発において、その開発作業を助けるために利用される。
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